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基本所得ではなく「緊急災害生活費」の階級選別的な分配を

[娑婆論評]

クォン・ヨンスク(社会的ストライキ連帯基金代表) 2020.03.23 18:47

コロナ19が韓国を襲って3か月になる。 緊急災害により実物経済が凍りつき、職場は稼動率が逆さまに転落し、 労働者たちは解雇されるか無給休暇を強要され、賃金が自然に削減されている。 所得が減っているなかで貯蓄した金もない人々は、 コロナ19よりも生計難のほうが恐ろしい。 彼らのための「緊急生活費」の支援が必要だ。疫病が災害だとすればである。

しかし大統領が取るという措置は、自分の報酬を30%削減する。 4か月間、大統領と長官の報酬を30%削減するということだ。

まず本当にピンボケだ。 誰かは削られる賃金でもあるから良いが、誰かは最低賃金以下の人々だ。 その人たちにとって、彼らの賃金削減分に何の意味があるか。 そして誰が善行をしてくれと言ったか。 貧しい人々の市民的権利として主張するのだ。 これをしばしば「社会権」と言う。 まだ国民を「国様(ナラニム)」――かわいそうな恩恵を受けるだけの百姓のように対しようとしているか。

そしてもし、この措置が今後労働者に苦痛分担を口実にして賃金を凍結したり削減して、 長時間労働を維持する事前作業でないことを願う。 だが経済人総連は3月23日 「経済活力向上と雇用・労働市場先進化のための経営界の建議」を発表した。 その内容は、 △企業活力向上のための法制度改善、 △企業経営安全性確保のための法制度改善、 △労働市場柔軟性向上のための法制度改善、 △高費用・低生産性構造改善、 △合理的な労使関係構築、 △持続可能社会保障体系確立、 △先進安全システム構築、 △経営責任の適正性確保と刑罰改善だ。

大統領と行政府は今すぐしっかり行政権力を動員して行政的な仕事をしなければならない。 行政的に実効性ある社会経済的措置を取らなければならない。 それが政治権力がするべきことだ。 こうした状況で、善きサマリア人まねをするショーは止めろということだ。

だが「災害基本所得」という名前ですべての国民に定額でいくらかを支払うような 「普遍的基本所得(universal basic income)」には反対する。 現在、災害基本所得の教授・研究者の請願書名が回っている。 なぜすべての国民が基本所得で同一金額の緊急所得を受けなければならないのか? 今必要なことは、災害の前で最もはっきりあらわれた災害不平等が人間惨劇にならないように、国家が非常介入することだ。 そしてこれは正しく災害の階級性を理解するところから出発しなければならない。 すべての国民ではなく、最低賃金以下の労働者、 自営業者のうち下位20%の所得を対象にしなければならない。

しかも一つ重要な地点は「国民」ではなく、この地で暮らすすべての「人間」に 生存基金を支給しなければならないということだ。 基本所得は「国民」を対象にする非常に排除的で選別的な福祉だ。 一部では普遍的基本所得こそが普遍的で脱排除的だというが、 グローバルな伝染病の前で「国民」という資格条件は逆説的にいかに排除的か。

したがって、今支払われるべきものは、 災害基本所得ではなく、まず生存の維持が難しい下層所得民に緊急な救援基金として、 二番目に憲法上の幸福追及権と健康な権利を持つ人々の当然な社会権として、 そして三番目に「国民」という排除的な普遍基本所得ではなく、 この地でコロナ19により生存権が威嚇されている社会構成員皆を対象とする 緊急災害生活費でなければならない。 そしてこれがまさに基本所得と違う点だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2020-03-31 09:58:55 / Last modified on 2020-03-31 09:58:56 Copyright: Default

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