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コロナ19と権力の刀

[寄稿]労働者の足を縛ってオンライン賭博でもしろという政府

ミョンスク(人権運動ネットワーク・パラム常任活動家) 2020.02.25 10:29

[出処:チャムセサン資料写真]

コロナ19の伝染が広がっている。 確診者と死亡者ともに増加していて、市民は不安に震えている。 今政府がするべきことは、不安と恐怖を減らす保健措置と 社会的弱者に対する支援策を用意することだ。 だが現実はその正反対だ。

権力はその不安を危機として既得権者など、財閥と企業のための政策を推進する。 金持ちの倉の米が減らないようにする政策(企業支援策)はしても、 倉に米一粒もない庶民のための支援策はない。 いやその米一粒まで取って行くという政策があふれている。

伝染病の危機を企業の金庫を満たす機会にするのか

すでに総選挙の準備用としてサムスン電子と現代車を数回訪問し、 財閥のご機嫌を取ってきた政府らしく、 コロナ19は財閥と企業のための反労働者的政策の口実になる可能性が高い。 これまで政府与党は国際労働機構(ILO)の中核的協約批准をするには 国際労働基準に反する団体行動権を弱める労組法改悪案を通過させると脅迫した。

こうした憂慮は実際、目前に置かれている。 ムン・ジュンウォン騎手の死と、世の中に知られているように、 韓国馬事会は腐敗と不条理の温床であり、公共性はなかった。 馬事会は公共機関だが健全な余暇文化や競馬スポーツ文化を作る政策を取ったことがない。 人々を賭博中毒に陥れ、これを通じて稼いだ金を売り上げだと、成果だと、 誇らしく言ってのける所が馬事会だ。 国民が賭博に中毒しようが、騎手や馬管理士が死んだり怪我を使用が 意に介さなかった。 しかしこれを深める法案を議決する。

20代国会は射幸性を強め、騎手の生命を威嚇する馬事会法改正案を発議し、 2月26日に審議する予定だった。 昨年11月、共に民主党の姜昌一(カン・チャンイル)議員など19人が発議した改正案は、 馬券をオンラインで売れるようにする「オンライン競馬」の導入が核心だ。 公共性を高め、騎手と馬管理士の労働安全を高める内容の法改正案ではなく、 射幸性を強める改正案だ。 立法機関の国会さえ、人々の健康より賭博場を広げて金を稼ぐことが重要なのだ。

競馬はカジノの次に賭博中毒率が高い。 馬事会は射幸性を極大化する場外発売所(画像競馬場)を作り続け、 市民社会の批判を受けてきた。 賭博中毒を止めるべき政府は合法的に賭博を薦める。 実際、馬事会の売上額の割合が高いところが画像競馬場だからだ。 画像競馬場はスポーツではなく賭博だ。 2016年、国会農林畜産食品海洋水産委員会が韓国馬事会から提出させた 「競馬賭博中毒有病率」の資料によれば、 2014年基準で競馬による賭博中毒率は49.1%で、 射幸産業全体の平均36%よりはるかに高い。 そして競馬場(44.3%)よりも場外発売所(52.9%)の賭博中毒有病率のほうが高い。

競馬の賭博性(射幸性)を強める画像競馬やオンライン競馬は、 騎手の生命と健康を威嚇する。 風雨が吹いたり吹雪が吹き荒れても、 騎手や馬が怪我をしかねない状況でも、競走は施行される。 筆者が故ムン・ジュンウォン市民対策委真相調査チームで活動して会った多くの騎手が証言した内容だ。 (競馬が施行された日の天気を確認するだけでもこれが事実であることがわかるが、 馬事会は騎手の意見を受けて開催したという。 雇用の有無と違わない免許更新権と懲戒権がある馬事会が競技をするというのに、 拒否することがやさしいだろうか。 騎手の意見を反映する透明な公式な制度などありもしない。)

不幸中の幸いか、国会議員のコロナ19感染確認と防疫措置で国会が閉鎖され、 該当法案の審議が延期された。 しかし彼らの試みが中断されたのではない。

相次ぐ撤去

コロナ19に関心が注がれている間、 政府はあらゆる言い訳で「闘争と追慕の場所」を撤去しようとしている。 先週は鷺梁津水産市場の商人が生計対策を要求して戦っている商店街を撤去し、 今回は故ムン・ジュンウォン騎手を追慕する光化門焼香所を撤去すると 行政代執行令状を発行した。 2か所で確診者が出てきたわけでもない (もちろん確診者が出てきても撤去しない。一時閉鎖と防疫措置をするだけだ)。 それでも焼香所や水産市場で大規模集会を開いたり、 全国から人々が上京する大規模行事を行うわけでもない。

[出処:チャムセサン資料写真]

故ムン・ジュンウォン騎手が死んで88日になっても 真相究明と責任者処罰に対して手をこまねいていた政府がする行動が撤去とは、 残忍で極悪非道だ。 最低の人間の道理も見られない。 農林畜産食品部は公共機関を管理監督せず、 むしろ売上額が高い馬事会の表情だけを見てきた。 2019年3月に重大災害が発生した公共機関長に責任を問うという閣僚会議発言は記憶さえないように、 キム・ナクスン会長をはじめとする役員の責任は尋ねない。

事実、コロナ19の感染が本当に憂慮するのなら撤去をしてはならない。 撤去の過程で人間どうしがとても近づくので感染が広がる恐れがある。 韓国では日常的な企業活動や商業行為が全面中止されたわけでもない。 しかし小規模な人々が集まることさえ防ぐというのは、 すべての社会活動を中断して家だけにいろという反人権的措置が取られた時にでも可能なことだ。 結局、政府が行政代執行という形式の強制撤去をしようとするのは、 追慕と闘争の場所をなくすという意味だ。 その上、2月21日に鷺梁津水産市場の商人を区庁公務員と用役600人を動員して強制撤去した時、 感染防止のための措置はなかった。 いや、感染予防が不可能だ。 撤去の意図は明らかだ。

考えてみれば、追慕と闘争の場所をなくすということは象徴的だ。 政府には犠牲になった同僚を追慕して、正面から不正と闘う場所がウイルスの温床に見えるという意味だから。 逆に言えば私たちが場所を守る理由を明らかにする。 再確認してみよう。

「人間として、人間に対する礼儀を守ろうとする人権の精神が生成される焼香所を守らなければならない。 正面から不正と闘う闘争の場所を守ることにより、 正義という免疫力を確保していかなければならない。」

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2020-02-29 00:14:49 / Last modified on 2020-02-29 00:14:50 Copyright: Default

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