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韓国馬事会、社会貢献予算せいぜい0.2%、中毒予防は0.006%

「馬事会は国家経済に『寄与』するのではなく、独占権保障による『代価』を支払う」

ウン・ヘジン記者 2020.02.05 16:14

年間約8兆ウォンの売り上げをあげる韓国馬事会が、 賭博中毒予防の予算としてやっと0.006%を策定していたことが明らかになった。 社会貢献事業予算では売上額の0.2%だけを策定し、 嗜好性産業を管理する公共機関としての機能が何もないという批判が出てきている。

故ムン・ジュンウォン騎手市民対策委と李貞味(イ・ジョンミ)正義党国会議員室、 正義党労働本部は2月5日午前10時にフランシスコ教育会館で 「7人を死に追いやった馬事会の構造と労働実態調査報告会」を開いた。 彼らは前職・現職の騎手と馬管理士へのインタビューと、 国会議員室の資料、既存の研究資料および論文を検討し、実態調査報告書を作成した。

馬事会社会貢献事業予算比重売り上げの0.2%

馬事会は、 △競馬の施行、 △畜産発展、 △余暇善用の目的のために設立された。 競馬という嗜好性産業を国家が厳格に管理しなければならないため、 公共機関として存在している。 馬事会は競馬施行処として賞金をかけて競馬を施行・管理し、 馬券を販売して収益を得る。

馬事会の昨年の売り上げは7兆8000億ウォンだ。 馬事会の事業部門別予算の割合を調べると 競馬事業が98.5%で圧倒的だ。 しかし馬振興事業予算は1.3%、 社会貢献事業予算は0.2%に過ぎない。

では馬事会は嗜好性産業の副作用をなくし、 健康なレジャースポーツとして競馬産業をきちんと管理しているのだろうか。 2018年基準、馬事会中毒予防センター事業(人件費除外)予算は1億6900万ウォンで、 馬券入場券売上額7兆8152億ウォンの0.002%水準だ。 馬事会が韓国賭博問題管理センターに毎年支払う43億ウォンを入れても 中毒予防予算は売り上げ全体の0.006%に過ぎなかった。

2018年に国家機関の嗜好産業監視委員会の調査の結果、 韓国の賭博中毒有病率は5.4%だ。 これは米国の3.2%、英国の2.5%よりはるかに高い数値だ。 その上、馬事会がロールモデルにしている香港は1.4%で、 韓国の有病率は香港の4倍にのぼる。

馬事会は香港を運営モデルとしているが、 事実上の組織運営方式そのものが違う。 香港は非営利機構により始められ 「社会貢献(寄付)のための競馬」を標榜し、 最低の運営経費を差し引いてすべてを社会に還元する。 だが韓国馬事会は税収確保のための公企業として、 事業・収入の独占権限を持っている。

キリスト教人文社会研究室のチョン・ジュヒ研究員は 「今日の韓国社会における公共性に対する要求は、 公共機関が上げる収益性で還元されない」とし 「しかも馬事会が払う税金は事業の独占権を国家が保障することで可能な高収益によるものだ。 だから馬事会は国家経済に『寄与』するのではなく、 独占的事業権保障により『代価』を支払う」と説明した。

騎手の使用者馬事会

騎手は調教師と騎乗契約を締結する個人事業者だが、 馬事会は使用者の役割を遂行していた。 免許交付・更新、懲戒権だけでなく、 騎手の賃金に直結する賞金の金額・分配、騎乗料を馬事会が決めている。

馬事会が騎手に支払う賞金は1〜5位までで、 その割合も勝者一人占めで賃金偏差が高い。 今年は1位55%、2位22%、3位14%、4位5%、5位4%だ。

騎乗契約書によれば、調教師が騎手に支払う助手騎乗料は 馬事会の勧告案を基礎として支払う(第5条3項)ことになっているなど、 騎手の収入の決定権は馬事会にある。 そのため市民対策委真相調査チームは、 馬事会が責任の主体であり、団体交渉の使用者だと主張している。

民主弁護士会労働委員会のチョン・ジソン弁護士は 「騎手の賃金または賃金に準じる収入の決定権が馬事会に一任されていて、 騎手の労務提供に関する懲戒権限も馬事会に一任されている」とし 「それでは騎手の育成と採用の過程、賃金決定の過程、 懲戒権限に関する交渉相手としての地位は馬事会にある」と説明した。

馬事会は競馬施行規定により、 騎手と調教師の免許取り消しや免許停止まですることができる。 懲戒事由には不正行為だけではなく、 品位維持違反や注意義務怠慢のように恣意的に懲戒できる項目も存在している。

また馬事会は競馬施行規定審判委員の規定により罰金を賦課するガイドラインも作った。 人権運動ネットワーク・パラムのミョンスク活動家は 「罰金の場合、騎手の所得を削減する効果があり、 雇用契約でなくても不公正な契約だといえる」とし、 「いくら勤労契約が違うとしても、契約義務不履行で罰金でを賦課したり、 罰金を馬事会が徴収するのは不公平な規定と施行細則だといえる」と指摘した。 勤労基準法20条には契約不履行による違約金と損害賠償についての契約はできないとなっている。

市民対策委真相調査チームは馬事会に対する上級単位の管理監督が必要だとも提言した。 馬事会は7兆8000億ウォンを越える売り上げを上げ、 国庫補助金113億ウォンが投入されているが、統合的な管理・監督を受けていない。 農林畜産食品部傘下機関の馬事会は、 農林畜産食品副長官の許可を受けずに競馬場を設置しても、 100万ウォンの過怠金さえ納付すれば良い。 また、長官の権限および役割は、 競馬場設置など嗜好産業であることを考慮した規制と会計、積立金使用など、 馬事会の財政問題だけに集中しており、権限・役割は狭く、強制手段も少ない。

チョン・ジソン弁護士は「内部監査、牽制機関が形骸化している今、 外部的管理・監督体系を構築しなければならない。 具体的には、実質的な農林畜産食品副長官の監督と管理が行われるように 韓国馬事会法を改正しなければならない」と話した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2020-02-11 23:50:22 / Last modified on 2020-02-11 23:50:23 Copyright: Default

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