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「不法派遣解決すると言った大統領はどこに行ったのか」

[インタビュー]韓国GM高空籠城解雇者イ・ヨンス氏

キム・ハンジュ記者 2019.08.30 15:01

▲韓国GM非正規職労働者イ・ヨンス氏[出処:キム・ハンジュ記者]

韓国GM非正規職解雇者、イ・ヨンス氏が8月25日、 富平工場正門の前の「空の監獄」に上がった。 翌日、他の解雇者25人はその下で集団ハンストを始めた。 非正規職解雇者の復職、不法派遣撤廃のためにだ。 8100億ウォンの政府の支援、不法派遣の判決があったのに、 なぜここの非正規職労働者の現実は変わらなかったのであろうか。 チャムセサンは高空籠城労働者、イ・ヨンス氏の話を聞いてみた。

高空はどうか。苦しいことはないか?

高さは9m程度だ。それほど高くはない。 しかし鉄の構造物なので、昼間は太陽の光が鉄を熱くする。 熱を全身で受けて、それでも涼しい風が吹けば冷ましたりする。 面積は約1.5m2だ。 横になって足を伸ばせない構造だ。 一番苦しい点は、1人で座り込みをしている点だ。 生理現象を解決するのも難しい。

なぜ高空籠城を決心したのか?

私が働いていた富平工場には復職を要求する非正規職解雇者が38人いる。 また今は閉鎖された群山工場非正規職8人が復職を掲げて戦っている。 群山工場の労働者たちは解雇期間が4年をはるかに越える。 数年間、復職のために戦う非正規職労働者はこれほど多い。 韓国GMは昨年8100億ウォンの政府支援金を受け取った。 また今年の下半期に富平工場は現行の1交代を2交代制に転換する計画だ。 したがって、使用者側が追加の採用をるはずだが、 今回だけは非正規職解雇者が必ず復職しなければならないと考えた。 それで高空籠城を決心した。

韓国GM非正規職としてどのように働いてきたのか?

私は2006年にエンジン工場の下請に入社した。 中間に非正規職労組を作って解雇され、富平第2工場の車体工場に復職した。 復帰して働いている間に下請企業が4回も変わった。 業者が変わる周期はどんどん短くなった。 GM大宇の時は元請の管理者が退職後に下請企業を作り、運営する形だった。 よほどのことがなければ業者は変わらなかった。 しかしその後、元請が最低入札制を始めると、下請企業が単価切り下げの競争を始めた。 下請工場の稼動率、収益率が下がるのは当然の手順だった。 今は何かあれば下請が変わり、非正規職だけが追い出される境遇だ。

過去には韓国GMの1次下請の賃金水準は相対的に悪くなかった。 基本給は低くても、賞与金が賃金を補填したからだ。 韓国GM富平工場と同じ地域にある仁川南洞工団、富平工団の非正規職より少し高かった。 もちろんねその時も非正規職と正規職の賃金差はあった。 時間が経つほど、この差がますます開いたのが問題だ。 一昨年に会社が非正規職賃金から交代制の手当てを抜いた。 また最近では賞与金を通常賃金に入れた。 このようにして1次下請非正規職の賃金は最低賃金に向かって転落した。 2〜3次下請は、低賃金の問題がさらに深刻だ。

非正規職労働者として構造調整をどう見ていたのか?

2006年頃、富平工場の1次下請非正規職は1500人に達した。 今は500人もいないという。 富平だけで千人以上が消えたのだ。 群山工場も閉鎖され、1500人以上が追い出された。 いつもGMは一方的に構造調整を押し通した。 労働者の生存権がかかる問題だが、そんな問題は全く考慮しない。 業者を変えて、非正規職がクビになっても、 労組がない下請の場合はそのまま追い出したり、 何とかして非正規職の数字を先に減らした。 そして「収益性向上」だという。 今でも非正規職の犠牲だけを強要する悪循環を繰り返している。

[出処:キム・ハンジュ記者]

1兆ウォンに近い政府の支援もあった。なぜ非正規職の現実はそのままなのか?

8100億ウォンをどこに使うのかまったくわからない。 ひとまず当然、構造調整から抜け出すのに使っただろう。 そして正規職が希望退職すれば、また多くのお金がかかる。 そして使用者側は対外的に新車投資を拡大して危機から脱出すると明らかにした。 新車に多くの金を使うかのように聞こえるが、現実は違う。 富平第1工場で新車1種種を生産する計画があるだけだ。 現在の生産車種は昌原工場はスパーク、富平第1工場はトゥレクス、 富平第2工場はマリブしかない。 輸入車種は相変らず増加している。 粗末な新車計画しかなく、非正規職の労働条件には言及もしない。

韓国GM資本の最大の問題は何か?

先制的な構造調整だ。 現代起亜車とは違う姿だ。 グローバルGM全体から見れば、赤字状態ではない。 だがヨーロッパに続いてロシア、インド、米国、韓国でも工場を減らしている。 先制的で、攻勢的な構造調整を世界的に押し通している。 グローバルGMは電気自動車と自動運転車に集中するという理由をあげている。 同時に黒字の時、未来の車への資金投与に集中しなければならないという。 この中では労働者、特に非正規職労働者の生存権は全く考慮されない。

文在寅政府の誤りは何か?

不法派遣を放置していることだ。 不法派遣問題は15年間続いて、判決も続いているが、政府がこれを直そうとしない。 私もまた2015年1月に勤労者地位確認訴訟を提起して、 昨年2月に1審で不法派遣判決を受けた。 11月には2審宣告を控えている (仁川地方法院民事11部も8月29日に韓国GM昌原工場非正規職労働者105人に対して不法派遣判決を下した)。 裁判所が韓国GM非正規職を正規職と認め、直接雇用しろという判決を何度も出したのに、 正規職転換ははるかに遠い。 雇用労働部と検察が使用者をかばっているためだ。 特に起亜車を見ると、検察が直接工程、間接工程を区分して、 直接雇用範囲を最小化している。 労働部も検察に従って時間を消費するだけだ。 文在寅政府になっても 不法派遣非正規職問題は全く同じだ。

不法派遣は韓日の対立ほどに社会的に大きな問題だと思う。 社内下請労働者は全国300万人にのぼる。 現代起亜車、韓国GM、道路公社など、あらゆる分野で不法派遣問題が出てくる。 文在寅大統領は 候補だった時期に 「不法派遣問題を解決すれば、良い雇用40万個ができる」と話した。 不法派遣問題の解決を約束した大統領は今、どこに行ったのか。

非正規職支会は使用者側と交渉をしているのか?

現在のところ、交渉の構造がない。 韓国GM元請は非正規職支会と交渉しようとしない。 過去には下請企業と交渉をしようと言えばしたが、 元請ではないから得るものはなかった。 下請交渉では雇用条件や賃金、福祉などは解決できないということだ。 下請の社長も彼らは権限も力もないという。 だから元請と交渉しなければならない。 しかし元請は法的根拠を理由に、自分は使用者ではないと言う。

一方で、韓国GM支部(正規職労組)が元請交渉で非正規職問題を解決しようとしている。 支部は組合員も多く、交渉でも力がある。 今年、支部が賃金交渉で非正規職文案を入れて、 「2交代に転換する時は解雇された非正規職労働者を復職させる」という 要求案を作った。 秋夕前の支部賃金交渉で、非正規職問題も妥結することを望む。

最後に言いたいことは?

解雇者は現場に戻らなければならない。 不法をした韓国GMのカハー・カゼム社長は処罰されなければならない。 もうすぐ秋夕の名節が近付いてくる。 今まで非正規職労働者にとって秋夕は絶望の日だった。 韓国GMが名節休暇を機会に使って非正規職を大挙追い出すことを繰り返したからだ。 これからは非正規職問題が解決して、楽しい名節になることを望む。 非正規職問題解決のために、多くの人々が関心を持って連帯してほしい。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2019-09-01 15:20:44 / Last modified on 2019-09-01 15:20:45 Copyright: Default

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