投機資本が買収した英第2鉄鋼社が破産...「公営化が代案」

［週刊インター］緑の党「未来世代」の党と宣伝して勝利など

韓国GMに金融融資し、数千億の不労収益を上げたGM本社と似た事例が英国で発生して議論になっています。 悪名高いハゲタカ・ファンドに売られた英国の第2位の製鉄会社の事例ですが、 労働者たちは公営化して公共が運営しろと主張しています。

［出処:BSL］

投機資本が買収した英第2鉄鋼社が破産...『公営化』主張

ハゲタカ・ファンドが金融融資して収益をあげ、 事実上破産させた英国第2の鉄鉱会社ブリティッシュスチール(BSL)が話題になっているが、 この会社を公営化すべきだという主張が出てきて注目されている。

最近、ガーディアンなどによれば、BSLは5月22日、 政府に3千万ポンド(約450億ウォン)の緊急融資を申請したが失敗し、 破産手続きに入った。 BSLは2016年にハゲタカ・ファンドのグレイブルキャピタル(Greybull Capital)が たった1ポンドで買収して運営してきた。 グレイブルはBSLを買収した後、 2017年に課税前9200万ポンドの収益をあげた。 しかし2018年には課税前2900万ポンドの損失を計上、 1年で破産手続きに入った。

グレイブルは市場需要の下落と原料価格の上昇、 ブレクジットによる不確実性などを理由に 補助金なしでは破産は避けられないという立場だ。 しかし事実はBSLを利用して破産させるようなものだと批判する声が大きい。 買収条件だけでも4千万ポンドの投資などのBSL回復措置も含まれていたが、 現在までにグレイブルがBSLに投資した金額は買収の時に払った1ポンドが全てだ。

グレイブルがBSLを経営する方法は、 投資の代わりにBSLを担保に借金をして収益をあげることだった。 カンパニーズ・ハウス(CH、英国会社登録および管理機関)によれば、 グレイブルがBSLに提供した総資本金は売却当時に支払った1ポンドだけだった。 その代わりにグレイブルは2016年5月、 英国のタックスヘイブンであるジャージー(Jersey)に登録された オリンパススチールという不明な会社を通じ、 BSLに15400万ポンドを6か月間9%のリボ金利で貸し出す。 現在、英国のリボ金利は1％未満で、実質利率はほとんど10%にのぼる。 BSLの他の銀行融資金利3%と較べると、 グレイブルはこれより6%高い利率で収益をあげた。 だが、BSLは2017年から2年間、利子負担だけで1700万ポンドを負うことになった。 これ以外にもグレイブルはBSLに管理手数料として年間300万ポンドを賦課した。 そのためにBSLの投資能力と競争力は下がったが、 グレイブルは英国の多国籍コンサルティンググループのデロイトを通じ、 BSL会計は健全だという信用評価を受けて信用を維持した。 デロイトはこの費用でBSLとグレイブルから総額47万5000ポンドを得た。

英国政府はグレイブルが申請した補助金が 執権保守党の自由市場政策に反しているが、 企業構造調整への政府支援を防ぐEU規定を理由として拒否した。

BSLの破産で英国の鉄鋼産業と社会は現在、危機に陥っている。 まず、BSLが廃業すると英国は鉄鋼製品のほとんどを輸入に依存しなければならない。 BSLは英国第2の製鉄業者で鉄道生産を独占し、建築資材の相当部分も生産してきた。 また、BSLが閉鎖されると直接雇用している労働者5千人をはじめ、 関連産業まで合計2万人の雇用がなくなる危機に処した。

破産の費用も小商工人が負うことになる。 オリンパススチールと銀行は担保権者なので、貸し出し金を回収する展望だが、 供給チェーンなどの無担保債権者は負債を回収する可能性が殆どないためだ。 BSLの職員の年金備蓄額も4600万ポンド足りず、 最悪の場合、労働者が年金受給権を失いかねないと展望される。

そのため労組はグレイブルにBSL破産の責任を問い、 BSLを公営化しろと主張する。

ユナイトは書記局長代理スティーブ・ターナーは 「政府がBSL公共の所有に転換しなければならない」とし 「労働者と納税者の人生に大混乱を引き起こしたグレイブルの金融詐欺を 徹底して調査しなければならない」と明らかにした。

シェフィールド大学のプレム・シカ会計学教授はガーディアンに 「BSLは企業が企画した産業災害」とし 「似たようなスキャンダルにも(政府が) 企業支配構造や会計に対する監査がいつも後まわしにした結果」と叱責した。

グレイブルは不良企業を低価格で買収し、構造調整をして収益をあげてきた企業で、 すでに英国で航空会社と電気チェーンなどの事業を買いとった後に破産させている。 英国だけでも民間私募ファンドが所有する企業に所属する労働者は約300万人だ。

ドイツ緑の党「未来世代」の党と宣伝してヨーロッパ選挙で勝利...気候ストライキも影響

最近、ヨーロッパ議会選挙が行われた中で、 ドイツの緑の党が社民党を抜いて2位になり、その背景に関心が集まっている。 世論調査結果は緑の党が気候政策で有権者に「未来の世代」のための政党と認められ、 こうした成果をあげたと明らかにした。 今春からヨーロッパを揺さぶった学生気候ストライキも、 この結果に大きな影響を与えたとマスコミ各社は分析した。

最近のヨーロッパ議会選挙の結果、 ドイツの大連立政府を構成するキリスト民主党は7.5%減り22.6%、 社民党も11.4%減り15.8%を記録した。 社民党の歴史でヨーロッパ議会選挙で20%以下に墜落したのは今回が初めてだ。 反面、緑の党は9.8%増えて20.5%を得票した。 社民党は130万票を失ったが、緑の党は125万票を得たわけだ。 ドイツのための選択肢は11%に到達したが、左翼党は1.9%を失い、5.5%に留まった。

こうした流れはヨーロッパ議会選挙結果の傾向と似ている。 右派と中道左派は減ったが、極右そして特に緑の党系列の政党が勢力拡大をした。

このような結果に対し、 ドイツの公営放送ARDニュースページ〈ターゲスシャウ〉は、 ドイツの世論調査機関インフラテストの調査内容を基礎に 緑の党は何よりも未来世代のための政党だと認められ、 相当な支持を受けたと報道した。 この世論調査によれば、緑の党を選択した有権者の88%が気候危機を問題としてこの党に投票したと明らかにした。 合わせて社会保障政策に対しても39%、安保問題で31%が緑の党を支持したと分析された。 緑の党に対する若い有権者の支持勢力も強かった。 18-24歳の有権者の35%、25-34歳の25%、35-59歳の24%がこの政党を支持した。

ドイツの場合、緑の党は2017年の総選挙から躍進し続けてきた。 緑の党はドイツの大連立政府を構成するキリスト民主党と社民党に代り、 実用的ながら自由主義的な政党であることを自任して支持を集めてきた。 特に気候危機がますますドイツ政治の重要な問題を占めて 気候危機に対する代案政党として認められたことも大きな役割を果たした。

緑の党の善戦には、15歳のスウェーデンの気候活動家、 グレタ・トゥーンベリが始めた毎週金曜の学生気候ストライキも大きく影響したと マスコミ各社は報道している。 彼女が昨年8月、スウェーデン議会の前で 「気候のための学校拒否」と書かれたプラカードを持って1人デモを始めた後に、 ヨーロッパでは学生たちが毎週金曜にこのデモに参加してきた。 3月15日には世界で160万人が参加する学生気候ストライキが組織された。

米大統領選挙控えて社会運動、「ペンタゴンを民衆に」

米国では2020年の大統領選挙を控えて 「ペンタゴンを民衆に(Put People Over the Pentagon)」というキャンペーンが始まった。 このキャンペーンは候補に対し、 ペンタゴンの年間予算2千億ドルを削減して「グリーンニューディール」と 「皆のためのメディケア」など、 一般有権者のための福祉予算に再編成する公約を採択しろと要求している。 このキャンペーンは20余りの米国平和運動など社会団体が発議し、 戦争の代わりに一般庶民の福祉に予算を使おうという提案だ。

アルゼンチン、IMF構造調整案反対ストライキで全国マヒ

アルゼンチンは、IMFが賦課した緊縮に反対して一日ゼネストを断行した。 2015年12月、マークリ大統領が執権してからすでに5回目のゼネストだ。

5月29日に全国的に起きた今回のストライキは、 IMFがアルゼンチン政府に560億ドル規模の救済金融を提供する代りに 賦課した労働柔軟化と社会福祉費削減など構造調整に反対して行われた。

この日のストライキでアルゼンチンでは全国の公共大衆交通が中断され、 国営アルゼンチン航空の330本の運航もキャンセルされた。 小中高校ほとんども閉めた。 アルゼンチン政府は今回のストライキでの経済的損失は 405億ペソ(約1兆ウォン)にのぼると明らかにした。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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