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キム・ヨンギュンの葬儀から1か月…あふれる対策にホコリが積もる時間

正規職転換は議論もできず、真相究明委もスタートできず

パク・タソル記者 2019.03.12 22:02

「危険の外注化」を韓国社会の話題にした青年非正規職労働者、 キム・ヨンギュン氏が死亡してもうすぐ100日になる。 発電所の劣悪な環境で働いて死んだキム・ヨンギュン氏は、 産業安全保健法の改正と発電所非正規職の正規職化などを進展させた。 彼の死の後にあふれた対策は、当然急いで安全な労働環境を作らなければならないが、 正規職転換の議論は滞っており、 発電所で起きた多くの惨事の原因を究明して課題を用意すべき真相究明委員会は、 まだスタートできずにいる。 その上、3月5日にはキム・ヨンギュン氏が死亡した泰安火力発電所で 労働者がベルトコンベアに挟まれて負傷する事故が起きた。

「青年非正規職故キム・ヨンギュン市民対策委員会」は3月12日、 ソウル市中区のフランシスコ教育会館2階で記者懇談会を開き、 キム・ヨンギュン法が通過した後に続く各種の対策が現在どんな過程にあるのかを説明した。 話を総合すれば、現場は相変らず危険で正規職転換も進展がなく、 4か月間の活動が認められた真相究明委は合意した総理令について法制処と意見が衝突し、発足が遅れている状態だ。

先立って政府と与党は2月5日に キム・ヨンギュン氏死亡事故真相究明のための真相究明委員会の構成、 2人1組勤務体制施行、正規職化方案などを発表した。

発足もできない真相究明委、残る活動期間はますます短く…

独立的かつ権限を持つ真相究明委員会の構成と運営は、 市民対策委の最も重要な要求の一つであった。 雇用労働部の特別勤労監督でも防げない事故をきちんと究明し、 事故の再発防止のための構造的・根本的な対策を用意しようという趣旨であった。

市民対策委と国務調整室、政府関係部署(雇用労働部、産業通商資源部、企画財政部)は 国務総理訓令を出し、訓令によって真相究明委を運営することにした。 だが市民対策委と国務調整室が合意した総理令に対し 法制処が異論を提示したことで発足が遅れている。

意見の差を詳しく見ると、調査の範囲をめぐり市民対策委は9つの石炭発電所をはじめ、 他の火力発電所も調査するべきだとしているが、 法制処は石炭発電所に対してのみ調査するという立場だ。 政策樹立の範囲でも、 市民対策委は雇用構造や労働問題を共に扱うことができる労働安全保健政策の樹立を話しているが、 法制処は産業安全保健政策を話している。

真相調査委の勧告事項がきちんと履行されていることを点検する方法も違う。 市民対策委は委員会活動が終了した後、2年間委員会に参加した人々が点検会議を開催するなどの方法を要求しているが、 法制処は国務総理が「特別に管理する」と単純化した。

真相究明委員会の幹事委員に推薦された権英国(クォン・ヨングク)弁護士は 「意見の差を互いに調整する過程で時間が長びいている」とし 「3月18日の前に訓令が終われば良いという話を伝えて調整中だが、 もう少し時間がかかるかもしれない」と明らかにした。

続いて「(真相究明委発足が遅れると)調査活動期間が短くなる。 必要によって延長できるという付則はあるが、 当初3月から6月までが活動期間だ。 最大限与えられた期間に集中しようとしたが、 1か月以上遅れて7月末までに変更するべきではないだろうか」と話した。

権弁護士によれば現在、 市民対策委と政府の推薦で16人の委員はすでに構成された状態だ。 ここには委員長1人と幹事委員2人が含まれる。

労使政協議体の構成もできない正規職化の議論

正規職転換の過程はさらに深刻だ。 2月5日、党政による燃料環境設備運転分野の正規職転換発表によれば 「統合労使・前協議体の代表性を強化するために 勤労者代表を追加で参加させる方式で再構成するように積極的に支援」すると明らかにしたが、 そのために会議さえ開かれない状況だ。

発電5社は党政の対策が出される前の1月23日に会議を開き、 労使政統合協議体の労働者代表を選定した。 公共運輸労組は危険の外注化を防ぐ闘争を展開していた彼らを排除した合意であり、 党政の対策も勤労者代表の追加参加を話しながら労使政統合協議体の再構成を要求している。 市民対策委は新しい統合労使政協議体の構成の過程で 主導的役割を果たさなければならない発電5社が役割を放棄していると指摘した。

発電非正規職連帯会議のイ・テソン幹事は 「労使政統合協議体の再構成のために発電5社に文書を送ったが 労働者たちが処理しろという無責任な回答がきた」とし 「発電社は勤労者代表の選定の過程で会議を公示し、 労働者たちが自主的に議論できるような枠組みを作るべきだが、 1か月経っても全体会議を招集しない」と指摘した。

経常整備分野の正規職化の議論も第一歩を踏み出せずにいる。 市民対策委状況室長だった公共運輸労組のパク・チュンソン組織局長は 「党政の対策によれば、 危険の外注化防止のために発電所の経常整備労使政協議体を直ちに構成するとされている。 だが発電所側は1か月たったが、労使政協議体の構成計画を話そうと連絡しても 答がない。電話しても受けない」と吐露した。

2人1組が惨事を防いだが…相変らず人員不足に苦しむ

市民対策委は緊急安全措置として2人1組を施行しているが、 現場では無事に到着できずにいると明らかにした。

この日、記者懇談会に聴衆として参加した発電労組韓電産業開発支部のチェ・キュチョル泰安支会長は 「2人1組をしているが(適切に人員補充されず)一日5回の巡回査察をするべきところを 4回に減らしている。 火災事故がおきるか、人命事故が起きるか、二つに一つだ」とし 「早い内に人員を補充して、正常な2人1組にしなければならない」と強調した。

パク・チュンソン組織局長は 「2人1組は、挟まれたときにプルコードを引くためにするのではない。 作業空間が安全に確保され、 設備が安全に運営されることが根本的な解決策」として安全設備の改善を要求した。

一方、この日、故キム・ヨンギュン氏のお母さんキム・ミスク氏も参加して話をした。 キム氏は「この世の中に現実に私の息子がいないということがとても悲しく、 受け入れなければならないのにその気になれない虚しい気持ちをどうすればいいのかわからない」とし 「資本家が予防を疎かにしたり放置し、 こうした事故が発生するほかはない現実を作ったことを忘れずに記憶する」と話した。

続いて「発電所の問題をすぐ解決すると約束したのに、 なぜこんなに遅れているのかわからない。 国民が見ている前で対策を発表したように、 合意した内容を忠実に履行しているのか政府が確認して、 一日も早く進められるように役割を果たすことを願う」と頼んだ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2019-03-19 02:19:03 / Last modified on 2019-03-19 02:19:04 Copyright: Default

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