本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:「カープール」資本のストで注目されるタクシー業界
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1547490436270St...
Status: published
View


「カープール」資本ストライキで注目されるタクシー業界、根本解決策は?

[寄稿](2)全額管理制による完全月給制施行が必須

キム・クムィ(公共運輸労組タクシー支部前総務局長) 2019.01.09 13:56

[編集者注] 2017年9月4日、キム・ジェジュ前公共運輸労組タクシー支部長が全額管理制施行を要求して全州市庁近くの照明塔で高空籠城に突入した。 そして1月8日現在、492日という最長期の高空籠城を続けている。 1月16日にキム・ジェジュ氏の高空籠城は500日をむかえる。 空前絶後の極限闘争が続いているが、 全州市庁は2016年に約束した全額管理制履行の合意を守らないでいる。 チャムセサンはキム・ジェジュ氏の高空籠城500日を前にして 公共運輸労組タクシー支部の闘争と経過、争点と計画などに対する寄稿文を 4回にわけて連載する。

当初、カープールが注目された理由は、 タクシーの乗車拒否、乱暴運転などの慢性的な弊害だった。 安全や親切以前に、大衆交通手段のこうした弊害で市民は多くの不満を表出してきた。 ではなぜこのような慢性的な弊害が消えないのだろうか? 質問の答えは明確だ。 法人タクシー業界の収益を不法に保障する制度である「社納金制」のためだ。

[出処:キム・ハンジュ記者]

社納金制は一日の運送収益金のうち一定額を会社に納付する制度だ。 タクシー労働者は社納金(現在1日に12〜14万ウォン)から月約100万ウォンの賃金を受け、 1日の社納金を除く超過運送収益金を収入として持っていく。 そのうちにただいくらかの収益金でも稼ぐために乗車拒否、乱暴運転が横行するようになる。 また、物価上昇率に対して著しく少ない収入により長時間労働にも追いやられる。 一人の乗客でも多く乗せるために、もっと多くの収入を上げるために、 乱暴運転と乗車拒否が日常になった。

カープールは短距離移動手段の多様化という面で、 あるいは市民の移動手段の自由な選択権という面で、単純に反対できる問題ではない。 もちろん、それが大企業によるプラットホーム労働者の搾取につながっているので退けないない問題だ。 だが12月20日のタクシーストライキは、問題解決の意志がない資本ストライキに過ぎなかった。 彼らが掲げた要求は「カープール絶対反対」だけだった。 カープールの運用機関の問題にしろ、それによる収入の減少、 さらにカープール導入の口実になったタクシー業界の根本的な弊害や要求は見つからなかった。 このような無理な反対ではどんな問題も解決できない。

前述のように、カープールが韓国に登場した理由は、乗車拒否と乱暴運転、不親切などだ。 この解決がなければ利用者である市民を担保にすることはできない。 こうしたタクシーの慢性的な弊害を解決する方法はただ一つだ。 まさに全額管理制による完全月給制を施行することだ。 収入全体を会社に納付して、働いた時間に応じて適切な賃金を受けるようになれば、 自分の命を担保にした乱暴運転と乗車拒否もまた消えるだろう。 また、時間に追われず、不親切になる理由もない。

[出処:キム・ハンジュ記者]

ではなぜ相変らず不法な社納金制が法人タクシー業界の支配的な賃金構造として固着されているのか? この答も簡単だ。 社納金制が法人タクシー事業主の絶対利益を担保しているためだ。 現在、カープールに反対する4つの団体は、 タクシー事業組合、個人タクシー事業組合と全国タクシー産業労働組合(全タク)、民主タクシー労働組合(民タク)で構成されている。 ちょっと見れば追求する価値が相反する人々が集まっているようだ。 だが全タクと民タクも、所定の勤労時間を縮小して社納金を上げる不法社納金制により、組織を維持し、法人タクシーの現場を歪曲させてきた。 結局、カープール反対4団体のうち、個人タクシーを除く3つの団体が同じ目的を持っていることを否定できない。 (一例として全タク・民タク幹部出身の法人タクシー事業主、役員が少なからず存在する。)

もしそうでなければカープールによるタクシーの収入の減少が憂慮される状況で、 全タクと民タクは当然完全月給制を主張すべきではないか。 カープールによる収入の減少は、全的に事業主が考えなければならない。 タクシー労働者は労働者でしかなく、 自営業者でも、手当てを得る営業社員でもないからだ。 タクシー労働者の労働条件改善は結局、市民が安全で親切な大衆交通手段を利用できる環境に帰結する。 カープール問題でなくても、現在慢性的なタクシー業界の問題を解決する根本的な解決策は、 全額管理制による完全月給制以外には不可能だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2019-01-15 03:27:16 / Last modified on 2019-01-15 03:27:17 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について