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保守言論、「ユソン企業暴行事件」を刺激的・扇情的に歪曲報道

「1時間集団暴行事実ではない」...ユソン労働者8年の労組破壊で43%が鬱病

キム・ハンジュ記者 2018.11.28 14:12

11月22日に発生したユソン企業での暴行事件をめぐり、 保守マスコミと政界の労組たたきが続いている。

保守言論は今回の事件を「労組員集団暴行事件」と命名し、連日報道を続けている。 中央日報は11月28日「民労総10人、倒れてもまた殴った」、 「労組10人『お前を殺して監獄に行く』...暴行の後、床の血を拭いて消える」など 刺激的な題名でひきつづき報道した。 朝鮮日報も同日「野蛮的で残酷に役員殴打」という題名で、 韓国日報も「金属労組員がキム常務と労務担当代表を部屋に引っ張って監禁し1時間近く集団暴行した」と報道した。

会社側目撃者の陳述書などを土台にした彼らの主張はそうだ。 数人の労組組合員が企業の労務担当役員を抵抗できないように捕まえて 扉を封鎖して一時間ほど拳、足蹴り、膝蹴りなどの暴行をしたということだ。 彼らの暴力は支会長の「撤収」の電話を受けて終わり、 その後、労組が食堂で会議を開いたともいう。

だが労組と警察側の主張はこれとは違う。 警察は「暴行は2〜3分程度」と明らかにした。 労組も「1〜2分で状況は終了した」と明らかにした。 事件の情況もとても歪められている。 労組の関係者は「扉を封鎖しておらず、 使用者側の役員を監禁してもいなかった。 事件の場所に使用者側の職員5人がいて、組合員は7人程度いた。 使用者側の職員が止めさせていれば集団暴行は起きない状況だった。 もし集団暴行なら使用者側の職員はこれを傍観したということか」と指摘した。 また支会長が組合員たちに撤収指示の電話をしたことも、 暴行の後に食堂で会議をしたこともないと説明した。 「企画された集団暴力」ではないという説明だ。

ユソン企業支会の関係者の言葉を総合すれば、暴行事件の情況はこうだ。 金属労組ユソン企業支会は39日間全面ストライキをしていた。 午後5時頃にストライキのプログラムが終わり、組合員たちが帰宅している時だった。 その時にキム某常務が御用労組と交渉するために工場に入ってきた。 数人の組合員は、使用者側が金属労組とは交渉を回避して御用労組とは集中交渉をすると抗議した。 実際に、使用者側は6月から御用労組と16回も交渉をした。 金属労組ユソン企業支会とは顔合わせを除き、11月9日に一回交渉しただけだ。 また使用者側は御用労組を育てるために、課長級も労組に加入することに合意した。 しかしユソン企業支会には御用労組が改悪した賃金協約水準を受け入れろと強要し、 労組破壊責任者の処罰要求は拒否した。 次の交渉日も決められないまま、交渉を避けるだけだった。 今回の事件はユソン企業支会の組合員たちが会社側の不当労働行為に怒って起きた偶発的な暴行事件だった。

ユソン企業支会の関係者は 「事件の被害当事者に遺憾を示す。 早い快癒を望み、二度とあってはならないと考える」が 「われわれはこの8年間、使用者側の暴力と弾圧の中で生きてきた。 労組破壊で同僚(ハン・ガンホ烈士)も失った。 組合員の精神健康は悪化の一路だった。 こうした脈絡は無視して単一の事件だけを報道するのはとてもくやしい。 なぜ労働者たちが自分の怒りに勝てなかったのかも共に見てほしい」と明らかにした。 労組によれば、現在、暴行事件の場所にいた組合員7人のうちほとんどは鬱病の高危険群に属していという。 彼らは今年の初めに慶煕大学校病院で重症憂鬱障害検診を受けた。

実際にユソン企業の労働者はこの8年間の労組破壊過程の中で、深刻な暴力に苦しんできた。 2011年6月に会社が動員した用役の集団暴行により、労働者22人が重傷を負った。 当時、用役は工場の中で消火器と石などを投げ、鉄パイプと角材を振り回して、 頭蓋骨骨折、顔面陥没などの負傷を受けた。 毎日20〜30人の負傷者が発生し、100人を越える労働者が使用者側の暴力に苦しんだ。

▲去る2011年、使用者側の用役暴力で負傷した組合員のリスト[出処:裁判所判決文]

だが暴力を加えた用役業者の職員は執行猶予判決を、 暴力を煽ったユソン企業の事業主は不起訴(容疑なし)処分を受けた。 使用者側の労組破壊工作は現在も進行形で、 現在組合員の43%が鬱病高危険群に属している。 2016年3月17日にはハン・ガンホ烈士が労組破壊に苦しんで自ら命を絶った。

▲ユソン企業労組破壊で負傷を被った労働者[出処:メディア忠清資料写真]

ユソン企業支会は労組破壊責任者の処罰などを要求して45日間、 ソウル事務所で占拠座り込みと全面ストライキを続けている。

▲ユソン企業外部の警備員の暴力行使[出処:メディア忠清資料写真]

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2018-11-30 01:39:32 / Last modified on 2018-11-30 01:39:33 Copyright: Default

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