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紙切れになった正規職転換対策...審議委員の辞任も

[寄稿]正規職転換審議委員を辞任したハ・テヒョン労務士、「審議委、賛成ロボットに転落」

非正規職ない忠北作り運動本部 2018.02.04 15:11

政府は昨年7月20日に「公共部門非正規職正規職転換ガイドライン」を発表した後、 昨年12月末基準で転換対象7万4千人のうち83.3%にあたる約6万1千人の正規職転換を決定したと明らかにした。 だがあちこちで正規職転換をめぐる問題が起きている。 期間制教師を正規職転換から除外したり、 「常時持続業務正規職化」はいつの間にか生命安全業務に縮小されたり、 間接雇用問題を解消できない子会社転換を正規職転換と言う状況まで発生した。 忠北道も同じだ。

非正規職ない忠北作り運動本部(非正規運動本部)は昨年11月から忠北道および主要市郡に対し、 非正規職労働者の当事者たちが転換の基準と推進現況が分かるように資料を公開し、 労働界の意見が反映される方案を用意しろと要求してきた。 忠北道庁前での1人デモをはじめ、道知事面談を進め、 きちんと正規職転換を推進するために地域社会と公共機関が共に努力しようと主張した。 清州市をはじめとする主要市郡は忠北道の転換審議委員会結果を待ちながら、 転換審議会の委員会日程を遅らせている状況だ。 忠北道転換審議委員会の結果が大きな影響を与えるという話だ。 これだけか! 政府の発表によれば、今年、2段階、3段階正規職転換が予定されている。 最初のボタンをきちんとはめなければならない状況だが、 忠北道の正規職転換推進は混乱に進んでいる。 恣意的な基準のおかげで政府ガイドラインは紙切れになってしまった。

労働界の推薦で忠北道正規職転換審議委員会に参加したハ・テヒョン労務士(フチュク労働人権センター/民主労総法律院)は、 忠北道正規職転換4次審議委員会の会議を途中退場し、続いて去る1月31日、審議委員辞任を宣言した。 正規職転換審議委員会が非正規職の雇用安定のために機能していないという理由であった。 彼は非正規職ない忠北作り運動本部が開いた記者会見に参加して、 正規職転換審議委員の辞任の弁を発表した。 「辞任の弁」は長い文だが、非正規職労働者の差別解消と雇用安定のために進められる政府政策がいかに欺瞞的かを生き生きと明らかにしている。 非正規職ない忠北作り運動本部は「辞任の弁」を知らせることにした。 これから2段階、3段階の正規職転換の過程では同じ事が繰り返されないことを望むからだ。

[出処:青瓦台]

非正規職ない忠北だけら気勢同本部記者会見で明らかにしたハ・テヒョン労務士の辞任の弁

「私はなぜ正規職転換審議委員会で退場したのか?」

ハ・テヒョン(フチュク労働人権センター労務士/民主労総法律院)

私は労働界推薦で忠清北道正規職転換審議委員会の2次会議から参加しました。 まず私を委員に推薦した地域労働界と正規職転換審議に期待をかけている非正規職労働者たちに、 その役割が果たせなかったことについて申し訳なく思います。 それで今日、私は転換審議委で正規職転換審議を完了できず、 途中で退場することになった理由を申し上げようと思います。

不良使用者「忠北道」

政府は昨年7月、「公共部門非正規職勤労者正規職転換ガイドライン」を発表して 「最大の使用者である公共部門が『模範的使用者』として先導的役割を果たす」と公表しました。 また「時間がかかっても政策の全般で労働界と専門家と十分に協議して、参加型で進める」と約束しました。

労働界は政府の約束履行を要求し、そして私はそうした約束の実行を期待して、 忠清北道正規職転換審議委員会に参加しました。 しかし私はすぐその期待をたたみました。 その理由は2種類です。 忠北道は「模範使用者」ではなく、「不良使用者」になろうとし、 転換審議委員会は忠清北道の不純な欲望を制御するどころか、現実のものとして実現させる機構に転落したためです。

忠清北道は転換審議委員会で 「公共部門非正規職勤労者正規職転換ガイドラインは、 単なる勧告でしかなく、忠北道は忠北道の方式でする」と粘り強く話しました。 実際に忠北道は政府のガイドラインと異なる独自の基準を提示して、 これを転換審議委員会で貫徹しました。

例えば、政府ガイドラインは常時・持続業務は正規職転換を原則としています。 しかし忠北道は常時・持続業務といっても2年以上継続勤務した者だけを正規職転換することを原則として打ち出しました。 政府のガイドラインは常時・持続業務を遂行する現勤労者を転換採用することを原則とします。 しかし忠北道は現勤労者の転換ではなく、事実上、制限競争ないし公開競争を原則に据えています(原則よりも例外適用者の方が多い)。 これだけではありません。 忠北道は客観的な職務分析に基づかない「職務量」という恣意的な基準を打ち出して転換除外を主張したり、 単に忠清北道の「人員運営必要性」だけを強調して転換対象の可否と採用方式を決めようとしました。 言葉を変えれば、忠清北道は期間制労働者たちの雇用安定に関心があるのではなく、 この機会を借りて必要な人を選ぶという欲望があふれ出ただけです。

賛成ロボットに転落した転換審議委員会

百歩譲って、どこにでも組織の利害と言える要素らは存在しますから、 忠清北道の欲望を理解することもできます。 しかし重要なことは、相互に衝突する利害が合理的に調整されなければならないということです。 そして「転換審議委員会」がそうした制御の役割をきちんと遂行すればいいのです。 転換審議委員会に外部委員を参加させ、労働界推薦の人物を参加させた趣旨もそのためでしょう。

しかし転換審議委員会は正規職転換を審議するのではなく、 忠清北道の苦情を聞き入れる場所に、 忠清北道の欲望を実現させる安っぽい道具に転落してしまいました。

転換審議委員会は内外の委員を問わず、忠清北道が案内した通りに忠清北道のための決定を絶えず繰り返しました。 政府のガイドラインにもない内容を、政府のガイドラインの趣旨を深刻に傷つける内容なのに、 転換審議委員会は忠清北道の案を事実上そのまま受け入れました。 その上、必ず行うべき審議もせずに忠清北道の案を多数決で通過させました。 例えば、同じ「研究補助業務」を遂行しても、ある人は雇用継承で正規職転換し、 他のある人は制限競争や公開競争を経るという基準と根拠について、 転換審議委員会は何の審議もしていません。

これだけではありません。 転換審議委員会は40〜50代の期間制が勤めてきた職種を、 そして過去に期間制公開採用した時に求人が難しいといっていた職種を「青年選好雇用」と規定して、 制限競争や公開競争をすべきだという忠北道の主張にも沈黙するだけでした。

こうした論理を受け入れれば、韓国の雇用に「青年選好雇用」以外はありません。 詭弁に過ぎません。 転換審議委員会の審議中にある転換審委員は忠清北道に一任することで決めようという大胆な発言をしたことがあります。 この発言が忠清北道転換審議委員会の現在の状態に対する率直な告白というべきでしょう。

すべての期待をたたみました

忠清北道の不純な欲望を制御して、 非正規職保護というガイドラインの根本趣旨を貫徹しようとする意志をこれまでの転換審議委員会では全く見つけられませんでした。 その結果、4次会議で全体約420人の期間制勤労者のうち、 実際に雇用継承で正規職転換が決定した勤労者はたった20人ほどで終わる結果をもたらしました。 もちろん、忠清北道が転換除外者として内定した370人ほどの勤労者に対する審議はまだ残っています。 しかし私は3回の審議参加を通じ、忠北道と転換審議委員会に対する一抹の期待をすべてたたみました。

現在、忠清北道正規職転換審議委員会は、 非正規職の雇用安定を企てるための目的で作られたものでも、 それを実現するための機構でもありません。 単に忠清北道が自分たちの組織の利害に合った人員を制限的に採用するために、 形式的な手順を追う機構に過ぎません。 私は本来非正規職の正規職転換審議委員会に参加しようとしたのであって、 忠清北道の任意的な採用機構に参加しようとしたのではありません。 ですから、これ以上私が留まる場所ではないと考え、 やむをえず審議委員職を辞任することになりました。 ご了解願います。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2018-02-12 00:51:20 / Last modified on 2018-02-12 00:51:21 Copyright: Default

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