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「労組破壊」から「100%不法派遣」を引き出した青年たち

[インタビュー]ペ・テミン マンド・ヘラーエレクトロニクス支会長

ユン・ジヨン記者 2017.10.01 21:16

「正規職ゼロ工場」として有名なマンド・ヘラーエレクトロニクスの非正規職労働者たちが 労働部から全員不法派遣の判定を受けた。 労組がマンド・ヘラー元請および下請企業を派遣法および勤労基準法違反容疑で告訴してから6か月目の判決だ。

マンド・ヘラーは自律走行車の主要部品を生産する会社で、 生産職労働者は100%が非正規職だ。 だが労働者たちはマンド・ヘラーのロゴがついた作業服を着用し、 業務指示や監督、人事権限なども元請にあった。 そのため労働者たちは今年2月に労組を結成し、マンド・ヘラーなどを派遣法および勤労基準法違反で告訴した。 労働部は9月28日、元請に社内下請労働者約300人に対する直接雇用是正命令をした。

マンド・ヘラー労働者たちは、ほとんどが20〜30代の若い青年たちだ。 労組を結成して不法派遣闘争に立ち上がったこの6か月間、 彼らは労組幹部に対する強制転換配置、業者廃業、職場閉鎖などで苦しんできた。 去る7月10日、元請が請負契約解止を通知し、17日に職場閉鎖に突入した後、 数か月間路上で不法行為中断および勤労条件改善、団体交渉要求などをかけて闘争している。 労働部の不法派遣認定後、組合員たちは相変らず工場の前で座り込みを続けていた。 仁川松都にあるマンド・ヘラー工場の前でマンド・ヘラーエレクトロニクス非正規職支会のペ・テミン支会長と会った。

▲ペ・テミン マンド・ヘラーエレクトロニクス支会長[出処:労働と世界/キム・ヒョンソク]

労働部から不法派遣認定の判決があると予想していたか

労働部の雰囲気を見ると、部分判決が出るのではないかという話がかなりあった。 判例などを参考にしても、部分判決が出る確率が高かった。 マンド・ヘラーには生産部と品質部、生産管理部署がある。 そのうち生産管理部は倉庫を管理する業務だが、ここにリスクがあるかもしれなかった。 ただし個人的には全体判決が出されるべきだと考えた。 2009年から工場が稼動し始め、私は2011年に入社した。 勤続がかなり長くなった。 これまで集めた不法派遣の証拠資料はかなりの量になる。 労働部が私たちが提出した証拠資料さえきちんと検討すれば、 十分に全体判決が出ると考えた。

特に生産管理部署の組合員が苦しい時間を過ごしたようだ

組合員263人のうち40人が生産管理部署の組合員だ。 精神的苦労が激しかった。 彼らも「部分判決が出るようだ」という話を周辺から聞いていただろう。 不法派遣だと堅く信じていても、動揺するしかない。 全体判決が発表された瞬間、涙を流す組合員もいた。 絶望的だと考えていたのに、それでも希望が見えた。 今回の判決で私たちが今すぐ正職員として現場に復帰できるわけではない。 だが絶望の中でそれなりに希望の太い綱が降りてきた。 問題解決の出発点だと考える。

特別交渉に対する会社側反応はどうか

交渉委員の役員が27日に会社ロビーに入り、人事担当者に文書を渡した。 まだ会社が受け入れるかどうかは未知数だ。 労働部の判定が出ても出なくても、会社としては罰金を払えば終わりだろう。 だが一方では政府の政策の流れを見た時、うまくいくかもしれない、という考えもある。 非正規職問題はすべての社会の関心事ではないか。 労組としては闘争の水位を上げて、会社を交渉に引き出して、共生できる部分を模索したい。 現在、組合員たちは毎日工場正門の前で 「不法派遣の判決が出たのだから、マンド・ヘラーはこれを認めて正規職に転換しろ」 と要求して出勤闘争を繰り広げている。

民事訴訟はどうなっているか

3月に勤労者地位確認訴訟を提起した。 8月末に弁論期日があったが、会社側代理人のキム&チャンがマンド・ヘラーをアップルと較べて表現した。 われわれはアップルでもないのに、誰が見ても直接使用主はマンド・ヘラーであることがわかるのに。 金属法律院はこれほど証拠資料が多いケースもめずらしいといった。 資料を整理するだけでも途方もない時間が必要だと言った。 民事訴訟もこちらにとても有利だと思う。 当然、私たちが勝訴するはずだということだ。

職場閉鎖4か月目になる。これまでどんな闘争をしたのか

職場閉鎖後は、全組合員が路上に座り込んだ。 労組は漢拏グループに闘争を仕掛けた。 漢拏グループを相手に野宿座り込みや集会闘争をした。 板橋にあるマンドR&Dの社屋で集会もした。 そして労働部に対してもずいぶん戦った。 会社を告訴告発してから半年が経ったが、まだ何をするのかと抗議しながら、ほとんど一か月近くを労働部で過ごした。 拠点を移して、労働部民願室に入り、大騒ぎして圧迫を加えた。 下請では職場閉鎖と言ってもマンドは請負契約解止だと言う。 退職金や休業手当が出るわけでもなく、金銭的な部分はすべて切れた。 座り込みをしながら、スケジュールの後に代理運転手などのアルバイトをしながら生計を立てる組合員たちもいる。 5月30日のストライキ出征式の後、70余人の組合員は現在まで生計の圧迫を受けながら路上で闘争している。

下請企業との交渉はどうか

元下請関係では下請に権限はない。 賃金も、勤務条件もどれ一つ下請は決定できない。 私たちが望む賃金団体協議交渉を下請が受けることができなかった。 われわれは賃金団体協議交渉で99項目の条項を掲げたが、 下請は10項目だけ出した。 労組は認めるが、勤務時間外の活動しか認めないとか、 労組専従者の活動時間を4分の1に縮小させるとか、 月15万ウォンを払うので工場の外に労組事務室を作れという調子だった。 労組が勤労基準法違反事項を提起すると、 労使協議をせずに2組2交代の勤務時間を3組2交代に変えた。 賃金保全もなされなかった。 その過程で労組の核心幹部を強制転換配置した。 結局、労組を受け入れたくないという表現だった。

マンドは代表的な労組破壊企業と言われている。知っていたか。

率直に2012年に発生した金属労組マンド支部に対する労組破壊事件は知らなかった。 マンド・ヘラー支会は今年2月に発足した。 それまでは労働組合には全く関心がなかった。 暮らしに忙しかった。 しかし週末もなく、1年365日のうち360日以上働き、 非人間的待遇を受けていると、人間らしく暮らしたいという気がした。 当時、私は会社でパート長という職級を受け持っていた。 マンド・ヘラーの名前が入ったEメールをやりとりしながら、 直接的な業務指示および処理をした。 マンド・ヘラーは請負関係だと言いつつも、まるで自分たちの職員のように人々を働かせた。 元請の部下の職員のように腹タクが、待遇は非正規職だからとてもくやしかった。 こういう方法でするのなら、いっそそのまま正職員として受け入れろという思いで労組を作ることにした。

正規職労働組合を破壊した企業で下請労働者がまた労組を作ったという事実が面白い。労組の準備過程はどうだったか

昨年11月から準備して、2月に労組を発足させた。 その間に計画をたてて、証拠収集をした。 そして金属労組地域支部の相談所に相談しに行った。 本来、金属労組はニュースでしか接していなかったので具体的に知らなかった。 相談を契機に縁を結ぶことになった。 まだ漢拏グループ側の関係者とは会っていないので、 彼らも金属労組に下請労働者が労組を結成したという知らせを聞いてドキッとしただろう。 周辺から、どうすれば350人のうち80%以上が労組に組織できたのかという質問をよく聞く。 まず私の場合は職級がパート長で、勤続も長いので、ある程度、 人々との関係や信頼があった。 他の組合員もある程度勤続がある。 はやくこの悪循環の輪を断ち切らなければならないという目標意識が全般的にあったようだ。

今後計画は。

下請企業の所属だったが、マンド・ヘラーの指示を受けてマンド・ヘラーに所属する労働者と同じように働いたので、不法派遣の判定が出てきた。 まず、会社もこれを認め、私たちと対話で解決すべきだと思う。 現在、元請に特別協議文書を渡した状態なので、 使用者側の立場を見て闘争計画を決める予定だ。 現在としては、現場に復職するためには闘争の水位を上げなければならないだろうと判断している。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2017-10-10 02:55:04 / Last modified on 2017-10-10 02:55:05 Copyright: Default

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