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開講迎えたソウル大闘争…無期停学の学生たち「最後まで戦う」

成楽寅総長退陣への共感が拡散

キム・ハンジュ記者 2017.09.09 02:52

ソウル大学校始興キャンパス実施協約撤回闘争が新しい局面を迎えた。 裁判所は9月5日、学生12人へのソウル大の重懲戒処分に対する効力停止仮処分申請を認めた。 また6日には100人近い学生が開講集会に参加した。

ソウル大占拠闘争は2016年10月10日、全体学生総会による本部占拠を始め、1年を前にしている。 これで始興キャンパス不動産投機事業を止められるだろうか。 まったく終わらないソウル大闘争。 無期停学懲戒を受けた学生3人(コ・グニョン造船海洋工学科15、キム・ミンソン倫理教育科14、カン・ユジン経済学部13)と会って、 ソウル大闘争について話を交わした。

▲左からカン・ユジン経済学部13、キム・ミンソン倫理教育科14、コ・グニョン造船海洋工学科15 [出処:キム・ハンジュ記者]

記者:新学期の開講と共に裁判所の判決も出たが、キャンパスの雰囲気はどうか?

カン・ユジン(以下カン):かなり希望的だ。 昨日(6日)の開講集会に心配していたが、多くの学友たちがきてくれた。 裁判所の懲戒効力停止の判決で活路が開けた。 また判決文にも単に懲戒手続きの問題だけではなく、 学生たちが抵抗せざるをえなかった事情に言及されたので、特に意味があった。 私たちはやられてばかりではないという気がした。

コ・グニョン(以下コ):去る4日には教授(オ・スチャン、国史学科)が 「総長様、もうそろそろ辞任してください」という壁新聞を掲示した。 この壁新聞の反響は大きかった。 教授の実名の壁新聞でもあり、始興キャンパス問題を重く扱った。 もうソウル大の非民主性批判を越え、 学内のすべての構成員が総長退陣運動に発展させようとする雰囲気だ。

記者:三人とも無期停学になった。心境はどうだったか?

キム・ミンソン(以下キム):初めて懲戒を受けた時、まさに今学期の受講申請ができず、卒業が心配になった。 私は4年になれば任用試験の準備をする計画だったが、それもできなくなった。 未来を描けない点が苦しかった。

コ:無期停学になり、秋夕に家に帰る時の心配をまずした。 両親にお小遣どころか顔も見られないかもしれなかった。 また専攻が造船海洋工学なので、 多くが現代重工やサムスン重工業に行くが、もうここは行けないと考えた。 他の職場を調べなければならないようだった。

カン:懲戒の効力は停止したが、喜べない。 本案訴訟が残っていて、学校は闘争の加担者に対する追加懲戒を準備している。 裁判所は仮処分申請を認めながらも、理事会の(学生を懲戒する)権限も認めた。 法人化法が大学社会で独裁の権限を付与しているからだ。 現実的な法体系の限界だ。 法の枠組みを越えて、法人化法廃棄まで主張しなければならない。

記者:8人が無期停学、4人が有期停学。量刑の基準は何だと思うか?

キム:学校が頑張って採証した。 そして学生会代表者の職責を判断したようだ。 重要なことは学校が裁判所に提出した懲戒原案を見れば、12人全員除籍だったという事実だ。 全員除籍は反発が予想されたために低くしたのであって、懲戒は正当だと学校は主張する。

コ:学校はかなり長い間、学生を査察した。 学校が学生個人のFaceBookの文を裁判所に提出した。 FaceBookの文も「全体公開」ではなく「友人公開」だった。 また本部を占拠した時、学生たちの内部会議の文書も学校が持っていた。 裁判所はどのようにして証拠資料を収集したかと尋ねた時、学校は回答できなかった。

記者:開講の頃、キャンパスで「私も懲戒しろ」リレー壁新聞が続いた。ほとんど新入大学生だった。

カン:十人程度がプラカードを書いた。 SNSでも「#私も懲戒しろ」のハッシュタグ運動が行われた。 新入生たちが「懲戒される人、されない人はない」という脈絡を強調した。 学生運動に組織されない学友なのでさらに有難かった。 学生総会を通じた行動に全員が責任を負わなければならないという考えのようだ。

キム:特に新入生には3.11放水銃事件が大きかった。 3月11日は朴槿恵(パク・クネ)が弾劾された3月10日次の日だ。 朴槿恵(パク・クネ)は退陣したのに、ソウル大はその翌日に放水銃を撃った。 ソウル大の民主主義が完全に崩壊した瞬間だ。 その上、ソウル大の成楽寅(ソン・ナギン)総長は親朴の人物だ。 この過程で自覚した新入生たちが成総長退陣運動まで発展させた。

コ:新入生の入学時期を振り返ると、朴槿恵政権退陣運動の影響がある。 彼らの入試が終った時にキャンドル集会が本格的に起きた。 この中で抵抗権を自覚して、さらにソウル大問題に関心を持つ契機になったと考える。

[出処:大学生時局会議]

記者:昨年10月から始めた最長の本部占拠であった。この1年間の成果と誤りは?

コ:始興キャンパス工事が実際に遅れたのが闘争の成果だ。 着工が遅れ、開校も1年遅れた。 他の成果は問題意識の拡張だ。 最初、大衆は始興キャンパスをソウル大分校程度に思っていたが、 キャンパス拡張の本質が不動産投機と、大学の公共性まで傷つけるという世論が拡張された。 そして今はソウル大闘争が成楽寅退陣運動まで続いているという点、 教授社会もますます同調する雰囲気になったのも成果だ。

カン:闘争で正当性を確保して勝ち取った成果だ。 始興キャンパス計画は、キャンパス敷地膨張、収益事業が中心だ。 これ以外の計画について質問しても、私たちの闘争のために計画はないと言うだけだ。 学校が言う4次産業革命の準備について、教授たちは「つじつま合わせ」だと指摘した。 初めて始興キャンパスを推進していた2007年には、4次産業革命という概念もなかったからだ。 学生の要求は、学校から得ることはできないということを繰り返し確認して、 戦いの正当性を大きく確保した。

キム:闘争する学生たちの所属とセクトのために間隙があった点が残念だ。 保守言論もこの部分を把握して、学生社会を分裂させたのは痛恨の部分だ。 この限界を私たちも認知して、セクトの間隙を解決するために総会を開いた。 それでも解消できず、5月1日の占拠には半分しか参加しなかった。 この間隙を狭める討論が残っている。

記者:始興市住民の反発が強い。始興市議会は5月に始興キャンパス事業正常化要求決議案まで採択した。すでに始興キャンパスに近い都市に入ってきた住民は残念だという世論も少なくない。

カン:フレームが外れ、学生-住民間の戦いに見えたりもする。 事実、住民は漢拏建設と始興市がソウル大を売って広報してだまされた人だ。 始興市と建設会社は広報詐欺にはっきり責任を取らなければならない。 住民たちはソウル大を信じて生活を用意した人で、残念であるのは事実だ。 だが一方で住民も学生の人生、教育の公共性を考慮しなければならない。 地域の発展次元でキャンパス造成でなくても、地域協力プログラム、教育新都市などの代案がある。

コ:住民の反発が不動産投機事業だという生きた証拠だ。 始興市-建設会社が新都市を作り、「ソウル大ができます」と広報し、 アパート価格が高騰する。 しかしソウル大が来なければ、住民は不動産価値を失う。 始興キャンパスが不動産事業だという反証だ。

キム:学閥主義の下で名門大の資本運動でもある。 地方大学は廃校、定員が減少しているのに、ソウルにある巨大大学だけがキャンパスを拡張する。 大学の金で土地を食う。 政府が突きつける大学構造調整の定規は「企業大学」だというのなら、別の世の中の話だ。 ソウル大平昌キャンパスも作ったのに潰れた。 大学政策も構造調整方式ではなく、政府責任型で財政投与、運営しなければならない。

記者:天文学的な不動産価値と実施協約という法的関係で、闘争を支持するが勝つのは難しいという視線もある。今後の闘争の方向は?

コ:建設を防ぐのが難しいのは事実だ。 それでも賛成しなければならない理由はない。 2011年のソウル大法人化以後、企画処、学生処、研究処などの不正や問題が絶えず起きた。 法人化反対闘争もとても大変だった。 だから始興キャンパス闘争は重要だ。 同時に成楽寅総長退陣運動、 総長直接選挙制アジェンダに集中しなければならない。

キム:最近、尚志大闘争が勝利で終わった。 10年で理事長などの不正責任者が退陣した。 ソウル大はまだ1年だと思う。 「学校-学生間対立長期化」というような報道が学友の力を奪う。 だが成果はあげられるはずだ。 私たちの闘争でソウル大の弊害があらわれている。 この成果を再確認して、旋回の声を警戒して、さらに大きな声をあげなければならない。 たとえ始興キャンパス着工と開校が闘争の敗北に見えるとしても、 最後まで屈っせずに正しい方向に進まなければならない。

[出処:キム・ハンジュ記者]

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2017-09-17 06:05:36 / Last modified on 2017-09-17 06:05:38 Copyright: Default

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