本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:ソウル市「支援金」をめぐり民主労総ソウル本部の対立爆発
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1500816865289St...
Status: published
View


ソウル市「支援金」をめぐり民主労総ソウル本部の対立爆発

「ソウル市の無分別な支援金事業、執行部が私有化」

ユン・ジヨン記者 2017.07.18 20:35

ソウル市の労働団体支援金事業をめぐり、民主労総ソウル本部が深刻な内紛を体験している。 労組執行部が数十億ウォンの支援金を非民主的に運用しているという指摘が提起されたからだ。 ソウル本部がソウル市から支援金を受領する過程で、規定と手続きを守らなかったという批判も強い。 ソウル市の場合、このような議論を知りながら、支援金事業を無分別に強行しており、もうひとつの議論を呼んでいる。

民主労総ソウル本部の運営委員多数と連帯組織代表者で構成された 「ソウル本部正しく立て直す実践行動(実践行動)」は7月18日午前11時、 民主労総の前で記者会見を行って、 ソウル本部の労働団体支援金の非民主的運営と私有化を糾弾した。 彼らは公の組織である労働組合の執行部が規定と手続きを無視し、 独断的、非民主的にソウル市の支援金事業を運営していると声を高めた。

「ソウル本部、規定と手続きを無視して独断的に事業を執行」

昨年5月、ソウル本部の運営委員会は、ソウル市の労働団体支援金事業推進をめぐって賛否討論を行った。 政府支援金を受け取るかどうかは民主労総の内部で賛否が明確に交錯する論争の種だ。 そのため民主労総は内部規定を作り、建物と最低限の管理維持費以外の政府受領金は禁止している。 もしその以外の用途で政府支援金を受領しようとする時は、民主労総中央執行委員会の審議を経なければならない。

当時、ソウル本部の運営委員会でも賛否の議論があったが、執行部が手続きについて約束し、議論が一段落した。 民主労総ソウル南部地区協議会のク・ジャヒョン議長は 「執行部はその場で民主労総の中央執行委員会が事業中断を決定すれば、事業を進めないと約束した」と明らかにした。 だがその年の9月、ソウル本部はソウル市と協約を結び、支援金事業を推進した。 民主労総中央執行委員会の決定が出る前だ。

その後の10月20日、民主労総中央執行委員会はソウル本部のソウル市労働団体支援金事業について中断を決定した。 だがソウル本部は翌21日、民主労総に中断の決定を拒否する文書を発送した。 11月17日にはソウル本部の最高意志決定機構である運営委員会の運営委員27人のうち14人が連名で署名して事業の中断を要求したが、ソウル本部は事業を強行した。 民主労総西部地区協議会のパク・ヨンヂク議長は 「昨年は3か月でソウル市の支援金7億9千万ウォンを使い、今年は20億ウォンを策定している」と説明した。

結局、民主労総の規律委員会は今年4月27日、ソウル本部長と首席副本部長、事務局長職務代行に対して各々停権の措置をした。 これに対しソウル本部の執行部は外部の法務法人からの諮問を受け、民主労総に停権措置を無効にしてくれという文書を送った。 実践行動によれば、ソウル本部のソ・ヒョンソク本部長は去る4月に開かれた民主労総中央執行委員会で 「ソウル市の支援金事業に関する総連盟中執の決定に違反したことに関連して謝罪し、 以後2017年度のソウル市支援金事業はしない」と明らかにしたという。 だが現在、ソウル本部はソウル市に今年支援金事業の申請をしている。

支援金の使用内訳不透明の議論も...本当の非正規組織化の予算なのか?

支援金支出の内訳が不透明だという指摘もある。 3月に開かれたソウル本部の代議員大会で明らかにした前年度の決算資料を見れば、 ソウル市支援金事業関連会計が別に捕えられていない。 当時、会計監査は「ソウル市労働団体支援金の資料がソウル市に提出されて監査できなかった」と報告した。 全教組ソウル支部のイ・ソンデ対外協力室長は 「当時の会計監査はきちんと監査が出来なかったと話した」とし 「執行部は資料を全てソウル市に提出して何も持っていない、 別会計なのになぜ監査を受けなければならないのかわからないと監査を避けた」と説明した。 パク・ヨンヂク議長も「会計の内容は不十分で曖昧だ。 会計監査も本部長室で本部長が同席した状況で進められたと理解している」と指摘した。 原則のとおりならば、予算・決算の内訳と事業内容は、運営委員会を経て代議員大会で承認を受けなければならないが、中間過程も省略された。

ソウル市支援事業の当初の目的は「ソウル地域の未組織非正規の組織化」だが、 まさに組織化の成果も出せなかったという批判もある。 パク議長は「支援金はワークショップ、法律学校、相談など、日常的な労組活動の予算に使われ、 先着順200人の健康診断実施、音楽会開催などに予算を使った。 事実上、ソウル市の事業による未組織の組織化事業の成果もなかった」とし 「未組織非正規の実態調査事業で5億ウォンが策定されていたが、 1億2千万ウォンを使って事業が中断した。 5千万ウォン以上の事業なら公募手順を取らなければならないが、そんな手続きもなかった」と明らかにした。

ソウル本部は労働団体支援金とは別個にソウル市から西大門労働福祉センターの運営権も得た。 年間3億5千万ウォンの人件費と運営費支援予算が関わる事業だ。 だがこれも運営内訳が公開されていない。 パク議長は「5月にソウル本部運営委で問題提起があった。 だが執行部はこれに関し、案件を上げる必要はなく、書面提出の義務もないと拒否した」とし 「ソウル本部は労働福祉センターを受託運営する過程で、これまで働いていた事務局職員4人を解雇した」と説明した。

こうした状況だが、ソウル市は労働団体支援金事業の中断計画を明らかにしていない。 実践行動は「ソウル市に何度か事業の中断を要請したが、 『民主労総内部の事』という立場を固守し、 ソウル本部と事業を続けている」と批判した。 これに関してソウル市の関係者は 「先週、事業計画案を受け取ったので、まだ今年の支援金が民主労総(ソウル本部)に支払われていない。 事業計画を検討した後、8月中に承認の可否が決定されるだろう」とし 「ソウル市も誤って執行された内訳は還収措置している。 昨年(ソウル本部に)9億2600万ウォンほどが交付され、7億9千万ウォンが執行されたが、 そのうち誤って使われた74万7500ウォンを還収措置した」と明らかにした。

ソウル本部執行部、「次期執行部の選挙を控えた指導部揺さぶり」と反発

しかしソウル本部執行部側は実践行動の主張が次期選挙を念頭にした「執行部揺さぶり」だと反論した。 ソウル本部のソ・ヒョンソク本部長は 「実践行動に入っている運営委員のうち1人を除き、全員昨年(団体支援金活用に)賛成していた。 下半期の役員直接選挙制選挙のために本部を揺さぶっているのだろう」とし 「対応する価値もない」と一蹴した。

昨年、民主労総の中執決定についても 「他の産別、地域本部は(団体支援金を)すでに活用しているが、 ソウル本部は新規事業だから中断しろといった。 だが私たちもすでに8月から事業を進めていたので年内に終える計画だった。 だがこの人たち(実践行動)が提訴して攻撃し、問題を大きくした」とし 「今年は(支援金を)考えずに組織収拾に努力した。 だが運営委員会で民主労総と実践行動が意図的にソウル本部を抑圧しているという意見があり、 6月に事業をすることに決定してソウル市に文書を送った」と説明した。

事業内訳が不透明だという批判に対しては 「本部の会計監査二人は仕事の間に時間を作って本部の監査をしている人々だ。 1人は詳細な事業もすべて見るのは難しいと言っており、もう1人は正確に整理されているので見る必要もないといった」とし 「金銭的な問題があればソウル市が黙っているか。 金の問題を持ち出して『…らしい』という噂をたてれば疑惑を持たれやすいので、 彼らが中傷謀略をしている」と声を高めた。

一方、実践行動と連帯組織は、 △ソウル市は民主労総ソウル本部の労働団体支援金事業と労働福祉センター事業を即刻中断すること、 △ソウル本部の役員陣は彼らの私益のために各区支部や地域の諸団体が共謀して活動する労働福祉センター事業などの利権事業から退くこと、 △ソウル本部を私組織化する現役員陣は即刻辞任することなどを要求している。 彼らはソウル本部が正常化されるまで、ソウル本部の運営委員会と代議員大会に参加しないという方針で、 今後は退陣運動を積極的に始める計画だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2017-07-23 22:34:25 / Last modified on 2017-07-23 22:34:26 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について