本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:ヴァレオの大法院不当解雇判決は終わりではなく始まりだ
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1499095756693St...
Status: published
View


ヴァレオの大法院不当解雇判決は終わりではなく始まりだ

[寄稿]大法院不当解雇判決を越え、労組破壊犯の処罰と現場権力争奪へ

シン・シヨン(金属労組慶州支部ヴァレオマンド支会組合員) 2017.07.02 21:16

6月29日、大法院がヴァレオ資本に不当解雇と判決した。 中央労働委員会委員長とヴァレオ電装代表のカン・ギボンが上告したヴァレオマンド支会組合員の解雇(15人)/停職(13人) および不当労働行為救済再審判定の取り消し事件について、 審理不続行棄却(大法院が本案を審理せずに上告を棄却すること)の決定をしたのだ。

今回の事件は、2010年2月16日のヴァレオ資本による攻撃的職場閉鎖を始めとする労組破壊を行ない、 2010年6月7日の金属労組脱退総会とともに親企業労組を設立した後、 同年7月に金属労組組合員だけに解雇15人/定職13人の重懲戒処分をした事件だ。

ヴァレオ資本の解雇/停職懲戒処分とも不当であり、 その上、資本の労働組合への支配・介入不当労働行為まで大法院が認めた。 これは2月3日のソウル高等法院の原審判決をそのまま認めるもので、 2010年の懲戒処分から大法院判決まで、何と7年もかかった。

懲戒解雇以後、地労委、中労委、行政法院、高等法院、大法院、そして破棄差戻しされて高等法院、また大法院まで、あまりにも長い時間がかかった。 これほど長い時間を粘ったのは、金属労組慶州支部組合員の献身的な支援が最も大きかった。 そして地域と全国で多くの仲間たちが支持して応援したから可能だった。

2010年2月の職場閉鎖から今まで、本当に多くのことらあり、 痛みと後悔、そして残念さなど、万感が交差する。 職場閉鎖の期間には金属労組慶州支部ストライキと7号国道占拠などの理由で拘束され、 出所から1か月も経たずに金属労組脱退と親企業労組設立という衝撃的な事件を体験した。 金属労組と地域の仲間たちの努力、そして支会で最後まで闘争を訴えた仲間たちの叫びにもかかわらず、 指導部を失った現場は資本の攻勢により、無気力に崩れてしまった。

親企業労組の設立以後、歳月が流れて組合員と会うと、 職場閉鎖の初期に工場の正門を守った用役を突破して入った時と、 金属労組の委員長までが参加した金属労組拡大幹部決意大会の後に 正門進入闘争ができずに退却したのが一番残念だといった。 振り返ってみれば、その時に何らかの勝敗をつけていれば、 これほど組合員が分裂せず、団体協約を奪われたり監視と統制、そして嘲弄といじめ、 差別などの非人間的な待遇を受けることはなかっただろうと思う。

個人的に残念だったのは、2010年3月に金属労組慶州支部の無期限全面ストの決定が実行されず、 ヴァレオ闘争が崩れたことだ。 また2013年7月、労働組合事務室出入保障のために地域の仲間たちと共に12日間、 工場で宿泊しながら救社隊と対峙した時に、 私たちの要求と闘争をさらに拡大できなかったことが残念だ。

2010年のヴァレオマンド支会の敗北以後、地域で6つの支会が金属労組を脱退してしまった。 また、職場閉鎖が全国的に広がり、KCE、相信ブレーキ、ユソン企業、マンドなど、 あまりにも多くの資本でヴァレオ事件が繰返された。 もし2010年のヴァレオ闘争が勝利していれば、地域の金属労組脱退も全国の職場閉鎖もなかったのではないかとも考える。 だから闘争は個別化されてはならず、共に戦って拡大しなければならないのだ。

総資本と政権が共同で企画した労組破壊

去る6月16日、大邱地方法院慶州支院は2010年の職場閉鎖と創造コンサルティングと共謀した労組破壊、 そして親企業労組の設立に支配・介入した罪で、ヴァレオ電装代表のカン・ギボンに懲役8月の実刑を宣告した。 そして同じ罪でヴァレオ電装に法人として500万ウォンの罰金を宣告した。 2010年の蛮行に対する1審判決が7年後に出たのだ。 しかし裁判所は懲役8か月の実刑を宣告しても、カン・ギボンを法廷拘束させなかった。

創造コンサルティングと共謀した資本の労組破壊に反対して闘争したことで3人が拘束され、 多くの組合員が法廷に立ち、法禁と執行猶予など、あまりにも多くの処罰を受けた。 7年間で28人が懲戒解雇され、定年短縮で数十人が工場から追い出された。 そして解雇者とその家族の精神的、肉体的、経済的困難と苦痛は言葉にできない。 また工場での差別といじめなどのストレスと、賃金削減や労働強度強化などによる経済的、肉体的な痛みもあまりにも大きい。

こうした点を考慮すれば、カン・ギボンの懲役8か月はあまりにも弱い処罰で、 法廷拘束もしなかったことはとても理解できない。 また労組破壊と親企業労組の設立に支配・介入した使用者の罪があるにもかかわらず、 金属労組脱退と親企業労組の設立が大法院で先に認められたことは、あまりにもくやしい。

ヴァレオ資本の職場閉鎖と労組破壊、そして今後発生する全国的な労組破壊行為を見れば、 総資本と政権が共同企画して施行したと見るほかはない。 特に自動車部品メーカーの職場閉鎖は、元請の現代起亜車資本の承認がなければ絶対にできない行為だ。 ユソン企業では元請が介入した会議資料などの証拠が出てきて現代起亜車が起訴されたが、 ヴァレオをはじめとする多くの事業場も同じだと見る。 そして市庁、警察、検察、労働部などの迅速な動きは、政権と総資本の結託がなければあり得ない。

裁判所が懲役8か月の実刑を宣告するほどの犯罪行為を検察は無嫌疑処理した。 このように、全く検察を信頼できない状況で、その上にイミョンパククネ政権での労組破壊行為を徹底的に調査し、厳罰するためには特検が必要だ。 これは文在寅(ムン・ジェイン)政権の宿題でもある。

いくら政権と資本の弾圧が強くても、われわれが進むべき道は明確だ。 政権と資本の労組破壊行為者を徹底して調査し、厳罰にしなければならない。 そしてヴァレオのカン・ギボンは拘束されなければならず、 共犯に対する厳重な処置、そして親企業労組の解体が行われなければならない。 また奪われた団体協約を取り戻し、現場権力を勝ち取らなければならない。

これは不当解雇の大法院判決が終わりではなく新しい開始だということだ。 今まで支持し、応援してくれた仲間たちにまた感謝の言葉を伝える。 あつかましいが、新しい開始を覚悟してさらに力強く戦えるように、 さらに大きな関心と支持をお願いする。闘争!

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2017-07-04 00:29:16 / Last modified on 2017-07-04 00:29:18 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について