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相変らず朴槿恵の亡霊の中のソウル大、至難な学生たちの戦い

[インタビュー]ユン・ミンジョン共対委執行委員長

キム・ハンジュ記者 2017.06.01 12:56

3月11日早朝。 ソウル大が始興キャンパス反対座り込みをしていた学生を鎮圧した。 職員は学生を強制的に引き出して、粘る学生に向けて消火栓から放水銃を撃った。 この日の暴力侵奪で4人の学生が応急搬送された。 学内の雰囲気が沸き立った。 結局4月4日、学生たちは総会を開いて「成楽寅(ソン・ナギン)総長退陣要求の件」を90%以上の賛成で可決した。 5年に1回の割合で開かれる学生総会が、始興キャンパス事態で6か月に2回も開かれた。

ソウル大学の学生は 「ソウル大は朴槿恵(パク・クネ)の積弊が消えない場所」と訴えた。 まだ親朴指向の成楽寅総長が粘っているからだ。 ソウル大の学生は相変らずキャンドル広場にいる。 「不動産投機大学」であるソウル大始興キャンパスの造成を防ぐための彼らの闘争は、もう9か月になる。

成総長は5月25日、朝鮮日報とインタビューに出て、ソウル大の懸案を泣いて訴えた。 彼は国公立大統合に反対し、始興キャンパス事業の重要性を強調した。 そして学生が本部を占拠しているため、700m離れた臨時事務室を使っていると吐露した。 だが成総長が理事長室を臨時事務室に使っていた時、学生たちは電気が切れ、閉鎖された本部で危険な座り込みを続けていた。 5月31日、本部2階で「ソウル大始興キャンパス実施協約撤回と学生弾圧中断のための市民社会共同対策委員会(共対委)」のユン・ミンジョン執行委員長(政治外交学部、15)と会った。

▲ユン・ミンジョン「ソウル大始興キャンパス実施協約撤回と学生弾圧中断のための市民社会共同対策委員会」執行委員長[出処:キム・ハンジュ記者]

10人の教籍剥奪措置、6人の刑事告発など数十人が懲戒された事例は2000年以来初めてだ。学生たちは懲戒をどう受け止めているか?

5月29日に学生12人が懲戒容疑告知書を受け取った。 教籍剥奪措置が決まったわけではないが、 学生処の実務者が学生に流した話だ。 懲戒委員会で懲戒の程度が決まる予定だ。

2000年以来、学校で学生を懲戒除名したことはなかった。 2002年の学生-司法警察間の暴行も無期停学だったし、 隠しカメラ、不正行為事件にも有・無期の停学措置だった。 今年1月に初めて懲戒の話が出て、学生はとても萎縮した。 そして3月11日の暴力強制解散で大きな威嚇を受けた。 結局、学生はまた占拠に入った。 4月4日には学友2千人が集まった総会で基調を再確認した。 この総会で成楽寅総長退陣要求案が90%以上で圧倒的に可決され、とても力を得た。 数年に一度開かれる総会だ。 直近の総会は2011年のソウル大法人化闘争の時だった。 しかし始興キャンパス闘争で半年に2回の総会を成功させた。 そのためか、責任感もとても強まった。

保守マスコミは学生が不法を行っているとして懲戒を正当化している。学校の不法はなかったのか?

先にマスコミが学生の声を聞いたのか訊ねたい。 マスコミは私たちが行った100種類の行動のうち1種類が外れれば特筆大書する。 しかし学校が行う100種類の不法は報道しない。 マスコミは互いに特ダネだと言って始興キャンパス事業を宣伝するだけだ。 学校は3月11日の学生たちの本部占拠を強制解散する過程で、消火栓を使って放水銃を撃った。 これは消防法違反だ。 消火栓は非常時だけに使うものだ。 その日の朝から本部を侵奪し、学生を暴力的に引き出し、投げ飛ばした。 この日、学生4人が失神などで応急搬送された。 執行は学校正規職がやった。 成楽寅総長が指示したという意だ。 この日の暴力事態の責任は成総長にある。 それでもなぜマスコミは彼に責任を問わないのか。

5月1日に学生が本部2階の記者室ガラス窓を破って再占拠した。保守マスコミは大々的に「学生の不法行為」の場面を1面に掲載した。どんな状況で発生したのか。

われわれは不法、暴力のために座り込みをしているのではなく、平和的な基調を学生の間で共有していた。 私たちが記者室のガラス窓を割る前に学校の職員が1階で総長面談を要求していた学生30人を暴力的に引き出した。 この過程で1次暴力が発生した。 また学校は職員数百人を1階ロビーに配置した。 学校の本部侵奪を防ぐには、職員と物理的に衝突しなければならなかった。 ところが学生は何の力で彼らを引き出すか。 それで1階からは入れないと考えた。 総学生会も職員と体当たりをするよりも財物損壊の方が良いという判断だった。 物理的衝突を避けるために記者室に進入したのだ。

[出処:キム・ハンジュ記者]

*成楽寅総長は朝鮮日報のインタビューで、始興キャンパス事業が統一、4次産業時代を準備するものなので国家と学校の未来がかかる事業だと言った。学生の判断はどうか。*

ソウル大は2007年から始興キャンパス事業の準備をしてきた。 われわれは2013年に記事を見て初めて知った。 当時は、ソウル大学生は必ず始興キャンパスに居住しなければならないという「義務型寄宿舎(RC)」が問題だった。 総学生会長がハンストと断髪をして対話協議体を勝ち取った。 その時は実施協約の前だった。 2014年、2015年に対話協議体が運営された。 その間、2015年8月に親朴の成楽寅総長が入ってきた。 その後1年間、対話協議体は開かれなかった。 学生の反発にもかかわらず、成総長は昨年8月に実施協約を密室締結した。

始興キャンパスの話が初めて出てきた2007年から、学生たちが本部を占拠した2013年まで、統一、4次産業の話はなかった。 私たちが昨年本部を占拠した後、学校が急いで持ち出してきた根拠だ。 学校は事業の正当性を得るために、政府が認められるような基調を用意した。 それで統一、4次産業のような良い言い訳が出てきた。

始興キャンパスはソウル大、漢拏建設、始興市が一番広い土地で最大の利益を得る事業だ。 簡単に言えば不動産投機だ。 始興のペゴッ新都市にソウル大を配置して投機ブームを起こそうというのだ。 漢拏建設は現代グループの系列会社だ。 毎年、不渡りの危機だった漢拏建設がソウル大と手を握り、黒字を出した。 2016年には1.8兆ウォンの売り上げを記録した。 同時にソウル大は建設会社投機事業を資本拡張に利用しようとしている。

私たちも、統一、4次産業への準備には同意する。 だがこの目標を投機で達成するのなら、ソウル大とソウル大学生は商品に転落する。 「ソウル大学生が暮らすブランド新都市」に資本を集めてくれということだ。 始興市議会でもソウル大学生は収益性が高いので、早く事業に着手しろと圧迫している。 その間、われわれは商品に転落し、大学の公共性は崩れた。 学校はこうした学生の主張に答えずにいる。

*成楽寅総長はビッグデータ研究院は2部屋しかないと言って、冠岳キャンパスの飽和、空間不足を指摘している。*

今日(5月31日)の昼にも冠岳キャンパス関連の公聴会があった。 ある教授が「冠岳には空間がないのではなく、空間効率性の問題が大きい」と問題提起した。 冠岳の面積はとても広い。 学生1人当りが占有する土地も広い。 結局、空間、配置利用の問題だ。 ソウル大の法人化後には遊休空間も増えた。 企業が建物を作ったが活用していない。 法人化以後に社会科学大前の学生厚生館をなくして、寄付者の名前で新しい建物を作った。 この空間も有用性が低い。 また建物ごとに収益性の業者が並んでいる。 ある建物には何軒もカフェがある。 人文大はひと目で3軒のカフェが目に入るほどだ。

ソウル大は、冠岳、水原、平昌、蓮建にキャンパスを持っている。 始興キャンパスは5番目だ。 国政監査でも数千億の血税をかけた平昌キャンパスの空間を使わずに、専任教員も10人しかいないという指摘が出た。 平昌キャンパスに自律走行のため研究関連滑走路が必要だというが、まだ実行計画もない。 私たちが平昌キャンパスの運営を分析するために損益予測関連の情報公開を請求したが、不存在通知された。 ソウル大のキャンパス拡張はまさに資産膨張だ。

*成楽寅総長はエリート養成、ソウル大下降平準化を憂慮して国公立大の統合に反対している。学生たちの考えは?*

まだ学生の意見はまとまっていない。 総学生会も政策の立場を提出していない。 それでも合意したのは学閥主義でソウル大を特権化するのは間違いだという認識だ。 国公立大を統合するにしても、下降平準化ではなく単位共有制のような方式なら、他の大学との相互作用でむしろソウル大の特権が強化される。 成楽寅はエリート教育を主張しながら定時縮小、随時拡大を話す。 ソウル大の特権を持って自分の好みの学生を選んだり、高校の学閥によって選ぶという意だ。 そうした意味で成総長のエリート教育は学閥主義、特権守りだ。

学校との戦いも世論戦も傾いた運動場だ。「不動産投機大学」から抜け出す原則的な闘争だが、なぜ梨花大闘争のような関心を受けられないと考えるか

梨花大闘争の開始は未来ライフ大学だった。 そして鄭ユラが起きた。 梨花大闘争は政府の教育政策における入札についての問題提起であった。 学校が入札を取り消して解決した。 だがソウル大は資本主義社会における資本がからむ問題だ。 始興市の地方自治体、建設財閥、ソウル大の三主体は投機者、契約者を何万人もかかえている。 ここで数兆ウォンがやり取りされる。 学生たちが戦って実施協約撤回を勝ち取っても、学校は訴訟、賠償問題に包まれる。 それで「不動産投機反対」という原則を掲げても難しい闘争にならざるをえない。

そしてこの社会のソウル大既得権が強力だ。 朝鮮日報などの保守既得権勢力がソウル大に積極的に対応している。 最近、成総長にインタビューした朝鮮日報社会部長もソウル大の出身だ。 昨年10月10日、本部占拠の時に総長室の机で学生査察リストを見た。 ここには私の名前と学科、所属団体、団体の指向などが記されていた。 そして二日後、マスコミに組織の名前と共に報道された。 学校とマスコミの癒着関係を見せたのだ。 教育部長官もソウル大の副総長だった李俊植(イ・ジュンシク)だ。 長官も変わらない限り、政府はソウル大事態を解決できない。

[出処:キム・ハンジュ記者]

最近の学内世論はどうか。

懲戒、刑事告発で一緒に学校に通った学友がもう学友ではなくなるという憂慮が大きい。 共に防がなければならないという共感がある。 二回の総会の成功、圧倒的な可決が語っているではないか。 すでに成楽寅総長に対する反感は確認された。 それでもわれわれはどのようにして勝つのかについての展望がない。 最近、始興市議会も加勢したように、私たちが持っている力はとても小さいが、 建設資本、学閥権力、地方自治体が圧迫するので現実的な悩みが多い。 原則的な闘争なので、学内で同意も得られて長期化したが、勢力を強められなかった。 学生たちの加勢が切実だ。

*これから成楽寅退陣運動の展望は?*

ひとまず今、学生は守勢に追い込まれている。 ある学友は財物損壊罪で6月1日に警察に出席する。 学校は世論戦で「学生の不法」を口にして「先制パンチ」を飛ばした。 学生闘争が社会的な正当性を得られれば、反騰できると思う。 不利な条件の中の世論戦だが、共対委次元で学問の公共性、特権反対などの構図を作る予定だ。 また改革的な熱望と共に発足した新政府がソウル大の既得権をどれだけ清算できるのかもカギだ。

▲ソウル大学生約100人5月31日ソウル大本部の前で始興キャンパス実施協約撤回のための集会に参加した。[出処:キム・ハンジュ記者]

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2017-06-07 00:18:19 / Last modified on 2017-06-07 00:18:21 Copyright: Default

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