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大統領選挙の狂風、高空籠城労働者たちを見よ

[寄稿]私たちの内部の積弊の清算が至急

キム・ソクチン(現代尾浦造船現場労働者闘争委員会議長) 2017.05.09 09:52

大統領選挙狂風の中の孤独な声

セウォル号は韓国社会の積弊であり、THAADは国際社会の積弊だという。 また、多くの政治家が大統領選挙で自分が勝利すれば、財閥、言論、検察など、 韓国社会に蔓延する積弊を必ず清算するという。 だが私は彼らの言葉をたった1%も信じていない。 10年前、自称民主政権と主張してできた金大中(キム・デジュン)と盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の時の深刻な労働弾圧と社会の二極化の深化などが鮮やかに目に浮かぶ。 10年前も後も、労働者民衆に対する資本家政権と資本家による労働弾圧は、 どんぐりの背くらべでしかない。 誰が誰の積弊を清算できるというのか?

私とともに事業場内で労働した二人の現代尾浦造船社内下請労働者が事業場の外の高架道路橋梁の上で高空籠城をしている。 彼らは構造調整の中断と社内下請労働者の労働基本権保障、 そして労組をする権利を要求して、 総雇用保障のために元請・下請共同闘争をしようと叫んでいる。 橋脚高空籠城に突入する前、彼らは私とともに現場の事務室と出退勤ゲートを行き来して、 共に戦おうと言って仲間たちの連帯を切実に訴えてきた。

だが誰よりも先頭で闘争をしなければならない正規職労組の執行部は見られず、 民主派の現場活動家も連帯闘争を無視した。 正規職組合員と社内下請労働者は沈黙して見守るだけで、 誰も連帯の手を差し伸べなかった。 結局、自分が通っていた労働現場の外に出てくるほかはなかった。

▲一か月間、橋梁の上で高空籠城を続ける現代尾浦造船社内下請イ・ソンホ、チョン・ヨンス労働者[出処]現場労働者闘争委員会

切迫するが闘争が消えた現場

今、現代重工グループの構造調整は2種類の方向に進んでいる。 現代重工は昨年9月1日のMOS分社を始めとし、最近では企業分割を断行した。 分社と分割は財閥経営を世襲させ、正規職労働者の雇用と賃金などを後退させ、 何よりも正規職民主労組運動を無力化する露骨な底意がある。 これは分割後は別の企業だから、別の労使関係でなければならないという現代重工の使用者側の立場からも確認される。

下請労働者を対象とする下請企業の統廃合と人員削減、つまり大量解雇を行っている。 造船業種の独占資本は昨年30%の人員削減を計画した。 しかし生産現場での下請労働者の割合は2/3であるという現実で、全人員の30%を削減するということは、 直営労働者は削減せず、下請労働者の半分程度を大量解雇するということだ。 これは実際、現代重工元請の人員計画でも公然と確認された事実だ。 同じ系列の現代尾浦造船の場合も2017年の人員計画に直営労働者はそのままであるのに対し、 下請労働者は7千余人と、1/3以上減らすと言われている。

昨年下半期の下請労働者の大量解雇は現代重工海洋事業部を中心に形成されたが、 今では造船事業部と現代尾浦造船で段階的に着々と進行している。 週4日勤務の強制実施から無給循環休暇の強制申請、 定年退職の緊急実施など、多様な方式で進められている。

このように緊迫した状況で、現場は切迫なことで埋めつくされているが、 現代重工と現代尾浦造船事業場の中では元請・下請労働者の共同闘争が消えて久しい。 ところが「構造調整中断元請・下請共同集会」は一度も開かれず、 労働組合と地元の商人、そして地元の政治家が共にする地域経済生かす住民総決起は盛況裡に開かれるという奇異な状況が行われた。

もちろん戦術的に、地元の小資本家と戦略的に連合をすることもできる。 百歩譲って、構造調整を阻止するためにだ。 だが他の階級との連合は、いくら戦術的柔軟性だとしても、労働者階級内の団結を前提にしなければ、 階級性の喪失という結果を生むだけで、構造調整阻止闘争に勝利できないのは明らかだ。

正規職情緒への屈従を越え

現代重グループが何よりも一番恐れていることは、 まさに元請・下請労働者の共同闘争、共同ストライキだ。 下請労働者がすでに過半数になっている造船業種での構造調整中断は、 階級的の団結を前提しなければ可能ではない。 そして下請労働者との階級的な団結のためには、正規職民主労組運動の組合主義を至急克服しなければならない。 下請労働者を正規職の雇用安定と高賃金、安全のために、解雇と低賃金、危険を担う対象程度として見る視点と情緒があまりにも広がっていて、 活動家だという人々も今では正規職の情緒を逆らうことは現実の前に無力なむなしい原則程度だとして片付け、最善を放棄し次悪を選ぼうという。 しかし私たちが次悪を選んできた間に労働現場は最悪になり、ここにはどんなブレーキもなかった。

高騰する不動産と子供の教育費、社会的な威信の維持のために、まさに自分の雇用と賃金さえ保障されれば、 隣の青年たちが半分にもならない月給でさらに苦しく働き、クビになり、クレーンから転落するという現実に目をふさぎ、 逆に彼らの孤独な声さえもみ消すこともはばからず、 良心と羞恥を捨てた正規職利己主義、組合主義という巨大な水車を止めることは、 全く現実的に見られない。

しかし不可能を夢見ることが運動であり、運動は不可能を現実にした。 運動は、変わらないと思っていた人々を変え、 平凡な人々を歴史の主人に変貌させてきた。 この信頼を失わなければ、そして運動を遮る私たちの中の積弊を果敢に表に出し、 決然と清算解消する意志さえあれば、 終わりは新しい始まりになる。 私は元請・下請共同闘争が新しい始まりになると信じている。

積弊清算を叫ぶ政権に変わったところで、労働者の人生は変わらないだろう。 今この時期に必要なことは、5.1節精神、全泰壹精神、烈士精神だ。 スローガンはあっても実践がない民主労組運動内部の積弊を、一日も早く清算しなければならない。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2017-05-11 08:21:04 / Last modified on 2017-05-11 08:21:06 Copyright: Default

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