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10年間後まわしの差別禁止法…文在寅議論で制定運動触発

200余団体が連帯… 「今始めてこそ後日もある」

キム・ハンジュ記者 2017.02.23 14:53

共に民主党の文在寅(ムン・ジェイン)元代表の性少数者人権排除発言により、 差別禁止法制定運動がまた触発された。 246の市民社会団体は2月23日に光化門広場で記者会見を行い、 差別禁止法制定運動を始めると宣言した。

[出処:キム・ハンジュ記者]

[出処:キム・ハンジュ記者]

10年間動かず…政治家の票計算で延ばされた差別禁止法?

差別禁止法は2002年、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領が候補だった時に掲げた公約だ。 2007年10月には法務部が国家人権委員会の勧告によって立法予告した。 だが保守キリスト教団体などの反対で、性的指向と病歴などの事項が削除された。 李明博政権に入り、事実上廃棄手順を追った。

2010年にも法務部が立法を試みたが、やはり失敗に終わった。 李明博、朴槿恵政権時期の17代-19代国会でもひきつづき発議されたが、 制定されなかった。

国際社会の要求も続いたが変化はなかった。 2011年UN女性差別撤廃委員会と児童権利委員会、 2012年8月人種差別撤廃委員会、 2012年UN国家別人権状況定期検討(UPR)等が要請、勧告したが、 差別禁止法は10年間足止めをくっている。

進歩団体出身の市長が執権したソウル市も、世界人権憲章を廃棄するなど性少数者の人権は無視した。 2014年、ソウル市は市民190人と共に「性的指向および性自認など憲法と法律が禁じる差別を受けない権利」を含む世界人権憲章を作った。 だが宗教、保守団体の反対により廃棄した。 キリスト新聞によれば、朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長は人権憲章廃棄の翌日(2014年12月1日)、 「同性愛は絶対に支持しない」とし 「一部の言論で同性愛を支持するという報道は誤って伝わった」と話し、批判を受けた。

差別禁止法制定連帯は 「政治家たちはこの10年間、差別禁止法案を発議したが自主的に撤回し、 保守キリスト教勢力、嫌悪勢力の所に行って 『私は、わが党は差別禁止法を作らない』と泣いて訴えてきた」とし 「差別禁止法を制定しないということは、社会的少数者、力と権力のない人々に対する嫌悪と差別暴力を黙認し、 同調勢力に名分と権力を与えるということ」と政界を批判した。

記者会見に参加した淑明女子大法大のホン・ソンス教授は 「有力大統領候補が差別禁止法があればいいが、なくてもいいというように話すのは耐えられない」とし 「世界の政治指導者も一貫した差別禁止メッセージを投げる。 どの瞬間にも、われわれは少数者の側にいると刻印させなければならないという意味だ。 だが韓国の有力政治指導者の発言は、少数者を孤立させている」と厳しい忠告をした。

緑色党のキム・ジュオン運営委員長は 「(文元代表は差別禁止法が)社会的に合意されていないという弁解はできない」とし 「(文元代表は)社会的合意を作り、少数者差別をなくすためにどんな努力をしたのか」と指摘した。 また「『時期尚早、後で』という言葉もやめなければならない。 今始めなければ後日はない」と付け加えた。

[出処:キム・ハンジュ記者]

[出処:キム・ハンジュ記者]

差別禁止法はすべての社会的弱者の差別に反対する法

包括的差別禁止法の定義は 「憲法の平等理念により、性別、障害、病歴、年齢、出身国家/民族/地域、肌の色、容貌、思想、性的指向および性別アイデンティティなど、 すべての領域において合理的な理由なく差別する行為を禁じる法律」だ。 性アイデンティティに対する差別をはじめ、すべての種類の差別を禁止する人権法だ。

正義党のナ・ギョンチェ共同代表は 「憲法11条で性別、宗教、社会的身分による差別を禁止しているが、 そこでは言及されていない肌の色、貧困、性アイデンティティに対する差別はいいのか」とし 「女性労働者は他人が月給200万ウォン受ける時、126万ウォンしか受けられず、 移住女性の子供は学校で毎年6月に民族共同体意識高揚の宿題を受け、 障害者はまだ高速バスに乗れず、同性愛者は結婚できない」と、 すべての社会的弱者の人権を主張した。

移住労組のウダヤ・ライ委員長は 「移住労働者は何十年も前から(韓国に)存在してきたが、今も差別されている」とし 「警察は事業主の肩ばかり持ち、公務員は既存の法律さえ守らない」と話した。 彼はまた「権力を持つ人々は、言葉では平等を話すが実践しない」と訴えた。

ソウル障害者差別撤廃連帯のキム・グァンイ共同代表も 「韓国の歴代政権を経てここまで来たと思うと恐ろしい」とし 「法に対する賛否対立の中で、差別で困難な生活を送ってきた障害者の経験は含まれているのか」と指摘した。

先立って文元代表は2月13日、韓国キリスト教総連合会を訪れ 「現行の国家人権委員会法に『異なる性的指向を持つという理由で排除されたり差別されてはいけない』と規定されているので、 追加立法による不要な議論を防ぐべきだというのが共に民主党の公式な立場」と話し、論議を呼んだ。 「同性愛や同性婚のための追加立法が必要だと考えたことはない」とも述べた。

また、これに抗議する市民が2月16日、「大韓民国正しく立て直す」フォーラムに参加した文元代表の所に行き 「私は女性で同性愛者だが、私の人権を半々に切れるのか」と抗議すると、 文元代表は「後で話して欲しい」と言った。 文元代表は質疑応答の時間で「実効性の有無を別として、 差別禁止は(国家人権委員会法に)法制化されている」とし 「私が皆さんを説得すればわかりませんが、逆に私を何とか(説得)しようとしないでほしい」と話した。 これについて女性主義団体のピンクのスカートは 「文元代表も認めたように、国家人権委員会法は実効性が足りない」とし 「(法的強制力を持つ)差別禁止法はさらに多くの人権とさらに多くの民主主義のために、必ず制定されなければならない」と主張した。

トランスジェンダーだと明らかにした性的指向性自認法政策研究会のパク・ハニ活動家は 「差別禁止法制定が遅れている現実に抗議するために(文元代表を)訪ねて行ったが、 聴衆は『なぜこんな偉そうなことをするのか』と怒った」とし 「そこで行われたことは、不公平な韓国社会の縮小版」と伝えた。 パク・ハニ活動家は「国家人権委員会は、性少数者の95%はオンラインで嫌悪表現を味わったと明らかにしたし、 54%は友人から差別やいじめにあったと明らかにした」とし、差別禁止法の制定を要求した。

女性民友会のカン・エラン共同代表は 「広場はより良い民主主義に進めと叫んでいる」とし 「保守的視線、男性中心的視線ではなく、多様な少数者の視線が保障されなければならない」と話した。 彼女は差別禁止法が「基本的で当然の法案」だとし 「進歩を自任する候補者さえ、この法から距離を置いて躊躇する社会で、 どうすれば私たちがより良い民主主義に進むことができるのか」と文元代表を批判した。

差別禁止法制定連帯は 「われわれは今日(23日)、広場の戦いが差別されるすべての人の連帯の場になることを願い、 差別禁止法制定の声をさらに高める」とし 「新しい世の中を政治家に委託せず、差別禁止法を制定して平等な世の中を作ろう」と話した。

差別禁止法の制定に参加する市民社会団体は合計246団体だ。 人権運動サランバン、韓国女性民友会、ホームレス行動など市民団体116団体、 ソウル障害者差別撤廃連帯(43団体)、 性少数者差別反対ムジゲ行動(27団体)、 移住労働者差別撤廃と人権労働権実現のための共同行動(35団体)等が参加している。

[出処:キム・ハンジュ記者]

[出処:キム・ハンジュ記者]

[出処:キム・ハンジュ記者]

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2017-02-24 00:13:24 / Last modified on 2017-02-24 00:13:25 Copyright: Default


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