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生死の分かれ目に立った労働運動陣営の民衆候補戦術

7日の民主労総大会で『政治方針』決定...立場の違い狭まるか

ユン・ジヨン記者 2017.02.03 18:39

早期大統領選挙対応戦術をめぐる労働運動陣営の憂いが深まっている。 早ければ4月末にも予想される早期大統領選挙まで、残された時間は三か月ほど。 だが労働陣営の内部では、意見の衝突で大統領選挙対応戦術に合意できずにいる。 最初に「民衆競選」カードを持ち出した民主労総は、来る7日の代議員大会で最終政治方針を決める計画だが、 各政治勢力間での合意がなされない状態で、 反発が噴出する可能性も高い。

▲チャムセサン資料写真

大統領選挙『民衆単一候補』戦術は『同意』、『選挙連合政党』推進は内部議論

民主労総政治現場特別委(政治特別委)が出した政治、大統領選挙方針案は合計5種類。 主に、 △2017年大統領選挙に対応する民衆単一候補戦術の採択、 △2018年地方自治体選挙前に新しい進歩政党を合わせる選挙連合政党の推進、 △選挙連合政党のための労働者推進委員会などを骨子としている。 該当の議案は1月17日に開かれた中央執行委員会で全員一致で通過し、 来る2月7日の代議員大会での最終議決を控えている。

民主労総が強くドライブをかけた政治戦略議案だが、 結局各政治勢力の合意を引き出せなかった。 政治特別委は政治勢力との合意のために「政治連席会議」を構成し、 昨年11月17日から1月6日まで3回の会議を開いた。 政治連席会議には5つの進歩政党(労働党、緑色党、社会変革労働者党、民衆連合党、正義党)と 11の意見グループおよび団体(労働戦線、労働者連帯、全国会議、社会進歩連帯、左派労働者の会、現場労働者の会、現場実践連帯、セロハナ、新しい活動家組織準備会、公共現場会、民衆の夢)が参加した。 二回にわたり進歩政党懇談会も開いたが、結果として政治特別委の5つの案に合意を見ることに失敗した。

ほとんどが「民衆単一候補」という大統領選挙戦術には同意しているが、伏兵は「選挙連合政党」の推進だった。 選挙連合政党建設は、民主労働党から統合進歩党建設の流れを主導した労働陣営内右派陣営の要求だ。 民衆連合党と民衆の夢などは進歩政党の建設を主張している。 しかし政治連席会議に参加する左派陣営は、選挙連合政党案が廃棄されなければ大統領選挙への共同対応もできないという立場だ。 緑色党と現在、党内で大統領選候補の競選を行っている正義党も 「選挙連合政党」には批判的あるいは留保の立場だ。 民主労総の関係者は 「変革党、労働党、労働者連帯、労働戦線、左派労働者の会が選挙連合政党に反対した」とし 「緑色党も反対の立場を表明し、正義党は判断を留保している。 民主労総代議員大会の結果を見た後で立場を出すのではないかと思う」と説明した。

民主労総が出した「選挙連合政党」の趣旨は、2018年の地方自治体選挙での勝利だ。 候補一本化および共同闘争で組合員の混乱と進歩政治の分裂を防ぎ、 政党名簿投票などの戦術により選挙勝利の可能性を試みるということだ。 地方自治体選挙に対応する一時的な政党で、仮設政党の形態だ。 だが現実はそれほど甘くはない。 現行法上、「仮設政党」の形態の構成は不可能だ。 ひとつの屋根の下で選挙を行うのなら、5つの進歩政党が既存の党を解散した後、新しい(連合)政党を創党しなければならない。 事実上、新しい統合進歩政党の創党と違わないという指摘が出る理由だ。 もし地方自治体選挙後に連合政党が解散するとすれば、 各政党はまた創党手順を追わなければならない。 ある進歩政党の関係者は「仮設政党を構成するには不可能な構造」だとし 「事実上、統合進歩政党を構成しようということ」と説明した。

これまで労働運動陣営内では民主労働党-統合進歩党の破産についての評価と代案がなければ、同じ歴史が繰り返されると憂慮してきた。 別の民主労総関係者は 「統合進歩政党の歴史では、組合員を対象化した点、 政治勢力化についての現場での議論が不在だったという点を反省したことがあるのかと尋ねても、回答できる人はいない」と吐露した。 こうした流れから、政治特別委が上程した 「選挙連合政党のための労働者推進委員会」構成も争点になる。 進歩政党の関係者は「事実上、創党部隊を作るということではないか」と憂慮を現わした。

来る7日、生死の分かれ目に立った「民衆単一候補」戦術

民主労総大統領選挙戦術の議論が迷走し、労働党は早目に距離をおきはじめた。 李甲用労働党代表は1月23日、新年の辞で 「早期大統領選挙で労働党の独自候補戦術が必要だという点を主張する」とし、独自路線の意を表わした。 また李代表は「民主労総とわが党の面談で、私は候補選出の基準が曖昧であり、 現行法ではさまざまな組織が共に競選することができないという意見を伝えた」とし 「民衆候補の準備とは別個に労働党の候補を準備するという意見を伝えた」と明らかにした。

労働党だけでなく、変革党や左派勢力も民主労総の政治方針に対する共同の問題意識を共有している。 7日に予定されている民主労総の代議員大会では、左派陣営を中心として、 △選挙連合政党推進、 △選挙連合政党のための労働者推進委員会構成案を削除する修正案が上がってくる可能性が高い。 もし採決を通じて修正案が否決され、原案の採決が実施されると、 内部の反発で代議員大会自体が流会になる可能性も排除できない。

ここで最大の問題は、代議員大会そのものが流会する場合、次順位の議題に上程されている今年の民主労総の事業まで約束がなくなるという点だ。 その後に臨時代議員大会を開催するとしても、最低1か月以上かかる。 3-4月になってから大統領選挙の方針を決めるのは遅すぎる。 その時まで進歩政党が「民衆候補」だけをながめてスタンバイしている可能性も低い。 その上、民主労総はその期間に今年の事業計画を推進できなくなる。 大統領選挙空間で「鶏を追いかけていた犬が屋根を見つめる」ような形になるだろう。

こうした憂慮のため、先に今年の民主労総事業計画を扱おうという会順変更の要求も出てきている。 1日に開かれた民主労総中央執行委員会で、これについて議論があったが、 一部の中執委員の反対で失敗に終わった。 事実上、政治特別委の「選挙連合政党」貫徹を圧迫する戦術ではないかという批判もある。 代議員大会でも会順通過から議論になりそうだ。 民主労総内の右派陣営は「会順変更」、左派陣営は「政治戦略案」を阻止しようとする可能性が高い。

大統領選挙をめぐる不安な気勢、「政権交代論」も登場

これとは別個に民主労総の一部からは、「民衆競選」とは違う気流の大統領選挙対応の動きも表面化している。 金属、事務金融、建設、公共および地域組合員200余人は昨年12月、労働基盤福祉国家のための「社会連帯労働フォーラム」を発足させた。 常任代表にはムン・ソンヒョン前民主労働党代表、 常任運営委員長にはチョン・ヨンゴン前民主労総副委員長、 共同運営委員長にはペク・スンファン前金属産業連盟委員長が名前を連ねた。 キム・グァンシク、ユン・ヘモ、イ・ギョンフンなどの現代車支部長出身者たちも大挙の名前を連ねた。 彼らは出帆式の日、文在寅(ムン・ジェイン)元民主党代表を招請講師として招き、 今後、文元代表との政策協約を締結すると明らかにした。 労働者政治勢力化や独自的大統領選挙対応路線とは違い、「政権交代」に力をかけている雰囲気だ。 左派団体では「保守野党支持者が民主労総を民主党に捧げようとしている」と強く批判している。

社会変革労働者政党は声明を通じ 「労働運動の前現職指導者たちが野党圏連帯論を拡散する理由は、 野党圏連帯が彼らに『官職』を与えるため」とし 「労働基盤福祉国家を指向するという彼らは、その経路を文在寅(ムン・ジェイン)との連帯に探そうとしているが、 文在寅の行跡と政策のどこにも『労働基盤福祉国家』の痕跡はない」と批判した。 労働戦線も声明を発表し 「巨大なキャンドル闘争の成果を保守野党にごっそり差し出そうという、大変良い状況」とし 「野党候補の支持と政権交代運動は、いくら純粋で素朴な熱望を背景としているとしても、 歴史と労働者階級に対する罪悪であり背信にならざるをえない」と糾弾した。

社会連帯労働フォーラムは別としても、 一角で政権交代論の雰囲気が感知されていることも労働運動陣営の危機感を高めている。 民主労総の関係者は「1月19日に開かれた中央委でも、『まず朴槿恵を先に整理しよう』、 『(民主労総が)あまり欲張らないようにしよう』、 『落ち着いて待とう』等、 左右勢力とは無関係にこうした意見が形成された」と説明した。 このような状況で、民主労総の民衆単一候補戦術まで座礁すると、 民主労総は内部の保守野党大統領選挙運動を手をこまねいて眺めていなければならない境遇に置かれることになる。

一方、社会連帯労働フォーラムの核心関係者は 「(民衆競選立場について)民主労総代議員大会の決定事項を見守っている」とし 「われわれは各種の労働事案を社会連帯的方案で解決するため、政策協約を結ぼうということだ。 政党に加入したり、議席を得ようというようなことは過度な解釈」と説明した。 続いて「(民衆競選関連の)候補が最後まで完走するかについての争点もある。 最後まで行かないという見方も多いと理解しているが、 これはまさに政策協約、選挙連合をするということではないか。 そのような面で(私たちと)大差ない」とし 「87年の誤りをまた繰り返さないために、文在寅であれ、李在明であれ、安熙正であれ、沈(シム)サンジョンであれ、 その人を中心に力を集めなければならない」と強調した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2017-02-13 19:14:05 / Last modified on 2017-02-13 19:14:07 Copyright: Default

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