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化学物質の流出で避難したら作業場無断離脱で懲戒の危機

漏出事故の時に組合員を避難させたコンチネンタル支会長が懲戒委に回付

パク・タソル記者 2016.10.15 18:39

[出処:共に民主党韓貞愛議員室]

化学物質の漏出後に避難した職員に対し「事業場無断離脱」、「復帰命令拒否」のレッテルが貼られた。 会社の安易な態度を指摘すると、「虚偽事実流布」という懲戒項目が追加された。 セウォル号惨事以後「じっとしていろ」に対する抵抗は強まっている。 だが不当な指示は相変らずで、この指示に従わなければ懲戒されるケースは一二度ではない。

最近、サムスン・ギャラクシーの下請企業でメタノール中毒被害の事例が追加で発見されるなど、 明らかにならない有害物質中毒事件が指摘される中で起きた事件で、 さらに衝撃を与えている。

金属労組大田忠北支部コンチネンタル支会のチョ・ナムドク支会長は去る7月、 近隣工場で起きた化学物質流出事故の時に組合員を避難させたという理由で懲戒手続きを踏んでいる。 コンチネンタル使用者側は去る9月、チョ支会長が他の組合員たちと無断で事業場を離脱し、 会社の作業復帰要請に応じなかったという理由で懲戒委に回付した。 10月7日、1次懲戒委が開かれ、来る18日には2次懲戒委が開かれる。

事件があった去る7月26日午前7時56分頃、 工団内でチオビスという化学物質2本のドラム缶から300リットルが流出した。 チオビスはそれ自体で有害物質ではないが、有害物質である硫化水素が生成されるので注意して扱わなければならない物質だ。 チオビス流出直後、世宗消防署、世宗警察署が出動して被害状況を把握し、災難統制を始めた。 半径300メートルの範囲には避難命令が出された。 事故工場とコンチネンタルの地図上の直線距離は300メートル。 だがコンチネンタルには避難命令が出されなかった。 その上、コンチネンタルの職員は、ガス漏出事故について何の情報も聞けなかった。 インターネットニュースで近隣工場から化学物質が流出したことを知った。 職員は悪臭に気づき、管理者に流出した物質について尋ねたが「確認中」という回答しか得られなかった。

チョ・ナムドク支会長は午前10時40分、労働庁本庁に連絡してこのような事情を知らせ、 「作業中止を含み、すべての努力をつくしてくれ」と話した。 大田支庁勤労監督官は午前11時に会社に到着し、使用者側と労組と議論した末に 「現在、近隣事業場の一部がすべて避難した状況で、 会社も事前予防次元でこれを検討しなければならない」と提案したが、 使用者側は受諾しなかった。 そのため当時の安全管理責任者はチャムセサンとの通話で 「(勤労監督官は)勧告するだけで、避難命令を出す権限もない人だ。 消防防災庁長さんが(避難命令を)出せるが、勤労者を代表して一緒に行って問い合わせると、 避難する状況ではないという話を聞いた」と話した。

チョ・ナムドク支会長は当時の状況をこのように説明した。 「職員が使用者側に措置を取ってくれといったが、戻ってきた回答はひどいものだった。 管理者は『まだ誰も倒れておらず、症状もないのに、作業を中止する理由はない』と。 外から中に空気が入ってくる作業システムなので不安だった。 職員は右往左往し、午前11時頃に昼間作業中だった28人の組合員に避難しろと話した」

安全責任者が作業復帰を要請したが支会は断った。 避難後に目の痛みや胸焼けを感じた組合員たちは、近くの病院に行って診療を受けた。 流出事故に対する防災作業は午後4時に終了した。 使用者側は社内放送で知らせ、他の企業の労組の勤労者代表に伝えた。 使用者側は避難したコンチネンタル支会組合員28人には特に連絡しなかったといったが、 事件の3日後に出した公告で 「16時頃から誰も会社に復帰しなかった」と指摘した。 これについてチョ支会長は「状況が終結すれば労組に連絡をすべきだったが、 復帰しろという連絡もしなかった」と話した。

事件翌日、支会は当時の詳しい状況と共に安易な会社の態度を糾弾する声明を発表した。 7月28日には大田地方労働庁前で記者会見を行い、このような事実を暴露した。 すると使用者側は7月29日、ムン・テユン代表理事の名義で金属労組コンチネンタル支会が重大な社規違反行為を行ったとし、必ずその責任を問うという立場を発表した。 そして2か月後の9月29日、チョ・ナムドク支会長に虚偽事実流布による会社の名誉失墜などを追加し、懲戒委員会への出席要求書を送った。

金属労組法律院のパク・ヒョニ労務士は、むしろ使用者側が労働者の安全を守る義務に違反したと主張する。 パク労務士は「当時、他の作業場でも避難していたし、ガス漏出がニュースにもなった点などから推し量れば、労組が過度に誤認したとは見られない。 使用者側は勤労契約を締結しており、労働者の安全に配慮する基本的な負担を負うべきだが、 これを放棄したままで危険な環境で作業を続けろと指示したこと自体が違法と見られる」と話した。

パク労務士は「避難とは、事前に被害の発生を防ぐための努力だ。 結果として被害がないということで会社の行為を正当化することはできない。 化学物質の流出被害は直ちに身体上の問題として現れる場合もあるが、 累積して長期的な影響を及ぼす場合も多い」と話した。 続いて「急迫した状況になった時、個別の勤労者、あるいは彼らの代表団体である労働組合が直ちに作業中止権を行使して避難できるように、 作業中止権の発動主体を使用者から勤労者に移さなければならない」と助言した。

支会は10月18日に2次懲戒委が開かれれば、その結果を見守るという。 もし懲戒が確定すれば、使用者側を不当労働行為で告訴し、 解雇まで行けば解雇無効訴訟を進める計画だと明らかにした。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2016-10-18 20:29:24 / Last modified on 2016-10-18 20:29:25 Copyright: Default

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