本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:焼身まで呼んだ老人病院事態は何が問題か
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1454552921019St...
Status: published
View


清州市「法秩序確立」の裏

焼身まで呼んだ老人病院事態は何が問題か

2016-02-02 23時17分56秒|チョン・ジェウン記者

清州市が2月2日、「法秩序確立」の意志を明らかにした。 昨年6月に閉院で解雇された清州市老人専門病院(以下、老人病院)の労働者たちが 「市庁広場を占拠して焼身の威嚇を加えるなど、正常な市政業務をマヒ」させたという理由だ。

この日、28日間ハンストを続けていたクォン・オクチャ分会長(公共運輸労組医療連帯清州市老人専門病院分会)は、 雇用継承を要求して焼身を試みた。

市はまた、老人病院の労働者たちは雇用継承を主張しているが、 法にも合わないという。 弁護士に諮問を求めた結果、閉院した病院の場合、労働者の雇用そのものが断絶するので、 昨年12月に選ばれた新しい民間委託者のウィミョン医療財団には既存の労働者の雇用を継承する法的な義務はないという。

そのために市は新しい委託者に今年1月、 雇用継承を強制せず、勧告しかしなかった。

清州市老人病院TFチームの関係者は本紙との取材で 「老人病院の勤労者らは解雇者であって雇用関係がなく、 雇用継承という用語自体が適用されない」と話した。 市の他の関係者も 「雇用問題は使用者と勤労者間の契約問題なので、清州市が関与する部分ではない」とした。

「法による雇用継承を」

だが法制処は市の質問に対し、昨年10月26日に 「老人病院は社会福祉事業法と施行規則により、 市が雇用継承条項を含む委託契約を締結する義務がある」と回答したことが一歩遅れてわかった。

法制処は「老人病院は旧老人福祉法による老人福祉施設で、 社会福祉事業法による社会福祉施設」だとし 「社会福祉事業法第34条第4項により、社会福祉施設を委託して運営する時には、 その委託契約に『施設従事者の雇用継承に関する事項』を含む契約を締結するものとする」と明らかにした。

社会福祉事業法施行規則第21条の2第1項5の2号によれば、 市はこの法により労働者の雇用継承に関する事項を含む委託契約を締結しなければならない。

民主労総公共運輸労組法律院は 「老人病院は、社会福祉事業法で雇用継承が義務化されている」とし 「清州市は地方自治体として何よりも法令を遵守する義務があり、 また憲法と雇用保護を規定する勤労基準法に従って業務を執行しなければならない」と明らかにした。

法律院のキム・ヨングァン弁護士は 「老人病院が閉院をするかどうかとは無関係に、 市は委託契約を締結する時に雇用継承条項を用意する法律的義務がある」とし 「また、閉院の原因そのものが病院側にあるので、 勤労者に不利益を加える行為は不当だ」と話した。

しかし清州市が法制処の検討を隠蔽?

市はこうした法制処の法律的見解を事実上無視したものと見られる。 労働側によれば、市は昨年10月、法制処の見解を確認してから1か月後、 老人病院民間委託公告に雇用継承義務関連の内容を入れず、 新しい委託者が選ばれた後もこの内容を知らせなかった。

民主労総忠北本部は 「清州市は今まで法制処の回答内容を隠していた。 雇用継承について強制のない勧告しかできないとし、労組と市民社会団体を愚弄した。 市は労組幹部が1月6日に無期限ハンストに突入し、さらに集団同調ハンスト、糾弾集会など、 不必要な社会対立の費用を発生させた」と指摘する理由だ。

こうした状況で、市が1月22日に老人福祉法改正により老人病院条項を削除し、 療養病院に名称を変えるという条例改正を推進し、 「雇用継承契約締結義務そのものを避けようとする違法の意図」だという反発まで呼んだ。

法制処が老人福祉法改正にもかかわらず、 老人病院は旧法の適用が有効だと明らかにし、 条例を改正する理由がないためだ。

おかしな法解釈と「見解の差」

市は相変らず「雇用継承は義務ではない」という立場だ。 市の関係者は社会福祉法に関する法制処の見解にもかかわらず 「雇用継承は義務ではなく、委託契約時に入れろという意味でガイドラインと同じだ」と解釈した。

特に「市の主張のように雇用が断絶したとしても時期が遅れただけで、 委託契約は進行しているので雇用断絶の原因は閉院にあるのではないか」という質問には 「見解の差」と答えた。

市の関係者は 「市と前病院運営者と労組の3者ともに責任があり、善悪を問うのではない」が 「以前CCTVを見たが、勤労者が黄緑の労組チョッキを着て働いていたのを見て驚いた」と話した。 続いて「親が老人病院に入院していて、黄緑のチョッキを着て診療して看病していたら、 誰が喜ぶか?」と問い直した。

市がクォン分会長の焼身の試みの直後に 「不法デモに対する法秩序確立」次元で厳しく処断するという立場も、 事実関係が不明のようだ。

市の関係者は 「焼身未遂自体と市庁外で開かれた集会が不法デモだというのではない。 焼身未遂直後の午後2時30分頃、労組員が市庁広場でシュプレヒコールをあげたが、これは明白な不法」とし 「庁舎の中ではシュプレヒコールをあげるなどの集会をしてはならないので、 清州市が告発措置をしなくても警察側がするだろう」と話した。

市のこうした立場のとおりなら、 労組員がシュプレヒコールをあげた行為について 「市庁広場を占領して焼身の威嚇を加えるなどして正常な市政業務をマヒ」させたとするのは過度だ。

キム・ヨングァン弁護士は 「クォン分会長が焼身を試みて倒れ、他の人たちが不祥事を心配して見守ったりクォン分会長の周囲に座っていた。 警察はポリスラインを張り、他の一般民願人の不便は少ない状況だった」とし 「また、集示法による明白な事情がなければ偶発的な集会だとしても不法集会と断定することはできないという大法院の判例がある」と伝えた。

一方、清州市が国費など157億ウォンをかけて2009年に設立した老人病院は、 民間委託方式で運営されている。 これまでの受託者が昨年6月5日に一方的に閉院し、全職員が解雇された。 市はウィミョン医療財団を新しい民間委託者に選定したが、 これまでの委託者と新しい委託者の間の病院装備と設備引継費用に関して立場の違いが大きく、 2月1日開院の目標は失敗した。

原文(メディア忠清)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2016-02-04 11:28:41 / Last modified on 2016-02-04 11:30:41 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について