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警察、朴槿恵大統領風刺グラフィティ捜査開始

「財物損壊容疑を口実に表現の自由を侵害」の指摘

パク・チュンヨプ記者 2015.06.30 11:02

警察が朴槿恵(パク・クネ)大統領を風刺したグラフィティ掲示者の捜査に入った。 財物損壊の容疑だ。 グラフィティが掲示された建物のオーナーは申告していないため 「財物損壊容疑を口実に大統領風刺を摘発しようとしている」という指摘があがっている。

問題になったグラフィティは、英国のバンドSex Pistolsのアルバム・ジャケットに朴槿恵大統領の顔を入れたA4サイズの作品だという。 この作品は6月中旬頃、大邱市中区の大邱デパート近くのビルの外壁に6点が掲示され、 当日出動した警察がすべて除去した。

▲今回のグラフィティのコンセプトである英国バンド'Sex Pistols'のアルバム・ジャケット。[出処:flickr.com]

大邱中部警察署はグラフィティが財物損壊の疑いがあるとし、捜査を始めた。 中部署は作品が掲示された場所に近いCCTVの映像を確保し、掲示者を追跡した。 掲示者が市内のある酒場に入るのを確認した警察は、何度か該当の酒場を訪問し、捜査を行った。

中部署のイ・ギュヨン知能チーム長は 「申告された事件で容疑もあり、基礎調査の次元で捜査した。 財物損壊になるかもしれないが、名誉毀損かどうかは法律的検討が必要だ」とし 「関係者に今後発見したら連絡するよう協力を求めたが、 捜査が進まなければ通信も捜査しなければならない」と話した。

グラフィティ捜査の事実が伝えられると、 芸術界と法曹界は表現の自由を萎縮させかねないと憂慮を表わした。

大邱民芸総のハン・サンフン事務局長は 「なぜ今、芸術家が処罰の危険まで押し切ってまで朴槿恵朴正煕を描くのかに注目しなければならない」とし 「社会が統制され、情報が共有されず、 表現の自由が萎縮する状況に芸術家が反発している」と説明した。

続いて「大邱市にもグラフィティが無数にあるが、 朴槿恵朴正煕が登場しただけなのに過度な捜査だ。 意図が十分疑わしく、財物損壊容疑で捜査することが正当なのか疑わしい」と付け加えた。

大邱のある弁護士は 「財物損壊は所有者の意思に反する効用価値の毀損」とし 「当事者ではなく周辺からの問題提起を受けたと言って、 それについて警察が積極的に調査を始めるのは手続的で意図が疑わしい」と話した。

表現の自由が弾圧される社会は「危険」
「弾圧を加えて口止めする悪循環」

朴槿恵政権になってから、表現の自由は話題に浮上した。 大邱では2014年の世界エネルギー総会の会場近くで行われた市民のパフォーマンスを制止して国家損害賠償を請求し、 大邱市のカラフル祭りの時には送電塔反対パレードが阻止された。 続いて大邱市セヌリ党の前で朴槿恵批判ビラをまいた市民が押収捜索され、 ビラを製作した市民が拘束された事例もある。 また、朴正煕元大統領を風刺したグラフィティを描いた市民が罰金刑に処されている。

人権運動連帯のソ・チャンホ活動家は 「表現の自由は憲法が保障する市民の基本的な権利だ。 最近になって表現の自由を弾圧する事例が多いのは、 それだけ政治的な表現が多くなっているという背景を考慮しなければならない」と説明した。

続いて「朴槿恵政権が大衆の基本権を充足させられないのに、 反民主的、反人権的事例が現れていることへの怒りが表出されたという次元」とし 「怒りに対して反省も解決もしようとせず、逆に弾圧して口止めするという悪循環だ」と付け加えた。

付記
パク・チュンヨプ記者はニュースミンの記者です。この記事はニュースミンにも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2015-07-01 20:23:40 / Last modified on 2015-07-01 20:23:41 Copyright: Default

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