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進歩政治の統合には北朝鮮問題、社民主義で大きな差

差を狭めるのは不可能に見えた労働者政治勢力化討論会の争点
「社民主義、履行展望の実践的接近」 VS 「新自由主義時代に民族主権問題解決できず」

キム・ヨンウク記者 2014.11.26 18:22

北朝鮮問題と社会民主主義、労働者中心性の議題を扱った 「労働者政治勢力化の道を探す」三回目の討論会は、 進歩政党間の立場の違いが克明にあらわれた。 特に、現存する韓国院内進歩政党と民主労総の多くが進歩再編の有力な方案の一つと見ている進歩大統合は、 大統合が可能かどうかを超え、必ずするべきかという問題になるほど大きな差を見せた。

2011年の進歩大統合の時の論争よりも尖鋭で根本的な争点になった北朝鮮に対する態度の問題ではさらに深い谷が見え、 正義党の核心理念に位置付けられる社会民主主義路線の問題も妥協できる部分はなかった。 民主労総を求心として進歩政治勢力が集まり、大きな力を発揮して代案社会に進む努力は、 迫る公職選挙という現実的な条件でしか強制できないようだ。

北朝鮮問題「公安弾圧の道具、政派的攻撃の手段」 vs 「進歩と日常に与えた影響はあまり大きい」

11月25日、民主労総政治委員会の主催で開かれた 「第2期労働者政治勢力化の道探し連続討論会-第三回」の主題は 「進歩政党の理念は何か?」であった。 主な議論の事項は、北朝鮮問題、社民主義、労働者中心性の問題だった。 民主労総のイ・グノン政治委員長の司会で進められた討論会は、 労働党党員の韓神大社会学科ノ・チュンギ教授、統合進歩党進歩政策研究院パク・キョンスン副院長、正義党政策委趙承洙(チョ・スンス)議長が直接出て問題提起と相互討論を行った。 三人は北朝鮮問題に対する民主労働党-統合進歩党の態度の問題と社民主義問題をめぐり、鋭い立場の差を表わした。

北朝鮮問題をめぐって趙承洙議長は 「北朝鮮問題に対して国民的な視点から見れば、2つの相互矛盾が同時にある。 世界で例がない38度線を挟んで膨大な火力を集中させ敵対的な対峙をしている敵対的国家の関係であり、 もう一つは統一の対象として平和を定着させるべき交流協力の相手だという矛盾した関係」とし 「そのため南北関係はしばしば言われるように、韓国社会で独立の変数として存在している」と説明した。

趙承洙「北朝鮮問題が韓国の進歩運動に与えた影響は侮辱の次元を超える」

趙承洙議長は、 自分が2008年に朝鮮日報とのインタビューで発言したと言われる「従北」発言の議論について 「従北はない、従北という用語はとても侮辱的だから従北騒動といった」が、 「果たして進歩政党に従北的、あるいは親北朝鮮的な観点と活動はなかったか? (私は)存在したと思う」と述べた。 続いて「ある人たちには侮辱的に聞こえるかも知れないが、 韓国の進歩運動に与えた影響を考えると侮辱の次元を超えている」とし 「もっと深刻な問題は(従北問題が)今も進行している。 ただし南北関係や韓国内進歩陣営問題とは別個に北朝鮮との関係は平和的統一の相手なので、 非常に用心深く接近しなければならない」と付け加えた。

パク・キョンスン「親北や従北は抽象的概念...公安弾圧の道具」
民主労働党創党の宣言文を最小綱領にした進歩統合に言及

趙承洙議長の立場に対し、 パク・キョンスン副所長は従北の議論は公安弾圧攻勢であり、 強力な闘争で突破すべき問題だと強く反論した。

パク・キョンスン副院長は 「今、憲法裁判所での統合進歩党政党解散審判請求訴訟で、 黄教安(ファン・ギョアン)長官と李正姫(イ・ジョンヒ)代表の激しい法廷攻防が行なわれているのが現在の韓国政治の現実」とし 「進歩政党運動をするわれわれの現実がいかに難しいかが端的にあらわれている」と明らかにした。

パク・キョンスン副院長は 「進歩政党の分裂にはさまざまな要因があるが、核心的なものは親北勢力とは同じ党にいられないなどの従北攻勢だと見られる」とし 「歴史から教訓を得なければならない」と指摘した。 朴副院長は「親北や従北は非常に抽象的な概念だ。 従北神父、従北記者など、従北を媒介とする言葉がある」とし 「絶えず分断状況を道具化するために公安弾圧が行われ、 その定規が従北と親北であり、進歩が成長しない根本的な背景」と診断した。

続いて「われわれはアカの声を聞きながら労働運動をしてきたし、 監獄に行って従北攻勢を突破してきた。 進歩政党運動にもやはり、今日は統合進歩党、明日は正義党、あさっては労働党、 そんな形で従北攻勢を突きつける」とし 「従北という定規が明確な定規であれば避ければ良いが、そうではないから避けられない。 しかしこれを避けようとして親北と距離をおくというのは、事実上、 すべての進歩陣営運動を分断し分裂させる公安勢力の意図に受動的にまきこまれてしまう」と反論した。

彼は「従北攻勢を突破しなければ進歩の未来はない。 自主統一・平和統一勢力として分断勢力と正面から闘わなければならない」とし 「対北問題について国民と積極的に対話して、堂々とした姿勢で対処しなければならない」と強調した。

パク副院長は 「われわれは、北朝鮮を1991年の南北基本合意書の南北合意を基本として一つの国家を指向する過程で、特殊な関係として確立している」とし 「その点で提案するのだが、民主労働党創党宣言文の精神に立ち戻ることが(進歩勢力統合の)出発点だと思う」と提案した。 パク副所長は 「民主労働党の創党宣言文にある価値と理念なら、現段階で全ての進歩的政治勢力を団結させる共同の綱領にすることができる」と説明した。 一種の最小綱領で、まず意見の差が大きい争点を水面下に沈めて政治的に集まろうという提案だ。

ノ・チュンギ、「北朝鮮の問題を回避しては連帯と団結は不可能」
民主労働党創党の宣言文提案にも強く反対

ノ・チュンギ教授はパク・キョンスン副院長の提案に強く反対した。 ノ・チュンギ教授は 「民主労働党の創党宣言文に立ち戻る方法は、可能でもなく、望ましくもない」とし 「北朝鮮問題を正確に確認し、互いの差を確認して始めることを、この15年の失敗を繰り返すことなく失敗の経験から一歩進む契機にするべきだ。 創党精神でざっくり進めて、内部でことあるごとに意見の差が発生したのが民主労働党後半の経験だった」と明らかにした。

ノ・チュンギ教授は「北朝鮮問題は進歩政治でも労働政治でも、 私たちが政治をしようとするこの社会全体で一番重要な問題」とし 「2500万の人口と強力な軍事力、北朝鮮社会を動かす支配権力の問題を無視しては韓国で社会進歩運動はできない。 その点で、民主労働党の実験は議会制度権力という共通の目標のために双方の間で(北朝鮮問題の意見の差を)互いに容認し、 核実験、3代世襲、一心会問題で摩擦を起こし、 もう黙認できないという判定が2008年の分党となって現れた」と説明した。

続いて「従北議論は趙承洙議長が提起して問題になったのではなく、 朝鮮半島という南韓の社会において、民主変革と未来社会建設の過程で避けられない争点であり、 パク・キョンスン副所長の言葉の通り、われわれ内部で整理して終わる問題ではない」とし 「南韓の公安勢力が存在する状況で、進歩運動の独自の答で正確に説得しようとする努力をしなければ、 党建設や再編も難しい」と反論した。

また「北核、三代世襲、一心会事件などについて、果たして進歩運動がそれを容認したり黙認してやり過ごすことが進歩運動で可能なのかという質問が私たちの前にある」とし 「世襲問題だけを見ても、近代的民主社会で容認されないのに、そこに発言して答えることができなければ国民に対してどんな政治的プログラムを提示できるのかという問題になる。 北朝鮮問題を回避して連帯と団結は不可能で、進歩運動発展の障害になる」と付け加えた

北朝鮮問題が抽象的な問題ではなく、民衆の人生に直結する問題だという説明も続いた。 「われわれの子供たちは軍隊に行かなければならず、軍隊に行くと男性はマッチョになる。 軍隊のおかげで途方もない税金を払っても無償給食ができない重要な原因の一つになった。 予算がなくて福祉もパンクしているのに、米国の中古飛行機を高値で買い続けている。 時々北朝鮮が延坪島のような所を砲撃すれば、いくら進歩政治が動いても一発で吹き飛んでしまう。 われわれの人生と周辺に北朝鮮問題がある。 世界の資本主義国家でこれ程の問題を抱いているのはわが国しかないのに、 進歩政治運動の未来を見通し、進歩的価値でどんな判断をして立場を出すかが重要なカギであり事案だ」

ノ・チュンギ教授は特に 「北朝鮮問題は制度圏内の大衆進歩政党運動の政治路線とも連動している」とし 「87年以来、30年間進歩政治運動の足を引っ張ってきたいわゆる批判的支持の問題が、 まさに北朝鮮問題から出てくる」と診断し、他の発表者から集中的な反論を受けた。

独自の執権主体として進歩政党を設定するのではなく、 絶えず自由主義的野党と連帯し、保守-反北-親米勢力から権力を奪取しようという戦略路線の背景が北朝鮮問題にあるという主張だ。

ノ教授は「これまで民主労働党を引っ張ってきたいわゆる自民統勢力の主導的なグループの民族主義は、 もはや進歩的民族主義ではない」とし 「盧武鉉(ノ・ムヒョン)、金大中(キム・デジュン)政府の反新自由主義戦線と線を引かなければならない状況で、 われわれは北朝鮮問題で絶えず野党の補完勢力になっている」とも述べた。

パク・キョンスン「北朝鮮問題は運動圏内部の路線対立が内在...分派攻撃の手段」
「総選挙12議席を得た主な力は野党圏連帯だった」

こうした主張に対してパク・キョンスン副院長は 「北朝鮮問題は運動圏内部の路線対立が内在しているのであって、 国民が問題提起し困惑させる問題ではない。 政派的な攻撃の手段として活用されてきた」と強く反論した。

パク・キョンスン副院長は 「2010年(3代世襲議論の当時)わが党が国民から深刻な非難を受け糾弾されたとすれば、 果たしてその後に柳時敏(ユ・シミン)、沈(シム)サンジョン、魯会燦(ノ・フェチャン)との統合が可能だっただろうか」とし 「この問題は従北、親北ではなく、内部で問題になったし、 政権が弾圧の口実に使った」と強調した。

また民主大連合の議論についても 「正義党も野党圏連帯を基本戦略として追求している」とし 「実際、統合進歩党や正義党は合法政党として、どのように議席を増やすかで悩んでいる。 運動圏政党で議会の外だけで活動するのならともかく、議会に進出して広範囲な労働政治をするためには議席を増やす戦略を進めなければならない。 2012年の総選挙で12議席を得た主な力も野党圏連帯だった」と反論した。

パク副院長は「野党圏連帯の対象である民主党(新政治連合)はとても二重的で矛盾的な存在」とし 「盧武鉉政権は新自由主義勢力だが、他方、李明博・朴槿恵政権の民主主義戦線で一緒に闘争した仲間でもあった。 この問題と北朝鮮問題を直接つなげるのも正しくなく、 合法政党の人々の現実的な苦痛を解決する政治的選択だったと見て考慮しなければならない」と説明した。

趙承洙「2004年以後の民主大連合は戦略ではなく戦術の問題」

趙承洙(チョ・スンス)議長は野党圏連帯の必要性については、パク・キョンスン副所長と似た立場を取った。 彼は「進歩政治再編と統一は必要だと思う。 私も進歩新党から統合進歩党に行った部分についてあえて説明すれば、 現実政治の必要性からだった」とし 「2012年の民主大連合が北朝鮮問題に起因するという主張は理解できない。 87年以後続けてきた批判的支持の延長線とではない」とノ・チュンギ教授と線を引いた。

趙承洙議長は「民主大連合の問題は2000年の民主労働党創党前と後では明確に違う。 2002年までの独自的政治勢力化は戦略的課題だったとすれば、 2004年の院内進出後、国民はすでに民主労働党を独特の既成政治勢力の一つと見た」とし 「2004年からは民主大連合が戦術の問題でだめになった。 必要により候補一本化や野党圏連帯、共同政府はできる。 それが戦略と価値の問題で、一緒に進歩政党をする基準と見るのは納得できない」と反論した。

しかし趙承洙議長は北朝鮮問題については、パク・キョンスン副院長と明確に線を引いた。 チョ議長は「パク・キョンスン副所長は従北と親北が抽象的だというが、本当に抽象的だっただろうか?」と反問し 「初めは政派内部の対立から始まったが、結局時間が経ち北の核実験に対して曖昧な表現することなどを国民が見た。 従北・親北は単に公安のフレームとだけ見るのは討論が不可能な地点に行くことになる」と指摘した。

社会民主主義路線、進歩政党間の大きな差に浮上

北朝鮮問題の討論が終わり、二番目の争点である社会民主主義問題でも、 三人の意見は鋭く対立した。

趙承洙議長は 「最近の党員への調査の結果、理念的座標で社会民主主義が50.7%になり、 1年前の調査でもほとんど同じだった」と明らかにした。

趙議長は「社民主義は変革的勢力による所有に関する核心内容を認め、市場の調節と統制だけでは限界があり、 一歩踏み込んで資本家階級思想という表現が登場するほど、資本主義を克服する展望がなく、 限界が明らかな思想であると理解している」が、 「資本主義の克服に関する計画と実践ビジョンがないから改良だと言うことは、 論理的な意味はあっても実践的にどんな意味があるのかと思う」と指摘した。

彼は「わが国は実践的に普遍福祉の入り口の段階に入っている」とし 「福祉の強化は少なくとも韓国政治の中心的な話題で、 選挙のたびに社会的・政治的に重要な争点になるので、 社民主義的な立場としては非常に重要だ」と強調した。

趙議長は履行の展望があるのかという問題には実践的に意味がないという自分の主張に関し 「どこまで市場統制をするのかを見れば所有の問題が浮上し、所有から生じる問題として接近できるので、 今の段階では履行の展望がないから改良主義には限界があると言ってしまえば、どんな実践的な意味があるのかと思う」とし 「市場をいかに適切に統制し、規律して福祉に進むかが相当期間、核心的な課題になって、履行の展望は実践的に接近しなければならない」と説明した。

パク・キョンスン副院長は「社民主義が追求するのは福祉国家の建設に参照するところが多い政策であり、 社民主義政治的な指向を持つ人たちと共に進歩運動を切り開くべきだと見る」が、 「ただし社民主義を進歩政党の理念として提示するのはさまざまな面で不適切だ」と線を引いた。

パク副院長は「社民主義の核心理念と戦略路線は、労使政3者のコーポラティズム体制による福祉国家の建設が核心」とし 「こうした履行の経路はわれわれの現実に合わない。 労使政が対等な協力体制ではないうえに、西欧の民主主義の土台と違い、 財閥体制擁護という新しい屈従体制に転落する」と指摘した。

特にパク副院長は社民主義の理念が国と民族の主権の問題により、 新自由主義グローバリズムの時代を克服する代案としては適切ではないといった。 パク副院長は「今は帝国主義独占資本の侵奪が幅広く展開する歴史的時代であり、 従属的新自由主義の時代」とし 「世界的範疇で国と国、企業間戦争の時代と見れば、 国と民族の主権の問題がいつよりも重要な問題に再浮上している」と前提にした。

続いて「新自由主義を克服するためにはベネズエラや南米のように主権問題を確立せず、 帝国主義的独占資本と戦う政治的力量を構築するのは難しい」とし 「その点で社民主義は国の自主権の問題を含むビジョンを提示できずにいる。 国の主権の問題が重く提起される新自由主義時代に(党理念として)適切ではないと見る」と明らかにした。

ノ・チュンギ教授は「西欧は第2次大戦を経て産別労組が強硬に確立し、 産別労組の圧倒的な支援で制度政党としての社会民主党の政治的進出の経路を持っているが、 韓国のグローバル新自由主義でそのような戦略的地形があるかという理論的な問題だけではない」とし 「そのような戦略的指向なく社民主義にかけるのは考慮する地点がとても多いようだ」と明らかにした。

続いて「労働政治観点で社民主義は両ウイング論という独特のシステムで、 労組は経済主義的運動に転落する傾向が明らかで、 団体交渉中心の活動に縛り付けられ、政党は議会主義で票をできるだけ多く得ることが最善になる」とし 「それで社民主義政党は20世紀後半の社会主義綱領をすべて捨てて官僚化し、 新自由主義を受け入れる重要な政治的な契機になった。 社民主義の労働組合モデルに両翼で行く可能性があり、 検討し直さなければならない」と指摘した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-11-27 20:12:06 / Last modified on 2014-11-27 20:12:07 Copyright: Default

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