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放射能非常警戒区域に蔚山5つの区郡すべてが含まれる

蔚山市、法改正しても来年度当初予算には反映せず

ヨン・ソンノク記者 2014.11.26 11:02

5月21日に改正された「原子力施設などの防護および放射能防災対策法(以下 放射能防災法)」と原子力安全法が11月22日に施行された。 蔚山市と蔚山5区郡は、非常警戒区域の拡大に対応する来年度当初予算案を編成しなかった。 放射能防災に関しては原安委が指揮権限を握っているが、蔚山市の対処が遅れているという。 蔚山は法改正で5区郡のほとんどの地域が放射能非常警戒区域に含まれる。 前の選挙で市民の安全を最優先にするという蔚山市が中央政府指針だけを待っている局面だ。

放射能防災法の改正により、原子力発電所放射非常警戒区域はこれまでは単一区域(8〜10km)だったが、 予防的保護措置区域(3〜5km)、緊急保護措置計画区域(20〜30km)に細分化される。 甲状腺防護薬品備蓄、警報施設、環境監視設備などの防災基盤も変わる。

蔚山市は放射非常警戒区域の変更により、立法予告期間の来年5月21日までに区域を再設定し、原安委との協議を経て非常警戒区域を確定する。 非常警戒区域は既に新古里原発の最近隣接地域である西生面のシン里、シナム、ミョンサン、ヨンサン村、 温陽邑のナムチャンとチナ、トクシン側までだった。 今回の法改正により、非常警戒区域には温山工団全体と東区地域全体を含む北区と南区もほとんどが含まれる。

甲状腺防護薬品備蓄範囲はこれまでは原発から半径16kmだったが、原発から半径30kmにまで拡大する。 防災訓練の周期は4年から2年に短縮され、地方自治体ごとに毎年、住民保護訓練を実施することになる。

原子力安全法の改正により、規制の対象は原発事業者である韓国水力原子力(株)をはじめ、 供給者(部品設計・製作業者)、性能検証機関にまで拡大する。 原発の性能検証管理はこれまでは原発事業者団体が行っていたが、原安委が原発事業者と利害関係がない機関を性能検証管理機関に指定する。 原発の許可基準に満たない事項が発見されれば原発事業者と供給者、性能検証機関はその内容を必ず原安委に報告しなければならない。

原発の部品で非適合事項が摘発されれば、原子力分野はこれまで5千万ウォンだった課徴金が50億ウォン、放射能分野は5億ウォンに強化される。 これまで発注元は放射線作業従事者には安全措置義務がなかったが、これからは安全な作業環境を提供する義務がある。 原発事業の非適合内容を申告すると報奨金は1人当り最大10億ウォンになる。

蔚州郡の放射能防災合同連合訓練は
準備の過程から蔚山市と関連機関の業務分担が必要

古里や新古里原子力発電所で放射能漏出事故が発生し、実際に赤色非常の状況が発動すれば、 蔚州郡西生面シルリ村で暮らす住民は、まず村集結地のシルリ村会館に集まる。 次の集結地は西生駅だ。 シルリ村の救護所は蔚州郡クヨン小学校と指定されている。 住民がバスに乗って移動するか、列車で移動するかは関連機関との協力体系により違う。 村里長は住民が集まれば村会館に保管されている防護装具(保護服、防毒マスク)と防護薬品を住民に配る。

▲蔚州郡温陽体育公園の放射能検査除染所と現場応急医療所。11月20日に実施した「2014古里放射能防災連合訓練」の場面(c)ヨン・ソンノク記者

蔚州郡は11月20日に「2014古里放射能防災連合訓練」を実施した。 今回の訓練には住民約500人が観光バス10数台に分乗し、蔚州郡民体育館1か所に待避した。

現在、原発事故の時に住民が集まる場所は、原発から10km以内に84か所、待避する救護所は南区と蔚州郡の西部地域の一線学校の51か所だ。 今回の訓練では7つの村に集まり、1か所に待避した。 訓練は古里原発の放射線非常状態を白色非常、青色非常、赤色非常を経て、住民避難まで進めた。

放射能漏出事故がおきれば、原子力安全委員会(原安委)と蔚州郡は住民を屋内に待避させるのか、救護所に避難させるのかを判断しなければならない。 軽微な事故なら屋内退避で終わるが、状況が深刻なら住民を安全な場所に避難させることが重要だ。 それでも避難できない住民のために、放射線非常診療所を運営するなど、医療機関との協力も必須だ。

蔚州郡は村単位で原発周辺10km以内に居住する約5万5千人に保護服を支給したという。 しかし各村は保護服と防毒マスクなどを各世帯に配ると紛失の慮れがあるので、各村会館や村役場などで保管する。 一部では個人の支払いを主張している。 爆発事故が発生すれば集団避難ではなく、個人が対応する可能性が高いので、個人に支給すべきだという主張にも説得力がある。 蔚山市の関係者は深刻な事故が起きれば、防護服を着るよりも安全な場所に避難するほうが重要だと強調した。

蔚州郡の放射能防災担当者は、蔚州郡の担当者2〜3人が訓練の準備を行い、困難があったといった。 実際、蔚州郡は初中高等学校51か所の救護所を指定する時も、教育部の助けは受けられなかった。 郡公務員がいちいち一線の学校を訪問して救護所の指定を協議した。 救護所で使われる一線学校に協調を求めるなど、円滑な訓練と実戦対応のためには全体の指揮を原安委と蔚山市がしなければならない。

蔚州郡は今回の放射能防災訓練計画を今年1月から準備してきた。 訓練の当日には辛璋烈(シン・ジャンニョル)蔚州郡守が蔚州郡放射能防災対策本部長として訓練を指揮した。 今回の古里原発放射能防災連合訓練には、 原子力安全委員会、韓国原子力安全技術院、韓国原子力医学院、原発古里地域事務所、蔚山広域市、軍・警・消防、教育庁など、 20ほどの機関が参加した。

付記
ヨン・ソンノク記者は蔚山ジャーナルの記者です。この記事は蔚山ジャーナルにも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


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