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性少数者ヘイトスピーチ、「表現の自由」ではなく「暴力」

ソウル市民人権憲章討論会で溢れた「性少数者嫌悪」発言

カン・ヘミン記者 2014.10.23 17:05

▲22日現在、ソウル市のウェブサイト「ソウル市民人権憲章私も一言」の掲示板は「同性愛を擁護する人権憲章に反対する」という題の掲示物で連日埋め尽くされている。[出処:ビーマイナー]

10月17日、ソウル市城北区庁で開かれたソウル市民人権憲章制定のための江北地域討論会は、 性少数者の人権条項をめぐり激しい言い争いがあり修羅場になった。 「人権」憲章を作るために集まった場で、同性愛者をはじめとする性少数者の人生そのものを卑下し罪悪視する主張があふれたためだ。 こうした主張をした一部の市民は、性少数者の人権を擁護する市民と強い語調で対立し、 性少数者に対する非難と嫌悪の言葉をためらいなく吐き出した。

これは初めてではなかった。 9月30日に江南地域で開かれたソウル市民人権憲章討論会でも、 性少数者の人権を否定する人々が参加し、性少数者人権を保障する条項は「毒素条項」だとして人権憲章の廃棄を主張した。 現在、ソウル市のウェブサイト「ソウル市民人権憲章私も一言」の掲示板には 「同性愛を擁護する人権憲章に反対する」という題の掲示物で連日埋め尽くされている。

前にも似たようなことがあった。 2011年にソウル学生人権条例を作った時も、 性的指向と妊娠・出産の自由の部分について一部のキリスト教団体の反発が深刻だった。 性的指向の差別禁止といった社会的少数者の人権を保障する差別禁止法も、 2007年から今までいつも「嫌悪の壁」に突き当り、制定も出来ない状態だ。

ソウル市は、ソウル市民人権憲章を作るために6月から市民委員150人、 人権専門家30人などで市民委員会を構成して人権憲章の草案を作り、 江南、江北地域別に討論会などを開き人権憲章を仕上げている。 12月10日の世界人権宣言の日に合わせ、ソウル市民人権憲章を発表する計画だ。

▲性少数者の人権を支持し、嫌悪に反対する市民社会団体は10月22日午前11時、ソウル市庁前で記者会見を行って性少数者に対する嫌悪は「表現の自由」でないことを警告した。[出処:ビーマイナー]

こうした雰囲気の中で10月22日午前、 性少数者人権を守るために活動してきた人々がソウル市庁前に集まって口を開いた。 彼らは「性少数者の人権を支持して嫌悪に反対する市民社会団体一同」の名前で記者会見を行い、 性少数者に対する嫌悪は「表現の自由」ではないと警告した。

彼らは「国家人権委員会法とソウル市学生人権条例などに 『性的指向および性別アイデンティティによる差別の禁止』という条項が存在するのに、 ソウル市民人権憲章に性少数者の人権保障についての内容が含まれなければ、 これは嫌悪勢力に屈服した「人権なき人権憲章」でしかない」とし 「ヘイトスピーチを『意見』と受け止めれば暴力を容認するようなものだ。 『表現の自由』という人権の言語で少数者の人権を侵害し、 『意見』の名で暴力を許容してはならない」と明らかにした。

ソムドル香隣教会のイム・ボラ牧師は 「性少数者嫌悪勢力は、生命の尊厳を抹殺して破壊する者であり、 そのような暴力を振るう人に与える寛容はない」とし 「人権憲章に性別アイデンティティ、性的指向が明示することからは一歩も退けない」ときっぱりと明らかにした。

公益人権弁護士の会希望を作る法所属のリュ・ミニ弁護士は 「韓国が国内法として認める『市民的・政治的権利に関する国際規約(自由権規約)』で、性的指向は必ず保護される差別理由」とし 「自由権規約の20条2項によれば、性少数者嫌悪勢力は表現の自由では保護されない」と指摘した。 自由権規約20条2項では「差別、敵意又は暴力の扇動となる国民的、人種的又は宗教的憎悪の唱道は、法律で禁止する」と明示されている。

リュ弁護士は「来年、ジュネーブで韓国の自由権規約の審議がある。 こうした嫌悪勢力の存在と、これに対する地方政府の態度を国際社会にはっきりと知らせる」とし 「性的指向条項を削除したソウル市民人権憲章を、人権と基本権を保障する文書として広報することは有り得ない。これを座視しない」と警告した。

付記
カン・ヘミン記者はビーマイナー記者です。この記事はビーマイナーにも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-10-24 04:43:52 / Last modified on 2014-10-24 04:43:53 Copyright: Default

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