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与党強硬派を越えられなかった中途半端なセウォル号法に野党が劇的合意

家族対策委は合意案を拒否...セヌリ党は最後まで特検推薦に遺族の参加除外を貫徹

キム・ヨンウク記者 2014.09.30 21:28

9月30日夜、セヌリ党と新政治民主連合がセウォル号特別法に合意した。 セウォル号惨事から167日間、数回の屈曲を経験した特別法は、 妥結そのものは劇的だが、 遺族の特別検事推薦過程への参加を拒否したセヌリ党強硬派の壁を越えられない中途半端な法案になった。 セウォル号家族対策委は与野妥結案を拒否することにした。

▲30日午前与-野党-家族対策委3者会見で李完九院内代表とチョン・ミョンソン家族対策委員長が舌戦をしている。

両党はまず一番の争点だった特別検事推薦関連の問題をめぐり、 8月19日の2次合意案を基本前提としながら、 これに追加で「両党の合意の下に4人の特別検事候補群を特別検事候補推薦委員会に提示する」と合意した。

当初、2次合意案は7人の特検候補推薦委員のうち与党枠の2人について 事前に野党と遺族の同意を受けることにしていた。 このようにして構成された推薦委員会で特検候補を推薦する時も、 野党の同意を受け、4人の候補群を提示することにして、 一種の2次検証の過程を作ったわけだ。

だが2次合意案そのものが特検候補推薦委の構成で問題になる余地が多いうえ、 特検候補推薦の過程でも退屈な合意過程を経るように設計されており、 迅速な捜査突入や権力の顔色を見ない候補の推薦が容易ではなくなる可能性が高い。 こうした指摘が出ることに備え、両党は特別検事候補群の選定においては 政治的な中立性を保障できない候補は除くことにしたが、 どの程度実効性があるかは疑問だ。 交渉終盤まで争点になった遺族の特別検事候補群推薦参加については、 今後議論することにしたが、実効性の議論をさらにあおることになりそうだ。

▲30日午前、与-野-遺族対策委の3者会見直後に与野が交渉に入った。

与党、金在原が提示した遺族除外のマジノ線を最後まで貫徹

このような中途半端な案が出てきたのは、 新政治連合が提示し、遺族が圧倒的に賛成した案に、 セヌリ党の強硬派が最後まで反対したためだ。 特に金在原(キム・ジェウォン)院内首席副代表は9月30日午前、与-野-遺族の3者協議と両党交渉が決裂した後に開かれた議員総会で、 野党提示案を強硬に拒否し、自分が受け入れられるマジノ線を公開した。 実際に最終的に妥結した合意案は、この議員総会で金在原首席が提示したマジノ線で妥結した。

金在原首席は議員総会で 「野党は特検候補推薦委で特検候補を選ぶ時、 遺族と与党野党が合意した4人のうち特検候補二人を選定しろという案を提示したが、 この案は特検候補推薦委員会が無力化され、 特検候補推薦委員をカカシにする案だと考える。 絶対に受け入れられない」と声を高めた。

金在原首席は続いて 「百歩譲って、与党と野党が合意した4人のうち、特検候補推薦委が二人の特検候補を選び、大統領に推薦すれば、その程度は何とか法理上では可能かもしれない」とし 「遺族が特検候補選定に直接関与するのは絶対に受け入れない。 被害者が特検を推薦する例は私は見つけることができなかった」と遺族の除外を強く要求した。 先立って朱豪英(チュ・ホヨン)政策委議長、権性東(クォン・ソンドン)議員などのセヌリ党強硬派は、 主要党役員会議でも遺族総会で通過した新政治連合提示案を強硬に反対した。

結局、野党は与党強硬派の声を越えられず、 逆に金在原首席が議員総会でガイドラインとして提示した遺族除外案で遺族を説得する過程を選択した。 鄭義和(チョン・ウィファ)国会議長が本会議を一回延期して国会登院に圧力をかけたうえ、 与-野-遺族の3者協議まで行った状況で、これ以上登院を拒否するのは難しいと判断したわけだ。 鄭義和議長が午後2時に本会議を予告した状況で開かれた新政治連合緊急議員総会でも、 国会登院の意見が多かった。

新政治連合の朴洙賢(パク・スヒョン)報道担当者は 「遺族を排除しなければならないというセヌリ党の要求に対し、 文喜相委員長は、『遺族の自尊心とつらい気持ちに対する礼遇などを私たちが下ろせば、 野党が遺族の意見を十分に代理して反映する構造にはなるので、 これが大きな決裂の争点になるだろうか』という趣旨で話した」とし、 金在原首席が言及したマジノ線を受け入れる可能性があることを示唆した。

セウォル号家族対策委は協議案を拒否、長期戦へ

セウォル号家族対策委は与野合意案の発表後に拒否する意志を明らかにした。 家族対策委のユ・ギョングン報道担当者は 「家族を完全に排除して、逆に与党がさらに特検の中立性を阻害する結果を持ってきたと判断する。 合意案を受け入れない」と明らかにした。

家族対策委によれば、新政治連合は与-野-遺族の合意で4人の特検候補群を選定し、 特検推薦委員で2人を最終的に推薦して青瓦台に上げる方式を下限線として交渉に入ることにした。 だが野党は遺族の反対にもかかわらず、提示案の範囲を越えた交渉で妥結させたということだ。

遺族の内部では、朴槿恵政権では真相究明は事実上難しいとみて、 次の政権まで長期的な戦いを準備しなければならないという声も上がっている。

進歩政党「遺族の同意、国民的合意からほど遠い責任逃れの合意」

進歩政党も合意案には問題が多いと批判した。 統合進歩党議員団は合意案発表直後に記者会見を行って 「与野院内代表の交渉結果はセウォル号遺族の要求とはあまりにもかけ離れている」とし 「起訴権・捜査権保障はともかく、 特検推薦の過程に遺族の参加も認めない今回の合意案に遺族が同意するのは難しいと見られる」と指摘した。

また「遺族の要求がまた無視された現実がみじめだ。 見かけだけの『民生国会』を理由にセウォル号遺族を無視し、 本会議の開会を急いだ巨大両党の動きには決して同意できない」と本会議不参加を宣言した。

正義党のキム・ジョンミン報道担当者もブリーフィングで 「理解できない合意案が出てきた。 遺族の同意、国民的合意からはほど遠い巨大両党の責任逃れ合意案」だと批判した。 キム報道担当者は「今回の合意案は、 捜査権、起訴権保障とはほど遠い常設特検の変容に過ぎない」とし 「遺族の同意を保障することがセウォル号特別法の核心中の核心だが、 これがない合意案はアンコのないまんじゅう」だと指摘した。

なお両党は合意案発表後に本会議を開き、91本の法案処理に突入した。 両党はセウォル号特別法の国会本会議処理は、 政府組織法と別名「兪炳彦法」と共に10月末までに処理することにした。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-10-01 07:25:45 / Last modified on 2014-10-01 07:25:46 Copyright: Default

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