セウォル号、野党は捜査・起訴権譲歩へ―与党は特検法譲歩の雰囲気に

文在寅、「与党が特検で信頼を見せれば捜査・起訴権の譲歩を説得する」

先週末、新政治民主連合の非常対策委員会が組まれて本格的な活動に突入し、 セウォル号特別法に対する与野譲歩案が糸口をつかむ雰囲気だ。 主に言及される与野譲歩案の内容は、野党が捜査権と起訴権を譲歩し、 与党が特検推薦方式などを譲歩する案だ。

すでに新政治連合の文喜相(ムン・ヒサン)非対委員長が遺族の了解に言及したうえ、 大統領選候補だった文在寅(ムン・ジェイン)議員も野党の捜査・起訴権の譲歩と与党の特検関連の譲歩に言及した。

新政治連合非常対策委員の文在寅議員は9月22日の1次非常対策委員会の会議で 「セウォル号特別法は与党も誠意を見せるべきだ」とし 「遺族が捜査権と起訴権を譲歩すれば、セヌリ党は特検に対する信頼をどう保障するのか、その代案を出さなければならない。 そうすればわが党と私が遺族を説得する」と明らかにした。 また「与党は朴槿恵(パク・クネ)大統領のガイドラインを越えなければならない」とし 「セウォル号特別法を解決できなければ、与野ともに国会議員をやめるという非常な覚悟で臨まなければならない」と強調した。

文在寅議員のこうした発言は、 野党が遺族に対する譲歩を引き出すから与党も朴大統領がガイドラインで提示された第二回交渉案の特検推薦方式などで譲歩するべきだという意味で読まれる。

文喜相非対委員長も 「非常対策委は早い内に遺族が同意できる、少なくとも了解するセウォル号特別法案制定に最善を尽くす」と 再度「了解」を拠論して遺族の説得に動く意志を表わした。

朴映宣(パク・ヨンソン)院内代表も 「セヌリ党が今するべきことは、青瓦台のロボットを自任して国民を分裂させるのではなく、 セウォル号惨事の真相究明のための特別法を早く制定するように進展した代案を提示すること」だと譲歩を要求した。

非常対策委員の丁世均(チョン・セギュン)議員は 「野党には損害を受けたり、死ぬことが明らかに分かっていても、まるで運命のように行くしかないこともある。 セウォル号真相究明法もその範疇に属する」とし 「セウォル号真相究明に対する大統領とセヌリ党の明らかな立場が確認されただけに、 今はもう真相究明のために鮮明な長期戦を準備しなければならない。 それでもだめなら、新政治連合が議会権力を取り戻した後でもセウォル号真相究明特別法はきちんと作らなければならない」と述べた。 与党の譲歩がなければ長期戦も辞さないということだ。

セヌリ党は原則的に二回の交渉以上は譲歩できないという立場だが、 党内の一部では野党が捜査・起訴権を譲歩すれば追加交渉を拒否するのは難しいという雰囲気だ。 与党としても詰まっている国会を至急に解かなければならないからだ。 したがって、政界では新任の文喜相非対委員長と金武星(キム・ムソン)セヌリ党党代表の会見が行われれば、 以後の交渉はどんな方法であれ急流に乗るかもしれないという期待が高まっている。

ひとまず文喜相委員長は9月22日午後4時に非対委員長就任後の挨拶を兼ねて金武星党代表室を訪問することにした。 柳基洪(ユ・ギホン)首席報道担当者はこの日の会見が本格的な懸案を議論するものというよりも、挨拶のための顔合わせだと強調した。 中途半端な協議案を出して、朴映宣院内代表がセウォル号特別法交渉過程で見せた前てつを踏まないということだ。 柳基洪報道担当者は「文喜相委員長が遺族対策委の新役員とも対話しなければならず、 議員とも意見を交わした後に本格的な交渉ができるのではないか」、 「二人の代表はとても議員活動を長く一緒にしてきたので、(会見の)過程で共感などをするかもしれない」と話した。

こうした与野の相互譲歩によるセウォル号特別法の打開は、セウォル号遺族側でもある程度言及されている。 セウォル号遺族ユミンのお父さん、キム・ヨンオ氏はこの日午前のCBSラジオとのインタビューで 「特別法に捜査権、起訴権を付与しないようにするなら、特検により捜査権と起訴権に準じる他の法案でも提示して、私たちの了解を求めてほしい」と述べた。 真相調査委に捜査権と起訴権が受け入れられなければ、 それに準じる程度の代案を持ってきて了解を求めれば相談してもいいという意味だ。

キム・ヨンオ氏は「(与党が)真相調査委員会に捜査権と起訴権を与えず、 特検でするというので、それなら特検ででも捜査権と起訴権に準じる他の法案でも提示してくれということ」とし 「与党の推薦権を私たちが推薦するような話が行き来している」と伝えた。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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