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警察セウォル号遺族侮辱など強力摘発、みすぼらしい成績

千人動員モニターして2人を実刑...政治家の処罰はなく

チョン・ジェウン記者 2014.09.02 15:22

全国のサイバー捜査要員1038人を動員し、セウォル号惨事に関する「流言飛語、遺族侮辱」などについて大々的に摘発していると警察は明らかにしたが、 遺族に対する名誉毀損は続いている。 警察庁は、セウォル号惨事発生の翌日から個人査察、人権侵害議論まで起こして 内偵着手、削除要請などの大々的な摘発を繰り広げ、司法処理する立場を明らかにした。 4月17日から5月7日までの20日間に合計18回ほど報道資料を配ってセウォル号惨事関連の流言飛語との戦争を宣言した。

警察は流言飛語流布行為について 「家族を傷つけ、虚偽申告などで捜索・救助作業に支障を招く」、 「遺族に大きな傷をつけ、国民の公憤を誘う怪談」と規定した。 5月6日までの8日間に悪性流言飛語事犯合計39人を検挙(拘束2人)し、 118件を内偵中だと5月7日に明らかにした。 その後、内偵事件について「ずっと(内偵が)進行中だが、別に報道資料を出さないことにした」と警察関係者は明らかにした。

9月2日までにオンライン流言飛語流布容疑で2人に実刑が宣告されている。 警察はキム某氏が民間潜水士を装い、海上警察が救助を妨害したという内容の文をSNSを通じて流布したとし、 名誉毀損容疑で4月25日に拘束、裁判所が6月3日に懲役1年を宣告した。 またセウォル号惨事犠牲者を性的に侮辱する掲示物をあげた日刊ベスト保存所(イルベ)会員チョン某氏に名誉毀損容疑で8月29日に懲役1年が宣告された。

警察はオフラインの虚偽事実流布容疑でホン・ガヘ氏を拘束した。 洪氏はセウォル号惨事の直後に海上警察の水中救助活動を批判する放送インタビューをして、 海警庁などの名誉を傷つけた容疑で拘束起訴された。 だが「過剰処罰」の論議がおき、セウォル号家族対策委が 「ホン・ガヘ氏が言及した民間潜水士投入制限、海上警察の支援不足などは、 家族も共感する部分で、事実だったことが明らかになった部分も多い」とし、 不拘束裁判要請嘆願書を提出、洪氏は3か月後の8月1日に保釈釈放された。

警察庁の関係者は 「遺族・不明者家族などに関する流言飛語を流布し続ける場合は拘束令状を請求したが、 ほとんどが一回だけのコメント形式で、10代の学生が多い」とし 「流言飛語流布の容疑に対し、他の件と違い警察が立件して送検しただけでもかなり強い処罰になった」と自評した。

[出処:メディア忠清]

しかし社会的影響力がある人々への処罰は弱く見える。 セウォル号沈没事故に関して「不明者家族の振りをする扇動屋がいる」という他人の偽りの文をSNSに上げて問題になった権恩嬉(クォン・ウニ)現セヌリ党報道担当者の名誉毀損容疑に対し、 警察は8月13日に不起訴意見で検察に送検した。 大邱城西警察署の関係者は「権恩嬉議員が一度調査されるなど、調査全体の末に大邱地検西区支庁の指揮で行われた」とし 「誹謗する目的ではなかったと最終的に判断した」と話した。

セウォル号沈没惨事を「死体商売」と比喩した池萬元(チ・マノン)社会発展システム研究所長の陳情事件について警察は8月初めに「内部捜査終結」した。 安養ドンアン警察署の関係者は「容疑がないのは明白だ」とし 「池萬元氏が書いた内容を読むと社会の雰囲気もあって、言論の歪曲報道もある。 遺族が死体を商うという意味ではなかった」と話した。

セウォル号国政調査特別委委員長のセヌリ党沈在哲(シム・ジェチョル)議員による遺族誹謗用虚偽事実流布について検察は 「一般告訴・告発事件に準じて処理する」と明らかにした。 ソウル南部地方検察庁の関係者は 「相互に告訴され、一方の告発人は調査し、他方はすぐ調査する予定だ。 捜査中の事案なのでどちらを調査したのかを明らかにするのは難しい」と言葉を控えた。

大韓弁護士協会のチョン・チョルスン弁護士が 「犠牲者遺族が多くの補償金を要求したり、 犠牲者を義死者に指定しろと要求した事実がないのに、 沈議員がこのような内容のカカオトークのメッセージを知人に流し、 遺族の名誉を傷つけた」とし、 7月30日に検察に告発し、沈議員は同じ嫌疑で逆告訴した。

なお、沈議員の流言飛語流布について警察が先頭に立って内偵しない理由について、 警察の関係者は「流言飛語については被害者に意思がなくても拒否しない状況なら 内偵できる」が 「被害者の意思が重要だ」と違う言葉を言った。 セウォル号惨事初期に被害者が「心の余裕がない」として別途の申告と告訴・告発なく無差別にモニターし、 警察が内密調査に着手した態度と対照的だ。

「政府批判には強硬、遺族非難には正反対の態度」

セウォル号家族対策委のユ・ギョングン報道担当者は 「流言飛語は最初に作って流布した人が重要で、 それに劣らず重要なことは社会的な影響力ある人が流布する場合」とし 「彼らが流布すればそのまま伝わる水準ではなく、広範囲に拡大再生産されるため」と伝えた。

ユ報道担当者は 「警察が流言飛語流布行為を100%遮断するのは容易ではないが、 最初に作成・流布した者や影響力を持って拡大再生産する人々に対し、 十分に捜査・処罰することは可能だと思う」とし 「捜査の意志を見せ、はやく結果を出せば、反対に社会に肯定的な影響を与える」と主張した。

続いて「警察は、国会議員など社会的に知られる人には寛大で、 むしろ幼稚ないたずら、衝動的に行った市民は熱心に捜査するようだ」とし 「警察のこうした姿は変わらなければならない」と強調した。

それと共に権恩嬉(クォン・ウニ)セヌリ党報道担当者に対し 「不明者家族を侮辱する文を載せ、遺族を直接訪問して謝罪すると言っていた権議員は、 珍島彭木港で子供を待つウナさんのお母さんのところに行かなかった」と避難した。 権議員がこの文で公開した写真の主人公は、 まだ10人の不明者リストに載っている安山檀園高2年チョウナ学生のお母さんだと報道された。

また警察側の流言飛語流布行為への対応は、5月7日以後から全く変わった。 5月8日から9月1日までの4か月間、流言飛語関連の警察庁報道資料は、 兪炳彦(ユ・ビョンオン)前セモグループ会長の 「死亡関連悪意的虚偽事実厳正対応」をはじめ、たった二件しかない。 これも国家情報院と政府、国科捜など捜査機関を批判する内容が含まれた 「流言飛語」で、遺族関連の件はない。

警察は7月、8月のセウォル号特別法をめぐり「遺族に大きな傷」を与えた流言飛語に対しても、積極的に対応しなかった。 大学特例入学、義死傷者指定、賠償・補償要求などのように、 セヌリ党と新政治民主連合などの与野が発議した法案が遺族が要求したと歪曲され、 遺族誹謗のために無差別に流された。 このような虚偽事実の流布について、警察は別途措置していない。

その理由について警察側は 「国民的哀悼の時期」、「問題により」など、時期の問題をあげた。 またセウォル号惨事家族対策委と大韓弁護士協会などが現在、 安山檀園警察署に遺族名誉毀損・侮辱罪事件で告訴・告発しているので、 警察が積極的に動かなくても良いという立場だ。

警察庁の関係者は 「セウォル号事件の発生直後、 遺族は心の余裕がなく捜査した」とし 「名誉毀損・侮辱罪の性格上、先に捜査機関が動くのはとても特別なケース」と話した。 続いて「初めは事件の性格上、国民的な哀悼の感情があり、 被害者を罵倒する文を通常の通りに処理するのは難しかった」と付け加えた。 10人の不明者が戻らないなど、まだ国民的な哀悼の時期ではないのかという記者の質問には 「見解により違う」と答えた。

別の警察庁の関係者も 「5月以後、流言飛語は終息したと見ているので報道資料を出さなかった」とし 「流言飛語が深刻だった時には広報用として出したが、 今は静かになったので出す理由がないようだ」と伝えた。

民主弁護士会のパク・チュミン弁護士は 「結果として千人ほどの捜査要員を動員し、 国民を無差別にモニターし、2人に実刑を宣告したというのは、 数が少ないことも問題で、表現の自由基本権侵害、人権侵害まで行った 見せかけ対応の典型」と批判した。

警察の流言飛語対応の内容についても彼は 「政府機関に対する批判性の文には何回も報道資料を出すなど、強硬な立場を取り、 ホン・ガヘ氏は拘束までする積極的な姿を見せながらも、 最近の根拠ない黒色宣伝による遺族への攻撃に対しては正反対の態度を取った」とし 「偏向的だ」と批判した。

セウォル号家族対策委のチョン・ミョンソン副委員長は 「警察と検察は、初めから遺族の痛みを考えていなかった。 家族を怒らせる流言飛語について真偽を把握するための捜査の意志も弱かった」とし 「捜査要員千人を動員しても、形式的な外見だけを取り繕い、公平性に外れるようだった」と話した。

新政治民主連合のキム・ジヌク副報道担当者は 「他の時はとても素早く動く警察が、こうした問題に二重的な態度を見せているのは残念だ」と明らかにした。 新政治連合側は8月27日からセウォル号関連の流言飛語、悪性コメント情報提供センター運営し、 セウォル号遺族への誹謗、虚偽事実を悪意で流した26人を検察に告発する予定だと9月1日に明らかにした。

付記
チョン・ジェウン記者はメディア忠清の記者です。この記事はメディア忠清にも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


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