セウォル号3次会談紛糾…「遺族が譲歩すれば交渉」

与党、遺族の譲歩を引き出す戦略繰返し..朱豪英大声で強硬発言

キム・ヨンウク記者 2014.09.01 20:18

セウォル号遺族と李完九(イ・ワング)セヌリ党院内代表との3次会見が混乱の中で終わった。セヌリ党側が真相調査委員会に捜査権と起訴権付与問題は全く議論の対象ではないことを明確にし、声を高めると、遺族側は「また同じことをいう。これ以上座っている理由はない」として会談場を出た。

秋夕の一週間前の9月1日4時50分頃、セヌリ党の李完九院内代表は国会でセウォル号遺族代表者と会った。この日の会見の混乱は、表面的には金在原(キム・ジェウォン)セヌリ党院内首席副代表の言論プレイと朱豪英(チュ・ホヨン)セヌリ党政策委議長の交渉態度が原因と見られるが、実際には李完九院内代表を中心とするセヌリ党の交渉基調が問題だった。

李完九院内代表は3次会見が混乱の中で終わると、記者に「私は柔軟に対話をする人だ。また感情がやわらげばまた会って話を聞く」と対話を強調したが、交渉の相手は遺族ではないと強硬に線を引いた。

李院内代表は「特別法案そのものは遺族が同意さえすればすぐ通過できるか」という質問に「同意、同意というが、われわれは遺族の言葉を聞く。明確にしよう。私の交渉対象は野党」とし「遺族の話は傾聴して聞くが、それはその程度だ。遺族とは交渉をしたり条件をやりとりしない。遺族の意見を十分に聞いて反映させる努力はするが、交渉の対象は野党だ」と釘を刺した。

こうしたセヌリ党の交渉基調により、3次会談の混乱は避けられなかった。当初、遺族は会談が始まると、セヌリ党に対し前の2次会談より進展した案を期待したが、与党は遺族の譲歩だけを待っていたからだ。

家族対策委のキム・ビョングォン委員長は「今日、私たちが向かい合って座ったのが3回目だ。 1次と2次同じような会合にはしたくない。 1-2次と同じように、私たちを説得する趣旨なら今すぐ立ち上がって出て行く」と李完九代表に進展した案を要求した。

李完九院内代表は「言いたいことを全部言って、互いに礼儀は守りたい。まずお話いただて、私が言う」とした。

続いて家族対策委のキム・ヒョンギ首席副委員長も「3回まで会って、遺族を世論集めに悪用し、こうして会う姿勢ではないと思う。 1回目の時、代表が違う姿勢で会うといったが、私たちを説得しようとするのなら私たちはだめだ。キム・ビョングォン委員長が話した(進展した)部分について代表が答てほしい」と要求した。

チョン・ミョンソン副委員長も「セヌリ党ではセウォル号特別法の案について、これ以上は議論するようなものはないのか、まずその部分をきちんと話して対話に臨むべきだ」と指摘した。

大韓弁協の朴鍾勛(パク・チョンフン)弁護士も「互いに不信を払拭する作業があったが、今日は同じ言葉を繰り返すのではなく、もう少し進んだ話が出てきたら良い」とし「秋夕連休に家族はもちろん、国民が楽に過ごせるように、与党が前向きな内容で決断してくれることを期待する」とした。

だが政策委の朱豪英議長は強硬発言を続けて声を高めた。朱豪英議長は「われわれは今、譲歩できない。しかも今日、前任の弁護士協会長が何人か、今の弁護士協会の指導部に偏向した見解を持つなと抗議しに行った。そんな状況で、新政治連合と二回の交渉を経て多くの争点を整理し、出すべきものはすべて出した。それが第一回の交渉だったし、2回は遺族の同意まで得たと理解している。交渉当事者の私としては、もう譲歩することはない」と線を引いた。

続いて「私は(特検法で)真相調査に合意したことで真相究明には不足がないと思う。真相調査特別委を1年6か月行い、17人のうち10人が遺族側になる。真相調査委を主導するのに何の障害もない」とし「捜査権と起訴権も与えたではないか。特検というのは完璧な捜査権と起訴権を持つ。それでも被害者側が特検を任命させろというのは、憲法原則上できないということ」と声を高めた。

これに対してキム・ビョングォン委員長は再度「ずっと同じことを言う。私たちをここに呼んだ理由は何か」と指摘した。朴鍾勛弁護士も「なぜ私たちがきたのかわからない。何も譲歩せず、何も考慮しない」と述べた。

すると金在原院内首席は「特検任命の部分について与野で協議し、単一交渉を作る段階まできたのに、それを全部無効にして改めて遺族代表とやるのは難しい。捜査権と起訴権を帰属させるのは不可能だと何度も話した」と交渉の余地がないことを明確にした。

朱豪英議長も再度「何度も捜査権・起訴権をくれと言うので国民はないと思っているが、捜査権と起訴権が一番強いのが特検でなければ何か。捜査権と起訴権がある」とし「私は真相調査委の常任委員に常設特検を任命することに賛成する。ただ、中立的な人にするべきだ。しかし遺族が話しているのは中立的ではない」と正面から受けた。

結局、キム・ビョングォン委員長は、遺族に立とうと言い、会談は混乱の中で終わった。朱豪英議長は席を立つ朴鍾勛弁護士に「私たちに何かを出せばかりいうが、遺族側が譲歩する案を持ってこいといった。私たちに無条件に譲歩しろというのが交渉なのか」と声を高めた。

家族対策委のユ・ギョングン報道担当者はこの日の会談の混乱について、「われわれは答を聞きながら、セヌリ党が遺族の言葉を聞いてきちんと会ったと利用されることを明らかに知りつつ会談に入った」とし「私たちが請願した特別法について、与野が私たちの説明ぐらいきちんと聞くべきなのに、私たちとはそうした過程を踏もうともせず、自分たちがしたことがすべてであるかのように私たちに強要するのでは、私たちは何をどうすればいいのか」と非難した。

続いて「朱豪英議長は2次会談の時も『私はすることはすべてしたし、与えるものはすべて与えたのに、またくれと言うので、もう交渉できることはない』とし、交渉から外してくれといった。これが理解できる言葉か」と指摘した。

なおこの日の会談の混乱で、双方の立場を狭めるのは容易でないことが確認され、セウォル号政局は秋夕を超える可能性があると見ている。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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