労使政を青瓦台に呼んだ朴槿恵、「セウォル号」脱出用?

対話、妥協、共生を強調した朴槿恵...「労働政策転換」の意志はなく

ユン・ジヨン記者 2014.09.01 17:24

朴槿恵(パク・クネ)大統領が9月1日午前、労使政の代表者55人を青瓦台に招請し、懇談会を開いた。この日の懇談会には、韓国労総のキム・ドンマン委員長をはじめ、役員、産別代表者27人と韓国経営者総協会の金栄培(キム・ヨンベ)会長職務代行など経営界15人、崔炅煥(チェ・ギョンファン)経済副総理など、政府側の人物7人が参加した。労使政委員会参加を拒否している民主労総は今回の懇談会からも除外された。

朴大統領が韓国労総の人物を青瓦台に直接呼んだのは、朴槿恵政権発足以後初めてだ。青瓦台は韓国労総が8か月ぶりに労使政委に復帰しただけに、今後の労使政委員会の活動を励ますために懇談会を開催したと明らかにした。

だが政府が突然、労使政懇談会を開催した背景には、他の「政治的目的」があるのではないかという見解も存在する。民主労総は現在のセウォル号政局で守勢に追い込まれている政府が、局面突破用として「動員政治」を稼動していると批判している。実際に朴大統領はこの日の懇談会で、労使政対話と妥協、共生を繰り返し強調したが、労政関係の断絶と対立の原因になった「反労働政策」の転換意志は表わさなかった。

朴大統領は、懇談会で「これまでわが国の労使関係は、対話と妥協ではなく対立と対立が目立っていたのは事実」とし「これから労使は目の前の利益よりも国家と子どもたちの未来を考えて、対話と妥協を通じ、共存の道を見つけなければならない」と強調した。

続いて「今、わが国の経済は、雇用なき成長、労働時間二極化、人口高齢化などの色々な構造的な問題に直面している。今がまさにゴールデンタイムだという厳しい考えと覚悟で皆が努力して危機を克服しなければならない」とし「賃金と勤労時間改革、定年延長、非正規職問題などの敏感な懸案についても、互いに少しずつ譲る気持ちで対話と妥協により共生の解決策を模索してほしい」と要求した。

労使政委員会の再稼働で、今後、社会的大妥協をしなければならないという激励も続いた。 8か月ぶりに労使政委に復帰した韓国労総に対しても感謝の気持ちを明らかにしつつ「企業が発展すれば、勤労者の雇用も増える。配慮と共生の新しい労使文化ができると期待する」と述べた。先立って韓国労総は昨年末、政府の民主労総侵奪を契機として労使政委への不参加を宣言したが、 8か月ぶりに労使政委への復帰を決定した。

事実上、労使政の対話断絶の根本的な原因が政府の労働政策にあったのに、今回の懇談会では政府の「労働政策の変化」をはじめとする労働懸案問題の解決策は提示されなかった。民主労総の場合、懇談会の前から労働界のための実質的な対策が浮上する可能性は全くないと予想してきた。今回の労使政懇談会は、セウォル号政局を突破するためのイベント性の「動員政治」だという批判も提起された。

民主労総は「青瓦台は、与党と警察、遺族に対する流言飛語世論を強調し、特別法政局から一人だけ脱出する工夫ばかりに没頭している。そのために政府与党は数十年間、国民を欺いてきた『経済危機論』というキーワードをまた拡散させている」とし「今回の労使政懇談会も、朴槿恵のリーダーシップを過大包装するための言論プレイのイベントに過ぎない。労働者を欺く動員政治で政権危機脱出を試みようとする青瓦台は、胸に手をおいて思案し反省するように願う」と批判した。

また民主労総は「韓国労総は、全労働者の理解が何かを繰り返し熟考しなければならない。今まで朴槿恵政権が行ってきた反労働政策への反省文を要求する堂々とした態度ぐらいは見せてほしい」と付け加えた。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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