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セウォル号特別法、自力救済禁止に反する?

[インタビュー]ハンスト中の判事出身徐基鎬議員

チョン・ヒョンジン記者 2014.08.29 18:41

8月28日、青瓦台前の座込場で会った徐基鎬(ソ・ギホ)議員は、 セヌリ党が特別法制定に対する意志がなく、 6月に施行された常設特検法だけを主張しているのは、 暗黙的に大統領のガイドラインがあったからだと見ると述べ、 「遺族が望んでいる特別法案通過を含むセウォル号惨事の根本問題解決のための議論のためには、朴大統領の決断が必要だ」と話した。

判事出身の徐議員は特に、 特別法をめぐる法的解釈の差、 そしてセヌリ党の事実関係歪曲の問題などを細かく批判した。

▲光化門広場断食祈祷会に参加した徐基鎬議員[出処:いまここチョン・ヒョンジン記者]

調査委の捜査権と起訴権、自力救済禁止に反する?
セウォル号特別法合意案、特別検事推薦から政府側的

まず徐基鎬議員は、セヌリ党側が遺族側特別法案について問題としている 「自力救済禁止」、「私人訴追禁止」の部分について指摘した。 セヌリ党は、真相調査委員会に捜査権と起訴権を付与すると、 自力救済を禁じている刑事法の精神に反するという主張を展開しており、 李完九(イ・ワング)代表は 「被害者が加害者を捜査、起訴するのは文明社会では有り得ない」と発言した。

徐議員はこれに対し 「事実関係を完全に歪曲している」とし、 「捜査権と起訴権を遺族が直接行使するというのではなく、 調査委員会に権限を与えようということだ。 自力救済禁止や私人訴追(被害者個人が直接加害者を起訴すること)禁止にあたらない事案であり、 明白な歪曲」と強調した。

また、特別法が司法体系の根幹を揺るがすという反応にも、 1999年の「韓国造幣公社ストライキ誘導および服ロビー事件」で史上初めて特検が始められた時も違憲の議論まであったが、 11回も行われてすでに前例になったとし、 「司法体系の根幹を揺るがすのではなく、むしろ不十分な部分を補完しようということ」と一蹴した。 徐議員は既存の特検がしっかり成果を上げられないのは、 捜査と起訴が別途に行われ、捜査期間も60日しかないからだとし 「何よりも捜査と起訴が迅速になされなければならず、 その主体が真相究明の意志と能力がなければならない。 捜査の過程で問題が発見された時、 強制力を伴う押収捜索、拘束令状請求が行われなければならないということ」と説明した。

現在、セウォル号特別法のための第二回交渉案は、 6月から実行されている「特別検事の任命などに関する法律」に従っている。 この法は、特別検事の推薦方式に対する一般法で、 特別検事候補推薦委員会の構成から問題になっている。 推薦委員会は法務部次官、法院行政処次長、大韓弁護士協会長、国会与野各2人推薦の合計7人で構成される。

徐基鎬議員はこの特検法について、 当初要求した常設特別検事制でもないばかりか、 結果として既存の個別の特検より不十分な法になったとし 「法務部と裁判所、与党が政府側にあるのは自明だ。 権力機関を捜査しなければならないのに、権力の好みに合う特別検察になる。 今回の国会のセウォル号特別法合意内容は、この限界から全く抜け出せない」と指摘した。

続いて捜査権と起訴権を検察ではなく調査委員会に付与することが、 権力分立の原則に反するという主張にも根拠がないと釘を刺した。 彼は、捜査権と起訴権を検察が持つべきだというのは古典的な権力分立の原則だとし、 「憲法学の教科書ですでに書かれている現代的な権力分立論は、 機能的な権力分立論で、業務上その領域が分離しているということでしかなく、 検察の捜査、起訴権の独占を意味するものではない」と話した。

徐基鎬議員は、捜査と起訴にもゴールデンタイムがあるとし 「遅くなっても徹底して調査するためには、 捜査、起訴権の付与、またはそれに相応する水準の制度をはやく作らなければならない」と惜しんだ。

交渉権がないという理由でじっとしていられない…共に責任を取るためのハンスト
政治は国民の気持ちでするもの、政界は4月16日以前とは変わるべき

徐議員は今回のハンストにも言及した。 ハンストを決めたのは最後の手段で、無力感の表現だという。 彼は、党が真相調査委員会自体に特検推薦権を与える方案を出したりもしたが、 交渉権がないため交渉の過程で疎外されたとし 「それでも遺族の意を推し量る結果が出てくればよかったが、 野党が特別法の内容でセウォル号事態を先頭に立って歪めたことの挫折が大きかった。 最後の手段はハンストしかなかった」と話した。

▲8月29日でハンスト10日目。徐議員は与党が特別法制定に意志を見せないのは大統領のガイドラインがあったからだと判断したとし、「ハンストは問題の根本に対する決断を要求するため」と話した。[出処:いまここチョン・ヒョンジン記者]

徐議員をはじめとする正義党議員5人は、8月20日から10日間、 青瓦台の前でハンストを続けている。 彼らはきちんとしたセウォル号特別法制定が膠着状態に陥ったのは、結局、 政府の責任だとし、朴槿恵(パク・クネ)大統領の決断を要求するためにハンストを始めた。

徐基鎬議員はカトリック信者として法王の訪韓を見て感動したが、 すでにその姿はイエスが私たちに見せたことだったと話し、 最近は黙想して「あなたがたの間でかしらになりたいと思う者は、すべての人の僕とならねばならない。 人の子がきたのも、仕えられるためではなく、仕えるためであり、また多くの人のあがないとして、自分の命を与えるためである」というマルコによる福音書の内容を聞かせた。

徐議員はハンストを続けながら、夜の時間には光化門で行われる断食祈祷会に参加している。 彼はインタビューの後、光化門に出て国民に 「気持ちを集めてくれ」と懇々と頼んだ。(記事提携=カトリックニュースいまここ)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-08-31 21:57:11 / Last modified on 2014-08-31 21:57:11 Copyright: Default

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