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現代車「8.18合意書」を持ち出して不法派遣の宣告を延期させた理由は?

「故意の遅延、正規職化の判決を無力化させて労組を瓦解させるもの」

ユン・ジヨン記者 2014.08.22 19:53

8月21日に予定されていた現代車不法派遣宣告が9月に延期され、論議がおきている。 現代車使用者側が宣告の二日前に現場で原告の訴訟取下書を集めるなど、 意図的に宣告を遅延させたという批判だ。 裁判所も宣告一日前、大量に集められた訴訟取下書について、 被告人の現代車の同意が不備だという点を上げ、宣告を延期することにした。 労組は司法府も現代車の宣告遅延戦術に力を貸していると強く反発している。

今回の宣告は、現代車非正規職労働者1596人の不法派遣を裁く1審判決だ。 ほとんどの工程で不法派遣が確認され、正規職転換の判決が出ると会社としても負担にならざるをえない。 そのため会社は宣告の3日前に現代車蔚山を除く牙山、全州非正規職支会と不法派遣交渉に電撃合意した。 その後は裁判所に合意書を持ちだして宣告の延期を要請した。 労組としては、会社が宣告までの時間を稼ぎ、判決を無力化させて現場に合意案を貫徹させ、不法派遣の容疑を隠す意図だと見ている。

現代車代理人キム&チャン、合意書を持ち出して不法派遣宣告の延期を要請
「合意により現代車支部が訴訟取下書を集めて提出する」

現代自動車訴訟代理人のキム&チャン法律事務所は、宣告一日前の8月20日、 裁判所に「宣告期日延期申請書」を提出した。 この資料には8月18日、 現代車が牙山、全州社内下請支会と締結した特別採用合意案を根拠とする延期申請要求の内容が含まれている。

会社は延期申請書で、今後、全州、牙山支会組合員も訴訟取下書を提出すると説明した。 会社は「労組は合意直後に全州、牙山支会組合員の勤労者地位確認訴訟などに関する取下書と委任状を現代自動車支部に提出することにした」とし 「取下書と委任状などの各種の書類は、 当事者の特別雇用が確定した日に裁判所に取下書を提出する予定」と明らかにした。

8月18日の労使合意により、9月に400人規模の特別採用手続きを完了し、 特別採用された原告は9月中に訴訟取下書を提出するという説明だ。 裁判所が宣告前日に大量に提出された訴訟取下書には、 被告人の現代車の同意が不備だという点を上げ、宣告を延期したため、 9月18日に予定された不法派遣宣告も再び遅れる可能性が濃い。

その上、会社は 「最初の特別採用手続きが完了すれば、 会社は合意主体と二回目に年内に約600人を追加で特別採用する手続きに入り、 蔚山工場非正規職支会に所属する原告も参加できるように説得する予定」とし 「200人から300人の原告は、2014年9月中に訴えを取り下げた後、 残りの原告に対しても今後、特別採用手続きにより追加で訴えを取り下げる予定」と明らかにした。 事実上、判決を約束のないまま延期させ、 今回の合意に参加していない蔚山非正規支会組合員にも 「特別採用-訴訟取下げ」を貫徹させようという意図だ。

「故意の延期、正規職化判決を無力化させて労組瓦解」

労組は会社の宣告遅延戦術が、不法派遣宣告を無力化させ、 労組を瓦解させるためだと見ている。 訴訟に参加した人員と、組合員数が一番多い蔚山非正規支会が今回の労使合意から抜けただけに、 時間を稼いで労組瓦解と訴訟取下げ作業を始め、訴訟規模を縮小させようとしているという説明だ。

会社は延期申請書で 「原告が所属する蔚山非正規支会とも円満な合意をするために最善を尽くす」と明らかにしたが、 実際に交渉が進展する可能性は低い。 現代車使用者側は「蔚山支会との予定された(交渉関連)日程はない」と明らかにした。 別の使用者側関係者は「蔚山非正規支会が激昂している状態で、 対話をする雰囲気ではない」とし 「現代車支部が動くべきだが、向こう側も賃金団体協議などで忙しく、 (当分、交渉は)難しいだろう」と説明した。

蔚山非正規支会の関係者も 「(交渉が開かれる)余地はあるが、実現するかどうかは未知数だ。 労組で受け入れられる案を投げてくればともかく、 今の状況では交渉をしても牙山、全州非正規支会と同じ案を提示するだろう」とし 「現代車支部もまた交渉に動く可能性が低いので、 交渉の方式ではなく一方的な合意案貫徹の試みが続くだろう」と見通した。

実際に交渉に参加しなかった蔚山非正規支会は、 労使合意の対象から蔚山非正規支会を抜くことを要求した。 だが合意書には 「牙山、全州支会組合員以外の地位確認訴訟提起者のうち、強固に志願した者は同一に適用する」という内容が指摘されている。 会社が裁判所に提出した延期申請書でも 「(特別採用手続きに)蔚山工場非正規支会に所属する原告も参加できるように説得する予定」となっている。

労組の関係者は 「今も現場では、会社が業者や元請管理者を通じ、 新規採用を薦める動きが続いている。 このように労組分裂を試みようとしている」とし 「訴訟を延期させて組合員の心理を挫き、 牙山、全州との合意による新規採用を貫徹させていくものと見られる」と展望した。

会社としては、蔚山工場の非組合員に対して特別採用を実施する方針なので問題がないという立場だ。 会社の関係者は「蔚山には支会組合員を除いても3千人を越える非組合員がいる。 彼らにも合意案を広く開いて行こうということ」と明らかにした。 続いて「ただし、合意の対象には蔚山非正規支会組合員が抜けているので、 支会の組合員たちが(特別採用を)申請することはできない。 組合を脱退して非組合員の身分で申請しなければならない」と説明した。 この場合、特別採用を条件として労組脱退の懐柔など、 労組瓦解作業が起きる可能性も高い。

非正規職ない世の中作りのパク・ジョンギュ執行委員は 「現代車は史上最大の正規職化判決を前にして、 宣告を延期させ判決を無力化させようとしている」とし 「会社は時間を引き延ばし、 労組脱退と訴訟放棄を要求するだろう。 蔚山もヒラの組合員を中心に動揺することになれば、 後にはごく少数しか残らなくなる状況がくる」と憂慮した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-08-22 23:54:10 / Last modified on 2014-08-22 23:54:11 Copyright: Default

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