本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:チン労働烈士の望月墓地埋葬に5月団体が激しく反対
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1406146861353St...
Status: published
View


チン・ギスン労働烈士の望月墓地埋葬に5・18団体が激しく反対して衝突

旅立つ瞬間も安らかではなかった労働烈士...望月墓地埋葬基準の議論高まるか

ムン・ジュヒョン記者 2014.07.23 11:54

使用者側の不当解雇と偽りの懐柔に抵抗して命を絶った 全州市内バス新城旅客解雇者、 故チン・ギスン労働者は最後の道まで順調ではなかった。

7月22日午前、 故チン・ギスン(47)労働者が亡くなって51日目に「全国民主労働者葬」で全羅北道の全州で葬儀が行われたが、 この日の午後に予定された下棺式は埋葬予定地の光州民族民主烈士墓地(以下 望月墓地)で5・18遺族会など、いわゆる5月団体の激しい反対で修羅場になった。

望月墓地は5・18光州民衆抗争の時に新軍部が犠牲者を埋葬したところで、 現在は国立5・18民主墓地に移葬された犠牲者の家廟と、 80〜90年代の民主化運動犠牲者の墓、 労働烈士と民族烈士を埋葬した墓がある。 管理と埋葬承認は光州市が担当しているが、 5月団体の立場が強く反映される。

▲全州市内バス新城旅客の故チン・ギスン労働者が22日晩、迂余曲折を経て光州望月墓地に埋葬された。労働者たちは烈士を忘れないという覚悟を明らかにした。〈写真-ジョンウン現場記者〉 [出処:チャムソリ]

民主労総、「労働弾圧で亡くなったチン・ギスン労働烈士の念願」
5月団体、「誰でも埋葬できる所ではない」

この日、民主労総所属の労働者たちとチン・ギスン労働者の遺族など約150人の運柩行列は、 午後4時に下棺式のために望月墓地に到着した。 しかし5月団体の関係者が下棺式に反対して阻止した。

民主労総全北本部、公共運輸労組、民主労総光州本部と チン・ギスン烈士葬儀委員会は、 5月団体の代表を長い間説得したが、代表の立場は頑なだった。

民主労総のパク・ポンジュ光州本部長は 「チン・ギスン烈士は冷たい冷凍庫の中で51日間閉じ込められ、 葬儀を行うことができなかった。 チン・ギスン烈士がここに埋葬されれば、毎年労働者が訪ねてきて、 自然に5・18をさらに考えるようになるだろう。 5月団体が広い気持ちで考えてほしい」とこんこんと要請した。

民主労総全北本部と公共運輸労組の関係者らも 「チン・ギスン烈士は労働弾圧に対抗して闘った労働烈士で、 烈士対策委には全国80余りの民主市民社会団体が参加している」とし 「烈士も最後の遺言で望月墓地に埋めてほしいと望んで亡くなった。 烈士の望みをかなえるように助けてほしい」と要請した。

しかし5月団体の代表らは 「私たちが死んでもここに入ることはできない」、 「30年間、われわれはここを守るために本当にずいぶん戦った。 わがままを言うために来たのか」、 「ここは誰でも埋めていい所ではない」、 「だめなものはだめだ」とし、 故チン・ギスン労働者の下棺に反対した。

彼らは「全州市長や文奎鉉神父と葬儀委員、公共運輸労組の代表に7月21日、 5月団体が議論した末に(下棺)はだめだという意を伝えたのに、 こうして来たのはどういう意図か」と反対の立場を取り続けた。

この間隙は狭まらなかった。 結局、民主労総葬儀委員会は午後6時、 5月の英霊と民族民主烈士の参拝と、望月墓地での整理集会をして全州に戻ることにした。

労働烈士埋葬関連の衝突、警察兵力まで出動

整理集会で民主労総全北本部のイ・チャンソク事務局長は 「労働者たちの闘争は、保守勢力に抵抗する民主化闘争の歴史の一つ」とし 「チン・ギスン烈士は全州地域のバス事業主の既得権、土豪勢力の既得権に対抗し、 自分を犠牲にした。 そして烈士は切実にここに埋葬されることを望んだ。 われわれはその遺言に従いたかった」と泣いて発言した。

▲5月団体関係者が故チン・ギスン労働者の望月墓地埋葬に反対したため、故チン・ギスン労働者家族も訴えたが、5月団体関係者らの立場は確かだった。[出処:チャムソリ]

故チン・ギスン労働者の家族も5月団体が望月墓地に設置したテントの前で、 関係者にひざをついて「頼むから夫をここに埋葬することを認めて欲しい」と涙で訴えた。 しかし5月団体の関係者はチン・ギスン労働者の家族を抱いてやるだけで、 埋葬はできないという意向を明らかにした。

この過程で労働者と5月団体関係者の間で言い争いになり、 感情が高まった。 そして労働者たちは 「チン・ギスン烈士の遺体がこうして望月墓地まできたのに、 5月団体はなぜこんなことをするのか」とし 「このままでは戻れない」として望月墓地に埋葬を始めた。

労働者たちが埋葬を始めると、5月団体の関係者も負けなかった。 強く対峙する状況になり、この対峙はチン・ギスン労働者の埋葬が終わらない午後9時まで続いた。 5月団体の関係者らが対峙過程で警察に通報し、兵力約100人が望月墓地に入ってくることもした。

▲5月団体と民主労総が衝突になり、警察が望月墓地の中まで入り、望月墓地の入口が塞がれた。[出処:チャムソリ]

5月団体の関係者7人はこの日入院して、警察は「5月団体から暴行の申告があり、葬儀委員会関係者3人を指定した」とし、 兵力約200人を動員して望月墓地の入口をふさぎ、 2人を連行して調査を行った。

光州地域の民主労総のある関係者は 「20日にチン・ギスン烈士葬儀委員会でここに埋葬したいという話を聞いた時、 心配になった」とし 「ここに眠る民族民主烈士は、こんな状況で永眠している。 憂慮され、予想された状況なので、とても悲しくうらめしい」と話した。

彼は「5・18団体が5・18精神を否定してはいけない」とし 「労働者たちは5・18民主化運動の時、道庁で銃で撃たれて倒れて行った。 労働先輩を考えて、もっと我慢して欲しい」と話した。

▲民主労総は労働弾圧に抵抗した故チン・ギスン労働者は労働烈士と明らかにした。そして多くの民主、労働、民族烈士が埋葬される望月墓地に議論の末に埋葬した。〈写真-ジョンウン現場記者〉 [出処:チャムソリ]

埋葬議論、実際に労働者の埋葬が拒否された事例も

これまで大きな問題にならなかったが、 市民社会団体と5月団体の間で望月墓地埋葬基準をめぐる議論があった。 5月団体は、望月墓地埋葬基準が必要だという立場だ。 特に近来の労働烈士の埋葬に対しては、5月団体が否定的な立場を見せてきた。

5月団体の関係者は、葬儀委員会に 「昨年、光州市庁公務員労組所属の労働者が死んだ時もここに入れなかった」とし、 似た事例を明らかにした。

1月にはソウル駅の高架道路で国家情報院の大統領選挙介入に関し 「朴槿恵(パク・クネ)退陣と大統領選挙介入特検」を叫んで焼身したイ・ナムジョン(40)民主烈士の望月墓地埋葬をめぐっても議論があった。 5月団体はイ・ナムジョン烈士の埋葬にも反対したという。

この日、現場にいた光州地域の活動家は 「特に労働烈士に対して5月団体が生存権の問題だけしか見ない傾向があるようだ」とし、残念さを表現した。

こうした議論は望月墓地が5・18民主化運動史跡地(第24号)に指定されたことで拡大した。 史跡指定と共に、民主化の過程で犠牲になった李韓烈、姜慶大、金南柱詩人など41人の民主烈士を賛える記念館の建設が推進されるなど、 民主化の聖地として位置を占めるために埋葬基準の声が高まっている。

だが埋葬基準が行政中心に決められると、現在の労働烈士などは資格要件を充たせない可能性もあり、 果たして法的定規で烈士の基準を計れるかについての疑問を提起する声もあるという。

▲〈写真-ジョンウン現場記者〉 [出処:チャムソリ]

望月墓地には80〜90年代の民主化の過程で犠牲になった民主烈士以外にも、 2003年に非正規職撤廃を叫んで焼身したイ・ヨンソク労働烈士や、 2008年のイ・ビョンニョル労働烈士、2009年の貨物連帯パク・チョンテ労働烈士などが埋葬されている。

望月墓地は合計489の墓があり、李韓烈、姜慶大、イ・チョルギュ、キム・ジュンベ烈士などの民主烈士墓地41基、国立5・18民主墓地から移葬した5月英霊の家廟149基、 一般人の墓がある。 光州市庁のある関係者によれば、追加埋葬ができる墓は60か所ほどある。

付記
ムン・ジュヒョン記者はチャムソリの記者です。この記事はチャムソリにも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-07-24 05:21:01 / Last modified on 2014-07-24 05:21:02 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について