法司委、特殊雇用の労災保険がまたストップ...与党議員が強く反対

野党議員も微温的...生命保険業界の関係者らも会議室の前で触覚

キム・ヨンウク記者 2014.04.22 15:37

4月22日午前10時30分頃、国会本館410号法制司法委員会小会議室の前にはチョン・ヒョンオク雇用労働部次官などの労働部関係者らと環境労働委所属議員室の関係者、生命保険協会関係者5～6人などが、いらいらしながら法案審査を待っていた。

この日の法案審査第2小委では、環境労働委員会の最大の争点法案に浮上した特殊雇用職関連労災保険法改正案審査が予定されていたためだ。この法案は、宅配ドライバー、学習誌教師、保険設計士など6職種の特殊雇用職労働者たちの労災保険義務加入を規定している。だがこの法案に対してサムスン生命などの生命保険業界が強く反発していて、通過は容易ではない展望だ。生命保険業界は、法案の労災保険義務加入対象として保険設計士を除外すべきだと主張している。すでに法司委では権性東(クォン・ソンドン)セヌリ党幹事が反対し、一度係留された。

会議開始直前の10時10分頃、金聖泰(キム・ソンテ)環境労働委セヌリ党幹事が会議場に入り、李春錫(イ・チュンソク)新政治連合小委員会委員長、権性東(クォン・ソンドン)幹事などの与党委員と握手をしながら労災保険法改正案の通過を要請した。

手を差し出した金聖泰(キム・ソンテ)幹事は、同党の議員らに微笑を失わなかったが、権性東(クォン・ソンドン)幹事の顔は若干固かった。金聖泰幹事は直前の9時40分、公報副代表室で開かれた法案処理調整のための事前会議中に、法案通過に反対する権性東幹事に大声をあげて争ったという。

金聖泰幹事は小委の一日前の21日にも朴槿恵(パク・クネ)大統領の大統領選挙公約と、経済革新3ケ年計画を持って党指導部を尋ね歩き、労災保険法改正案の重要性を説得してまわった。労働部も与野法司委議員室を尋ね歩いて法案通過を要請したが、与党委員の雰囲気は通過を断言できない様子だったと伝えられた。同じ時刻、死活をかけてこの法案の通過を防いできた生命保険協会の幹部らも、法司委議員室を尋ね歩いていたと伝えられた。

セヌリ党が強く反対、新政治連合も強い通過の意志は見せず

だが結果は、今回のラウンドも生命保険業界が勝利した。与党議員の反発につきあたった李春錫委員長が法案通過を保留して審査を継続することに決めたのだ。第2小委で通過できなかった1次的な責任は与党にあった。セヌリ党所属の委員が強く法案通過に反対したためだ。

金鎮台委員はチョン・ヒョンオク労働部次官に「(特殊雇用職は)勤労者ではないが、こうして例外的な場合を押込むのか」とし「保険設計士が反対声明を出したのを知っているか」と尋ねた。しかしチョン次官は「その声明書には真情性がない。勤労福祉公団アンケート調査の結果は違う」と反論した。

金鎮台議員は続いて生命保険協会側の主張と同じ論理を展開した。金議員は「現行の体系の団体保険では受恵者が約11%だが、労災保険に変われば業務関連性の立証が難しく、労災保険受恵者は0.1%に過ぎない」とし「業務関連性立証の必要がなく団体保険が支給されるのに、なぜ労災保険を義務化しなければならないのか」と強調した。

同じ頃、チャムセサンが法案小委会議室の外で会った生命保険協会のある関係者もこのように主張した。この関係者は「保険設計士らが働いて怪我をしても、労災保険で業務関連性を証明するのはとても難しい」とし「他の特殊雇用職は職場や業務領域がはっきりしているが、設計士はそうではなく、逆効果がある。おばさんたちが保険を売りに行って怪我をしたのか、家にいて怪我をしたのか、これをどう区別出来るか」と強調した。

同党の金学用(キム・ハギョン)議員も「労災は危険な業種に恩恵を与えるもので、保険設計士が歩き回りながら事故が起きるか」と述べた。

権性東幹事は「労災保険は勤労者のために誕生した保険だが、特殊雇用職6職種は半分は勤労者で、半分は事業者で、50:50で保険料を負担する」とし「5職種は勤労時間に比例して所得増減がある職種だが、保険設計士は事業者性が最も強い職種で、保険設計士を同一に法的評価するのは過剰立法」と反対した。

また「民間保険に加入すれば選択的事項にするのが難しくはない」とし「設計士労災は交通事故しかない。次に議論しよう」と強く法案通過に反対した。

▲金聖泰議員が同党のノ・チョルレ議員と握手をしている。

しかし新政治連合所属の委員は概して法案通過を要請したが、この法案が社会的弱者階層である特殊雇用職の健康権に関する法案であることを考慮すれば、通過させるという強い意志を見せたとは言いがたい。

全海澈(チョン・ヘチョル)新政治連合議員は「環境労働委で政府も賛成したし、与野党の議員がほとんど満場一致で通過させた」とし「われわれ法司委が反対するのは正しくない。立法政策の問題を法司委で言及するのは他の常任委を無視することで、また法司委の越権の議論が出てきかねない」と通過を主張した。

同党の徐瑛教(ソ・ヨンギョ)議員も「保険設計士が適用除外申請署名をしないと面倒なことになる状況だと聞いた」とし「安くても、保障性が高い安い再保険が必要だ。通過させよう」とした。

だが洪永杓(ホン・ヨンピョ)環境労働委新政治連合幹事と共に声明書を出して今回の会期中に労災保険法処理を約束した李春錫(イ・チュンソク)委員長は「(雇用労働部が)与党議員に説明をしなかったか。雇用労働部はもっと与党を説得しろ」とし、法案係留を決めた。

審査を見ていた環境労働委のある関係者は「野党委員の態度は『私たちはやるだけやったのに、与党が反対する。私たちとしてもどうしようもありません。終わり』」だとし「通過させるという意志が見られなかった」と評価した。

この日の法案2小委員会の処理霧散で、労災保険法は11月にまた法司委審査に提出されることになるという観測が支配的だ。ただし環境労働委が進めている要求決議案などで強く要請すれば、また最後に残った2小委と法司委全体会議で議決する可能性もなくはない。環境労働委は「法司委越権禁止」決議案を常任委次元で採択する方案を検討したが、申渓輪環境労働委員長が法司委委員長に口頭で約束する線で終わっている。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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