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「構造調整残酷史で私の夢はKT定年退職」

[インタビュー]20年勤務した名誉退職対象者KT職員パン・ヨンシク氏

チョン・ジェウン記者 2014.04.21 11:01

サムスン電子社長出身の黄昌圭(ファン・チャンギュ)KT会長は、就任2か月で大規模名誉退職を施行した。 その対象者は勤続15年以上の労働者で、全職員3万2千人のうち2万3千人(72%)に達する。 また「福祉基金出資余力不足」を理由に大学生・中学生の子供の学資金支援、本人の学資金支援などの福祉制度もなくす。

KTは「高費用・低効率の人員構造を効率化」のために名誉退職を実施するが、事実上、労働者を強制退出させて、全労働者の非正規職化を進めるものと見られる。 これさえ名誉退職と同時に年俸2千5百万ウォンの勤労契約2年分の非正規職としてKT子会社に再就職するという意思を明らかにした場合だけだ。

KTは5月から現場営業、携帯電話開通、支社営業窓口業務を Ktis、KTCS、ITSなどの7法人の系列会社に委託することに決めた。

落ち着かない現場では、黄昌圭会長がサムスン電子出身の管理者を呼び、KT構造調整計画を立てたという噂が飛ぶ。 また、会社が李錫采(イ・ソクチェ)前KT会長の時に「不良経営の主犯」に数億ウォンの年俸を払い、また重責を任せたのに、労働者は強制退出させているという反発が続いている。

人工衛星5億で安売りして私たちには出て行け?
「再就職保障は言論プレー用...無料奉仕しろというようなもの」

「李錫采前会長は3千億ウォンを投資した人工衛星をスクラップの値段にもならない5億で香港に売却し、 黄昌圭会長はその時に辞任した倫理経営室長などの重責をKT顧問に呼び入れて労働者に不良経営の責任を転嫁した」

1994年に入社して、20年間働いてきたKT忠南舒川支社所属のパン・ヨンシク(47)氏はこう話して 「同僚は『人工衛星が5億ウォンなら私たちが金を集めて買い入れたのに』と冗談を言う」と苦笑いした。

また彼は「KTは電話局の電算と旧KTFの電算が違うので、有線無線統合コンピュータ・ネットワークを構築すると言って設備投資した費用2千700億ウォンを損失処理した」とし 「営業利益は黒字なのに、会社の不良経営に小細工をして構造調整を強行している」と批判した。

李錫采前会長の時の不良経営を直すには、経営陣の人的清算が必要だというのが多くの意見だ。 だが会社は人的清算には手をつけず、労働者の構造調整を強行するばかりのようだ。 今回の構造調整による「KTの革新」は、まったくおかしいという指摘が出る理由だ。

福祉縮小と名誉退職の補償として進められる再就職についても論議がおきている。 労働者たちは、会社が子会社のM&SやITSへの再就職を保障するという名目で、名誉退職金から3千〜4千万ウォンを削減して支払うと主張した。 こうなると、再就職して2年間に年俸5千万ウォンを受け取っても、労働者は1千〜2千万ウォンで2年間働く形になる。

「KTの再就職保障は言論プレー用だ。 ボランティアをするようなものなのに、誰が2年間の非正規職で働くか。 福祉恩恵は昨年まで7千億ウォンほど蓄積した社内福祉基金の利子収入で支給されていた。 だが会社は福祉基金についての今後の計画を明らかにしていない。 会社が分捕ろうとしている」

机を片付け車両の鍵を返却...強制退職を強要
組合員を守れなかった労組を批判...「無条件頑張るべき」

パン・ヨンシク氏が属する西天支社は、ITCS職群でたった一人を除き、すべて名誉退職の対象者だ。 構造調整発表最初日、労働者たちは右往左往した。 会社は続いて午後の勤務をさせて午前中は待機させ、四日目に「すべて机を片付けろ」と通知した。 ロッカーを整理し、車両の鍵も返却し、引受引継する準備をしろと言って、名誉退職を強要した。

五日目、労働者たちは机を奪われて仕事をせず休憩室で待機した。 会社の管理者は、こうした本社の指示文書を労働者には一切見せず、口頭だけで通知したという。

「同僚はとても不安に思っている。 40代後半は、子供の教育費などの支出も多く、名誉退職金を受け取ってもその金額では何もできない。 縁故地でもない全国のどこかに発令されるという噂がある。 会社が嫌がらせを続けたため、とても動揺している」

一部の労働者たちは名誉退職を決めたが、彼は1、2、3順位が書かれた希望勤務紙の作成も拒否した。 会社は希望勤務紙の作成を拒否したという確認書も要求したが、彼は一切作成しなかった。 20年長期勤続でご苦労さまと、今年3月2日に勤続盾をくれた会社は、4月8日には名誉退職しろという。 経営責任の転嫁はともかく、20年間死ぬほど働いたのがくやしくて、彼は会社のすべての指針を拒否した。

「勤務地は西天で、保寧の家から110キロの距離だ。 毎日通勤した。 会社は私が新労組活動をしているので、西天、保寧、唐津と転勤、遠距離発令を出した。 労組弾圧は激しかったが家族や同僚、労組活動する仲間たちのために粘った。 今、私の夢はKTで定年退職することになった。 頑張って生き残った」

彼は名誉退職についてあっという間に会社と合意したKT労組を強く批判した。 パン・ヨンシク氏は「KT労組は御用労組」とし 「給与体系で年俸制を導入する時も、あっという間に導入し、新労組ではない労組の組合員も守れなかった」と話した。

それと共に「会社の強い支配介入に対し、組合員に冷たい労組のおかげで先輩や後輩がそのたびに大挙解雇され、本当につらかった」とし 「KT労組はなくさなければならない」と用心深く話した。

KT構造調整残酷史は公企業民営化のため
「屋上を封鎖する前に、人を消耗品として使い捨てることをやめろ」

労働界によれば、KTは1998年に5184人、1999年に3672人、2000年に814人、2001年に1398人、2003年に5505人、2008年に550人、2009年に5992人の職員を追い出した。 現場では、会社は8千人ほどの本社職員だけを残してすべての部署をアウトソーシングするという噂が飛んでいる。

労働者たちは、KTがこうして何かあるたびに大規模構造調整を強行する理由は 「政府の公企業民営化政策のため」だと話す。 パン・ヨンシク氏は「KTは国民の力で作った企業」と強調した。

「金大中(キム・デジュン)政府の時に最初のターゲットとしてKTを民営化した。 KTは政府が資金を投入して作った企業ではない。 加入者が初めて電話を設置した時に、彼らは設置金を払った。 KTは積み立てられた設置金を再投資をして成長した」

パン・ヨンシク氏は、公企業の民営化は労働者を失業者にして、残酷な労組弾圧につながるだけでなく、国民の生活の質を落とすと再度強調した。 最近のKT個人情報流出事件も「ハッキング」ではなく、構造調整の必然的な結果だと指摘した。

「KT公企業の利益は、国民ではなく資本が分けあった。 効率性を強調するだけの新自由主義政策は、通信分野の公共性を傷つけている」

それと共に彼は今回の構造調整で、金大中政府の時に本格化したKT公企業民営化の結果として朴槿恵政権に続く 「KTの構造調整残酷史」が残したものが果たして何かを確かめるべきだと問い続ける。

雇用を失った労働者が追い出され、定年退職を夢見る労働者は強制退職の圧迫に苦しんでいる時、 会社は20日で名誉退職受付を早期終了するとし、KT建物屋上の入口を針金で封鎖した。 彼がとんでもないというように一言残す。

「労働者たちが占拠やデモをしたり、挫折した人が自殺を心配していつのまにか措置をしたが、 会社はつまらない措置をする前に、資本の利益のために人を消耗品として使い捨てることをまずやめろ」

付記
チョン・ジェウン記者はメディア忠清の記者です。この記事はメディア忠清にも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-04-21 19:58:40 / Last modified on 2014-04-21 19:58:41 Copyright: Default

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