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闘争9年で広場の送電塔をなくして地中化

韓電、2008年に工事着工したが経営条件の悪化を理由に2014年に再推進

ヨン・ソンノク記者 2014.02.10 11:08

韓国電力は、2008年度に住民の要求で約束した蔚山市北区ヤンジョン洞の住宅街にある送電塔2本を2月に撤去して、送電線路を地中化する。これは2005年、ヤンジョン小学校のすぐ裏手に送電塔工事をしようとするのを防ごうとしたことから始まった。今回の工事は住民たちが3年間の戦いの末に2008年の地中化約束を受けたが、5年経った時点での工事だ。

▲撤去される送電塔2本。蔚山市北区ヤンジョン洞の住宅街の広場にある154kV送電塔と裏手に見える現代自動車第2工場の中に立っている送電塔が撤去され、3区間の電線地中化工事が10日から始まる。(c)ヨン・ソンノク記者[出処:蔚山ジャーナル]

工事案内板もたてず工事した現場を父兄・住民に見つけられる
行政機関の違法事実を父兄が明らかにしたため工事中断

2005年11月、北区のヤンジョン小学校の校長は、校長室で正体不明の振動を感じた。 裏山を見ると、午前にあった木が午後には見えなくなっていた。 学校長は学校運営委員会に連絡し、父兄と共に現場を確認した。 山に登ると韓電が送電塔の基礎工事をしていた。

同じ時期にヤンジョン体育公園環境浄化奉仕活動をしていた住民自治委員長と住民も送電塔工事の情況を確認した。

学校運営委員と父兄は送電塔撤去のための父兄非常対策委員会(ヒョン・ミヒャン代表、当時ヤンジョン初運営委員長)を、住民たちは送電塔撤去のための住民非常対策委員会(パク・キョンス代表、当時ヤンジョン洞住民自治委員長)を設置した。 彼らは非常対策委を一つにまとめ、共同対策委員長をたてて3年間、送電塔反対の闘争をした。 韓電は当時ヤンジョン小学校の裏山(ヤンジョン山)にあった既存の送電塔(13番)の下の方にさらに154kVの送電塔を二本を(13-1、13-2)たてようとした。 送電線路は現代自動車に入る線路だった。 住民が発見した時、13-1番鉄塔はすでに基礎工事が終わった後だった。

対策委は、韓電が住民に隠れて迅速な工事をするために不法行為をしたと明らかにした。 韓電は作業の時に実測し保存すべき境界表示をせず、工事案内板も設置しなかった。 土砂放出と飛散粉塵、騒音などの対策を用意せず、騒音振動規制法 第25条に基づく特定工事の事前申告もしなかった。 対策委が現場を確認した時、工事は許可面積の20%を超える土地を無断に傷つけたが、これは開発制限区域指定および管理に関する特別措置法の第29条による工事中止命令、工事中止命令違反時の許可取り消しの対象だった。

対策委は北区庁(イ・サンボム区庁長)が韓電工事を許可する過程で法律的な瑕疵があることを明らかにした。 自治団体長は環境部長官などと共に事前に環境性検討を協議して、環境破壊や住民の生命と健康侵害の可能性を考えて、工事許可を出すべきだったが、そうしなかった。 対策委は北区庁も許可を取り消せと要求した。

対策委は、韓電の違法事実と学生・住民が送電塔建設で受ける被害の内容を作成し、1549人の署名とともに蔚山北区庁、蔚山教育庁、蔚山市庁、国民苦情処理委員会、梁山国有林管理所など11の関係機関に送電塔工事許可取り消しを要請した。

父兄と住民は2005年12月4日、韓電の工事現場進入路にテントを張って朝から工事車両の進入を防いだ。 集会を開くと200人程度が参加した。 住民自治委員会をはじめとする政府系の団体もすべて参加した。 それから10日後、北区庁は不法行為による工事中止を命令し、ヤンサン国有林管理所は韓電に国有林の使用中止を通知した。

韓電の工事施工社は、工事中止命令が出た翌日、父兄と地域住民11人に対して蔚山地方裁判所に工事妨害禁止仮処分を申請し、蔚山東部署に13人を業務妨害で告訴・告発した。

村を貫く送電塔の撤去と電線の地中化も貫徹
父兄の努力が際立ち、住民の参加も高く

2006年3月から北区議会、北区庁、住民と父兄、韓電、セマウルアパート再建築組合、施工者などは、全体懇談会を開き始めた。

2006年9月、学校のうぐ裏手の山に作られる13-1号機を撤去して原状復旧させること、すでに鉄塔ができていた14〜17番の送電塔を撤去して地中化することを決めた。 このうち16番はヤンジョン洞のヒルステートアパートの新築にあたり撤去され、学校裏山の鉄塔も撤去した。 13-2番は村に降りてこないように迂回することで住民が合意した。

結果を出す過程で13-1番の工事現場撤去の他に、既にあった15番鉄塔の撤去が争点になった。 15番送電塔はヤンジョン山から降りて村を貫き、住宅街の広場に作られた鉄塔だ。 対策委側は、住民の被害が大きい既存の鉄塔撤去を強く要求したが、懇談会を主管した彼らは13-1番を撤去しただけで、15番の撤去はゆっくり協議しようとし、陣痛があった。 父兄側の非常対策委は、最後まで住民広場にある送電塔を撤去することを主張した。 結果は住民広場にあった15番送電塔をなくし、電線の地中化に決定した。

▲ヤンジョン洞町役場入口にかかった地中化歓迎横断幕. (c)ヨン・ソンノク記者[出処:蔚山ジャーナル]

韓電は2008年12月、地中化工事に着工したが、2009年1月に韓電経営条件悪化などを理由に地中化事業を暫定的に中断した。

2010年、住民たちは地中化工事の施工を再度要求し、2013年に北区庁は地中化事業道路掘削審議会などを開いて行政手続きを補完した。 2013年8月、蔚山広域市道路占用工事現場の交通対策に関する条例を制定した。 韓電は2014年2月10日、地中化工事を始め、7月末に終える計画だ。

その当時、施行会社は東部警察署に父兄と地域住民13人を業務妨害で告訴・告発したが、取り下げた。 しかし住民代表のパク・キョンス住民自治委員長、キム・ジェファン住民奉仕団体会員、父兄代表のヤンジョン小学校ヒョン・ミヒャン運営委員長、キム・ヒョンジュ父兄委員の4人に略式罰金50〜70万ウォンが賦課された。 彼らは罰金が不当だとし、正式裁判を申請し、蔚山地方裁判所で無罪の判決を受けた。 検察は最高裁まで控訴し、彼らは地方裁判所-高裁-最高裁ですべて無罪判決を受けた。

これで2005年に始まったヤンジョン洞住宅街一帯の送電塔撤去闘争は、8年で鉄塔を抜き、電線の地中化にまできた。 行政機関ではなく住民が立ち上がって韓電の違法事実を明らかにし、送電塔反対の出発点だったヤンジョン小学校の裏山の送電塔工事中止だけでなく、既にできていた送電塔を撤去したのは注目すべきだ。 また、対策委に住民と父兄が積極的に動いた点が注目され、問題解決のために行政機関も努力を傾けた。

共同対策委員長になったパク・キョンス北区鳥村会長はインタビューで 「韓電はモグラのように夜にも工事を行い、いつ入ったのかわからないのに入って仕事をした」と回想した。 警察の出席要求、法定訴訟などで集めた書類だけでもダンボール箱5箱にはなるとし、苦しい時間を説明した。 その時の戦いを通じて鉄塔に対する勉強もした。

共同対策委員長になった蔚山労災追放運動連合のヒョン・ミヒャン事務局長は 「貴重な勝利だが、一度できた鉄塔をなくすために9年がかかった」とし 「都市のあちこちにできた大型送電塔にも対策が必要だ」と指摘した。 増設される送電塔による電磁波被害と自然の破壊は限度を超えていると指摘した。

付記
ヨン・ソンノク記者は蔚山ジャーナルの記者です。この記事は蔚山ジャーナルにも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-02-11 07:50:35 / Last modified on 2014-02-11 07:50:35 Copyright: Default

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