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政府がTPP参加に「関心表明」…労働者・農民団体の反発拡散

米、牛肉など完全開放...全農、民主労総など社会運動が共同対応を予告

チョン・ウニ記者 2013.11.30 15:40

修羅場の中で進められた環太平洋経済パートナー協定(TPP)公聴会の2週間後、政府が奇襲的に韓国のTPPへの「参加関心」の立場を表明し、反発が広がっている。

ヒョン・オソク企画財政相は11月29日の対外経済長官会議でTPP(環太平洋経済 パートナー協定)参加への「関心表明」の意思を示し、予備二国間協議を進める 予定だと明らかにした。「関心表明」は、TPP参加の可能性を打診するために、 参加条件について既存の参加国と「予備二国間協議」に入ることを意味し、 以後、公式参加宣言、既存参加国の参加承認、公式交渉参加の手順につながる。

政府はTPPが新しいグローバル通商秩序の創出に目標をおき、高い水準の自由化 を指向する21世紀型の多国間FTAで、参加の可否を最終決定するには交渉の動向 と参加条件についての情報収集が必要だという理由でこのように決めたと明ら かにした。

政府は12月3日から3日間、インドネシアのバリで開かれるWTO閣僚会議などを 契機として、既存のTPP参加国に政府の関心表明意向を伝え、今後、TPP交渉参加 12か国と「予備二国間協議」を進める計画だ。

農民団体、「米、牛肉全面開放露呈」と糾弾

▲15日の産業通商資源部TPP公聴会で農民が奇襲デモをした。[出処:資料写真]

しかし農民、労働者などの社会運動団体は、政府のTPP関心表明は事実上の参加 方針の宣言で、韓米FTAよりはるかに高い水準で被害を強制すると強く反発して いる。

全国農民会総連合のイ・デジョン政策委員長は、「政府がまず参加を決めて、 順序を踏んでいる」と前提にして「TPP後発走者として参加するためには承認を 受けなければならず、前提条件を明らかにしなければならないが、なんとかまだ 残っている米と牛肉を提案するのは明らかだ」とし「政府も知っているのに 推進するということは、農業を放棄するということ」と糾弾した。

イ委員長はまた「政府は来年の関税化猶予期間満了を前に、コメの全面開放後 も輸入米に高率の関税をかけ、被害を減らせると主張しているが、TPPと連動す ればこれは事実上不可能だ」とし「政府が虚無孟浪な詐欺行為をしている」と 指摘した。

イ・デジョン委員長は「政府はこれ以外にもTPPについて農業の被害はやむを得 ないという態度を示しているが、これもトリック」とし「韓国の経済に対する 影響は農業に限らないが、これを隠すために農業被害を浮上させている」と指摘、 「他の産業部門と共に全面的に対応する」と話した。

すでに農民団体は政府の立場が公開されるとすぐに声明を出して、政府の立場 に反対の意志を表明した状態だ。

農民の道(準)は11月29日に声明を出して、政府が「実益を検討するとして強行 した公聴会は、TPP参加のための要式行為だったことがあらわれた」とし「農民 の声を無視して、欺瞞的に進められるTPP協定に強く反対し、さらに多くの農民 が政府を糾弾する隊列に参加する」と厳重に警告した。

韓国農業経営者中央連合会は11月29日に声明を出して「15日に拙速公聴会を開 き、そのうち完全な市場開放を目的とするTPPに加入するという内心を表わした」 とし「韓国のような後発TPP加入国は、既存のTPP交渉の結果によって全商品を 開放をせざるを得ず、これにより農業部門も完全な市場開放が行われるのは 疑問の余地がない」と強く糾弾した。

この団体はまた、「政府が『TPP関心表明』という仮面をかぶって韓国農業失脚 の先頭に立つのなら、300万農民は死活をかけて政府に対する強力な闘争を展開 すると明確にする」と警告した。

「韓米FTAより高い水準の資本の利害が集中」

民主労総のリュ・ミギョン国際部長も「TPPは秘密裏に進められているが、超国籍 企業は貿易諮問委員という形態で米国政府から情報も提起され、立場を貫徹させる 資本中心の交渉だという程度しか知らされていない」とし「何の公論化もなく、 徹底した資本中心のTPPに参加するのは有り得ない」と批判した。

リュ部長はまた、「TPP参加国の中で、すでに憂慮が上がっており、知的財産権 条項などウィキリークスを通じて知らされた交渉内容を見れば、韓米FTAよりも はるかに高い資本の利害を保障する」とし「社会運動と共に闘争していく」 と明らかにした。

FTA対応汎国民対策委員会は12月6日にTPPの推進過程と問題、そして対応計画に 関する討論会を開き、政府のTPP参加を阻止するための本格的な議論を始める計画 だ。彼らは15日に産業資源部TPP公聴会の現場で緊急記者会見を行い「国民的な 要求を拒否すれば、巨大な抵抗に直面するだろう」と述べた。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2013-12-01 07:03:40 / Last modified on 2013-12-01 07:03:40 Copyright: Default

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