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政府の『電力大乱』は大げさ...原発再稼働の『アリバイ』か

危機対応訓練に使用制限摘発、「対国民広報用イベント作り」

ソン・ジフン記者 2013.01.09 16:53

冬季の電力不足が予想され、政府は1月10日、停電対備危機対応訓練を実施する など、電力難対応に拍車をかけている。ソウル市は1月3日から本格的に商店の 電力使用制限摘発を始め、ソウルメトロも10日、停電対備訓練を実施する。 しかし政府の電力難対応に『バブル』が混じっているという疑惑も提起される。 原発再稼働で代弁される政府のエネルギー政策に免罪符を与える『危機展示』 ではないかという疑問だ。

1月9日、ソウル市民間防衛担当官が発送した報道資料では、冬季停電対備危機 対応訓練を通じ、全市民の自発的な節電参加で冬季停電状況時の危機に対応す ると訓練趣旨を説明している。ソウル市はこの他にもソウル市傘下の官公庁の 昼食時間を電力使用ピークタイムの正午から11時に移動し、電力使用の集中を 下げると明らかにした。

▲政府の電力需給非常状況行動要領

しかし、こうした『危機対応』が電力使用削減にどれほど役に立つかは未知数 だ。実際に『電力不足現象』が発生するかは断言できないという指摘もある。 エネルギー正義共同行動のイ・ホンソク代表は「政府の電力難強調には政治的 な意図があると考える」と明らかにした。

進歩正義党の金霽南(キム・ジェナム)議員室も「電力使用に最大の比重を占め る産業用電気に対する対策は不十分なまま、一般家庭と商店のエネルギー使用 削減に偏っており、電力難を広報するのは眼につく効果を狙う対国民広報用の イベント」と指摘した。2012年の国政監査でも、産業用電力使用現実化の問題 に対する問題が指摘されたが、政府は適切な対策を出せないまま、一般家庭の 暖房エネルギーを減らすことを要求して電力危機を云々しているわけだ。

当初、今年の電力需給計画を樹立した時に電力不足現象が予想されたのは事実 だ。しかしその期間は1月末から2月初めまでの数日間で、それもピークタイム の数時間に過ぎない。2011年の電力使用現況を調べても、厳しい寒さが集中す る1月中旬頃に多少の電力不足現象があらわれる。しかし『電力不足』が現れる のも電力備蓄の余裕分が不足する程度で「政府が主張するように完全なブラッ クアウト(Black Out)現象はないだろう」と金霽南議員室は説明した。

イ・ホンソク代表はチャムセサンとの通話で「政府が今回の霊光5、6号機原発 再稼働の最大の理由として提示したのが電力不足現象だったので電力不足現象 を強調するのは意図があるのだろう」と主張した。

[出処:KBS ニュース キャプチャー]

金霽南議員室も政治的意図の疑いは拭えないと伝えた。金霽南議員室は「古里 のように、月城などその他の老朽原発も稼動させたい政府にとって電力不足は 最も良いアリバイになる」と明らかにした。

品質保証書の偽造事件と納品不正など、原発関連の事件についての検察調査も 終わっていない状態で、一方的に安全性検査を終わらせて原発を再稼働するた めに『電力不足』を打ち出しているという指摘だ。

日本も昨年8月、福島事故以後に全て停止した原発を再稼働するにあたり『電力 不足』を理由に打ち出した。当時、日本政府は大雪や竜巻などの災害や火災に 備えがない状態で安全性を確言し、確実な対応なしで原発を再稼働させるとし、 ひんしゅくを買った。偽造部品などの事故の捜査が終わらない状況で電力不足 を理由に原発を再稼働する韓国と似た状況だ。

朴槿恵(パク・クネ)当選者は、代表的な老朽原発である月城1号機の再稼働に対 し「徹底した検査が行われれば、原発の再使用を認めても良い」とし、事実上 再稼働に賛成の立場を示している。政府はまた、電力難を解消するために2015 年までに慶北、盈徳と江原、三陟に新規原発を建設する方針を固守している。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2013-01-10 05:53:18 / Last modified on 2013-01-10 05:53:19 Copyright: Default

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