本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:迫る構造調整、GM大宇非正規職との連帯を
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1254622311844St...
Status: published
View


迫る構造調整、GM大宇非正規職との連帯を

[寄稿]GM大宇の非正規職弾圧は大規模構造調整の予告弾

ハン・ジウォン(労働者運動研究所(準))/ 2009年09月28日18時09分

先週、GM大宇富平工場の用役下請け業者であるデイル実業とチアイテクは所属 労働者に9月末からGM大宇元請と請負契約を解約すると一方的に通知し、同時に 春から使用者側の無給休職と希望退職要求を拒否して休職中だった金属労組非 正規職支会の組合員たちにいっせいに解約通知書を発送した。これらの企業は 非組合員労働者には辞表作成後、新規業者就職を斡旋すると懐柔しているが、 これはすでに1年前にスピードパワーワールドなどの下請け企業が労働組合破壊 の一環として業者廃業後に新用役業者を作り、元請と請負契約を結んだ既存の 事例と同じだ。

すでに千人以上の非正規職を解雇したGM大宇と下請け企業がまたこの期に及び、 こうした工作を行う理由は何か?

市場論理の通りなら、GM大宇労働者の相当数は解雇されなければならない

まず9月に入り再開された非正規職労働組合への弾圧の背景を調べるために、 GM大宇が処している経営上の条件を調べよう。

ご存知の通り、GM大宇は2008年末に1兆ウォン規模の当期純損失を記録した。輸 出時の為替レート下落の危険を防ぐための先物契約が為替レートの暴騰で穴が あいたのが主な原因だった。世界40数か国で自動車生産と販売をする超国籍企 業GMの系列会社が逆の為替レート変動を予測し、韓国で他の業者と比較にもな らないほど多くの派生商品の処分および評価損失をこうむったのは常識的に納 得できない話だ。意図的な資本流出疑惑などが提起される部分だが、とりあえ ず現在まで具体的に明らかになっていない。GM大宇は2008年末までこの派生商 品の処分損失で1兆ウォンを失った。

ところが問題はこれが2008年末で終わっていない点だ。GM大宇は現在も先物契 約の満期が来ている。2009年5月に市中銀行と一度満期延長をしたが、2009年に 先物は損失にしなければならない金がおよそ1兆2千億ウォン規模だ。GM大宇の 先物契約が普通2年未満であることからみて、ずっと返し続けなければならない と見られる。さらに生産の80%以上をGMを通した輸出に依存していたGM大宇は GMの破産と世界経済危機が続いていることで、年平均(2006〜2007年)の半分し か販売できない。すでにこのように生産が半分以下に落ちて半年が過ぎた。

このような状況でGM大宇使用者側は今までそれなりに賃金カット、循環休職、 非正規職解雇などで耐えたが、今はこれも苦しいようだ。まさにGMヨーロッパ 法人の核心企業である(Opel、英国ではVauxhall)が、カナダ部品業者のマグナ とロシア連邦預金銀行コンソーシアムに買収されることになった。オペルはGM ヨーロッパ法人販売の70%を占める。オペルの売却は事実上、GMヨーロッパ法人 の解体だ。

問題は、GM大宇輸出の半分以上がシボレーのブランドでヨーロッパに輸出され ていることだ。GMヨーロッパが事実上、崩壊直前まで追いやられている状況で、 GM大宇がヨーロッパに輸出する道が構造的につまった。GM大宇はカルロス、ラ セティ、マティスなどの小型車を中心に、2008年基準40万台ほどをヨーロッパ に輸出した。さらに今回のオペルの買収に積極的に参加した国家がロシアだと いう点も大きな問題で、GM大宇はヨーロッパ輸出の半分がロシアだ(2008年基 準)。国家的次元で自動車生産を企てているロシアがマティス程度を除けば、 GM大宇と同じような製品ラインを持つオペルを買収することで、GM大宇のヨー ロッパ輸出はさらに減る可能性が高い。

GM大宇は経済危機による生産減少とともにグローバルGMの再編により中長期的 に生産が減少する状況に置かれることになった。そして超国籍企業の下請工場 になったGM大宇にとって、この過程でできることはあまりない。ただできるこ とは生産販売の減少に合わせて人員を調整、費用を下げることだ。長期的には 生産の削減が必然という状況で、GM大宇が自動車市場の基準をそのまま適用し、 構造調整を進めると、現在の労働者の30〜40%は解雇しなければならない。

非正規職労組弾圧は全GM大宇労働者の最初の戦線だ

このような点で、現在のGM大宇と下請け用役企業等が金属労組非正規職支会を 弾圧するのは、今後の大規模な構造調整のためのGM大宇の最初の手続きである 可能性が高い。特に現在、事務職労働者の希望退職も進めている点は、この 可能性にさらに重さを与えている。

GM大宇が考える構造調整の時期は、GM大宇の新任社長が就任して、GM本社会長 が訪韓し、政府の支援の有無を確定した後になるだろう。現在、GM大宇は産業 銀行に増資参加、借入れ金償還延期、運営資金追加支援など、GMの2兆ウォンほ どの資金を要請状が就任して政府が双竜車と違い地域経済と製造業全般に及ぼ す影響が大きいGM大宇の支援を完全に拒否するのは容易ではないと見られる。

だがすでに産業銀行総裁がさまざまな言論インタビューで明らかにしたように、 産業銀行はGM本社次元の長期的なGM大宇運営方案を要求するだろうが、問題は この長期的経営方案が人的構造調整を含まざるをえないことだ。GM本社は産業 銀行の決定に対する名分をあたえる次元で、新車開発、長期的生産など象徴的 な発表をしても、GMの下請け生産工場であるGM大宇の根本的な位置調整が形成 されない以上、これら全ては象徴以上ではない。

今残されているのは政府の支援が超国籍企業GMへのばらまきと整理解雇のため の構造調整基金に使われるのか、あるいは労働者の雇用保障の雇用保障基金に 使われるのかだ。GM大宇労働組合が現在のように使用者側の寛容を望むだけで 闘争を組織しなければ、産業銀行支援は労働者を解雇する武器になる可能性が 高い。前に説明したように、GM大宇がGMの国際下請工場に残る限り、これ以上 生産を維持する要因はない。さらに経済危機が今後相当期間続く可能性も高い という点も、GM大宇の経営に大きな影響を与えるだろう。

したがって、非正規職労働者の解雇と使用者側の労働組合への弾圧に正規職労 働者が積極的に立ち上がり、共に闘争することが今、大変重要だ。GM大宇労働 者が団結した力で使用者側の鋭鋒をくじけずに退けば、その次はさらに大きな 整理解雇を要求してくるからだ。これから行われる構造調整は、数百人の水準 で終わる性格ではない。非正規職労働組合への弾圧を即刻中断し、現在進行中 の非正規職解雇を中断させることが今後の構造調整阻止闘争の第一歩だ。

市場の論理を越える要求だけが自動車労働者の生きる道だ

もう一つだけ考えれば、GM大宇があれこれの構造調整をしても世界経済危機と 自動車産業の過剰蓄積という条件で全て『市場の論理』で生き残れるのかとい う問題だ。GM本社による北米での小型車生産計画、ヨーロッパ小型車市場の喪 失、韓国内需市場の量的限界、中国、インドなどの新興自動車生産国の生産拡 大と技術格差縮小、高効率自動車、電気車など、新車生産に必要な巨大な資本 とこれによる自動車企業全般の資本収益性の低下など、GM大宇をめぐる条件は、 何もGM大宇に有利なものがない。

このような状況でGM大宇労働者がGM大宇の生産増減、または販売増減だけに賭 けるのはあまり良い方案ではない。今後の闘争は資本の死活を変数にした労働 者の生存でなく、労働者の生存そのものを変数にした要求と代案を作ることだ。 韓国で今後も今のような形で自動車産業を維持し続けられなければ、代案的な 構造調整のための労働者市民の案が提出されなければならない。もちろんこの ような案は単発性のアイディアでなく、全社会的な再編までを念頭におく長期 的なものでなければならない。

したがって現在重要なことは、現在のいろいろなバラ色の展望ではなく、代案 的な構造調整の過程を労働者の労働権に対する犠牲なく進められる政府の支援 と資本の統制方案だ。例えば、李明博政権は自分たちが作った不動産バブルの 解決のために、資産管理公社に構造調整基金という名分で20兆ウォンを造成し た。この金は建設会社を支援する金だ。また派生金融商品と不動産投機などの 金融投機で不十分になった銀行の支援に20兆ウォンを銀行資本拡充ファンドと いう名で作った。資本は自分たちが作った不良を処理するために2009年だけで 市民の現在と未来の税金を担保に40兆ウォンを造成したが、現在、労働者たち はこんな財政に何の統制権も持たない。

GMはいざという時はGM大宇を捨てて行っても、すでに十分にGM大宇を利用した。 だがその中でGM大宇労働者たちは生存の崖っぷちに追い出されるだろう。資本 の活路でなく、労働者の生存の闘争が重要な時期であり、この闘争は非正規職 労働者の闘争を援護し、共に勝利に導くことから始めるほかはない。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2009-10-04 11:11:51 / Last modified on 2009-10-04 11:11:54 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について