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「本人確認の後に文を書けという国がどこにあるか」

情報人権団体が インターネット実名制法案の国会通過に強く反発

キム・サムグォン記者 quanny@jinbo.net / 2006年12月27日16時07分

インターネット実名制の導入と情報通信副長官に対する不法情報の削除命令 権の付与を骨子とする「情報通信網利用促進および情報保護などに関する法律」 (情報通信網法)改正案が、去る22日に国会本会議を通過したことで、情報・ 人権・社会団体が強く反発している。

文化連帯、人権運動サランバン、指紋押捺反対連帯、進歩ネットワークセン ター、韓国労働ネットワーク協議会などの11団体は28日、声明書で情報通信 網法改正案について「インターネットでの国民の表現の自由を恣意的に統制 する毒素条項に満ちている」とし「改正案の通過は、国民の耳と口を防ごう とする政府と与野など権力集団の野合そのもの」と主張した。

実名制を履行しなければ科料3千万ウォン、不法情報には削除命令

改正案は、公共機関をはじめ、ポータル、インターネット新聞など、一日の 平均利用者数が一定の基準に該当する掲示板を設置・運営する場合、情報通 信サービス提供者が利用者に対する本人確認措置を義務化するインターネッ ト実名制の導入を骨子としている。また改正案は実名確認措置をしない情報 通信サービス提供者に対して情報通信副長官が是正を命令し、履行しなかっ た場合は3千万ウォン以下の科料の賦課を強制している。

また、改正案は「不法情報の流通禁止など」の条項を新設し、情報通信倫理 委員会が情報の不法性を判断した後、情報通信副長官が削除を命令する権限 を与えている。情報通信副長官の削除命令に反して、該当掲示板の管理者ま たは運営者がこれに応じなかった場合、該当運営者は2年以下の懲役、また は1千万ウォン以下の罰金が課せられる。

特に、改正案に規定された不法情報には、△虚偽の事実を指摘して、他人の 名誉を傷つける内容の情報、△正当な理由なく情報通信システムなどを傷つ けたりその運用を妨害する内容の情報などのほか、△法令で分類された秘密 などの国家機密を漏洩する内容の情報、△国家保安法が禁止する行為を遂行 する内容の情報なども含まれており、議論が予想される。

インターネット実名制は「全国民の表現の自由を萎縮させる」

各情報人権団体は、今回のこのような情報通信網法改正案に対して「旧時代 的な検閲の亡霊がよみがえった」と嘆いた。彼らはインターネット実名制の 導入について「世の中に本人確認をしてから書き込みをさせる国がどこにあ るのか」と問い、「情報通信部は『制約的本人確認制』という欺瞞的な用語 を使っているが、ほとんどの国民が主要ポータルサイトを利用しているとい う点で、これは全国民の表現の自由を萎縮させる制度だ」と批判した。また、 公共機関のサイトへの実名制導入に関しては「政府への批判そのものを封じ ようとするもの」と批判した。

実名の確認方法についてもこれらの団体は「改正案は、どんな『本人確認』 方法を使うのか明示せず、施行令に任せている」とし、「改正案は、『本人 確認のために、安全で信頼できるシステムを開発するための施策を用意』す るとなっているが、われわれは現在一般的に使われている『名前と住民登録 番号対照方式』が利用されることを憂慮せざるをえない」と指摘した。

「誰が行政府に司法的判断の権限まで与えたのか」

特にこれらの団体は、改正案が情報通信倫理委員会には不法情報につい判断 する権限を、情報通信副長官には情報削除命令権を付与していることに関し て「一定の条件下で基本的な表現の自由が制限されることには同意するが、 それは厳格な司法的判断の下で行われるべき」と主張した。

彼らは「これまで情報通信倫理委員会は『不法情報』という恣意的な判断の 下で是正要求をしてきた。これに応じなければ情報通信部長官が『削除命令』 をすることができるようにしている」とし「誰が彼らに他人の表現を削除す る『司法的判断』の権限を与えたのか」と反問した。

これらの団体は続いて「情報通信部長官が(そしてこれを審議する情報通信 倫理委員会が)不法について判断することも問題だが、不法に対する司法的 判断も行われていない情報についての情報通信部長官の削除命令に応じなかっ たという理由で、掲示板運営者などを刑事処罰するのは過度な規制だ」 と付け加えた。

特に「情報通信倫理委員会は、北朝鮮関連の掲示物や政府に批判的な掲示物 に対してとんでもない是正要求をしてきた」とし「今回の改正案は、インター ネットを使った進歩的社会運動と、政府への批判活動を無力化しようとする 政府の宣戦布告だ」と主張、△情報通信網法案の全面的な再改正、△インター ネット実名制の即時廃棄、△情報通信倫理委員会の解体と政府による恣意的 なインターネット検閲を即時中断することを要求した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2006-12-27 23:34:41 / Last modified on 2006-12-27 23:34:42 Copyright: Default

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