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休めない、しかし見えない障害女性の労働

[世界女/性労働者大会企画連載]N個の性、N個の労働、N個の労働者、N個の労働現場(3)

イ・ジニ 2018.10.12 10:56

[企画者の言葉] 10月27日に清渓広場プレミアビルの前で世界女/性労働者大会が開かれます。 世界女/性労働自大会は、労働の性別化と性的階層の中で非価値化されて行く労働を表わし、 直接私たちの労働を語り、宣言する場です。 この企画では、第1回世界女/性労働者大会準備委員会は、 今までなかった女/性労働の現場と多様な女/性労働者たちの話を伝えようと思います。 ( 世界女/性労働者大会FaceBookページ/リンク )

[連載順序]

(1) あなたにとって女/性労働とは何か | スム

(2) レズビアン労働者ハナ、トランスジェンダークィアー労働者リナの話 | キム・ハナ・リナ

(3) 休めない、しかし見えない障害女性の労働 | イ・ジニ

(4) 性労働者ニェニョンの話 | ニョニョン

[出処:ピクサベイ]

家でAが接近できる所は少なかったが、部屋の床ですべき仕事はいつも与えられた。 野菜の下処理、ネギ/玉ネギ/ニンニクむき、洗濯アイロンがけ、ふき掃除…。 身体障害で歩けないAのために開発されたかのように、床に座ってできる仕事は絶えなかった。 他の兄弟のように学校に行かないのでAには時間が多く、 家の手伝いは当然だと思った。 特別な食べ物を作るわけでもないが、六人家族のご飯を作って食べさせる日の連続だった。 家で自分ができる仕事があるということに満足し、肩の向こうからお母さんの料理の技を学ぶという自負心もあった。 しかし自負心は名節のたびに必ずくじかれた。 名節のお膳に上がるすべての料理をお母さんと一緒に一生懸命作ったが、 お母さんとAはご苦労さんという言葉を聞くことはできなかった。 口裏を合わせたかのように、親戚は「あの子はあんなに大きいのにどうして生きていくのか」、 「世話をするのが大変だね」と言って家族の心配を大きくした。 仕事をしても認められないという思いに腹が立ったが、 うまく家事をやっても、せいぜいこの程度かと落ち込んだ。 後で知ったが、大部分の障害女性の友だちも似たような経験をして生きていた。 何もできないと思われる体だが、いつも家で何かしていた。 振り返れば家事労働は障害女性の私にも何かができるということを家族に証明するためのあがきだった。 何もできないと居直ることもできたが、それでは本当に何もできない役たたずになりそうで苦しかった記憶。 学校にも会社にも行かなかったAの時間と労働は、家族は誰もが簡単に使える公共財のようなものだった。 誰も意味ある価値を認めず、だから補償もなかった。

重症障害女性Bは聞きたくなくても避けることができず、 家族の八つ当たりの対象になった経験を聞かせてくれた。 体を動かさなくても家族の感情を見て、ケアして、厳しい感情労働をしながら 毎日を過ごさなければならなかったという。

Bは金を稼がなければならないと思った。 違うことができることを見せたかったし、独立するにはお金が必要だった。 社会が要求する学歴を得るために5年間一生懸命勉強して大学入試検定試験にも通った。 勉強する期間は一番楽しかった時間だと記憶する。 勉強が楽しかったというよりは、検定試験に通ればもっと多くの新しい機会が与えられると思ったからだ。 しかし高卒検定試験の学歴を持つ障害女性に機会は与えられなかった。 障害者雇用促進工団に登録もしてみたが、意味ない何度かの面接の機会が全てだった。 高卒の学歴を得たという楽しみは、つかのまだった。 高等学校を卒業しても雇用がないという絶望がさらに大きく訪ねてきた。

障害女性の友だちを通じて、うわさをたよりに雇用を捜してみた。 検定試験に備えながら、会った友だちは家でできる仕事だとし、 モーニングコールのアルバイトを提案した。 主に早朝や深夜に人々を起こす仕事だった。 友人は何人かコールをすればいくらの収入になると言って始めてみろと薦めた。 家の外に出て行きたくて始めた勉強なのに、また家で仕事をするのだと思うと気が向かなかったが、 誠実に数人のモーニングコールをすれば収入も少なくないと思った。 Bが引き受けた顧客のほとんどは男性だった。 丁重に電話を受ける人々もいたが、優しい声やセクシーな声で起こしてくれと要求する人も少なくなかった。 モーニングコールは、ただ起こす労働ではなく、性的サービスを伴う仕事だった。 「その仕事でいくら稼げるのか?」、「お小遣をあげようか?」と言われた時は、 今月いっぱいはやらなければいけないとも思った。 だが固定した収入の雇用はすぐに見つけるのが難しく、 車椅子に乗って移動する問題や、接近権の問題に悩まなくても良いのでやめられなかった。 紹介した友だちも似たようなことを経験していたが、二人はそんなことは口に出さなかった。 その時、初めてBはなぜ友だちがモーニングコールの電話番号は別に新しく作れといったのかわかった。

モーニングコールの需要が減ると、身体障害女性が接近可能な労働の一つはテレクラのアルバイトだった。 Bの記憶が正確なら、当時、時給4千ウォン以上だったこの仕事は、 電話で友人になるという広告とともにかなり魅力的に聞こえた。 交差路、蚤の市のような新聞に広告があふれ、Bも自然に接近するようになった。 電話をかけた時、露骨にテレホンセックスや直接会うことを要請されなければ、 ひとりと長く対話することはそれほど悪くもなかった。 障害女性が性労働をしたといえば信じない人も多いかも知れない。 数年前にはチャット、テレクラなどが活性化していた。 言語障害がある障害女性にはオンラインチャット基盤の活動が、 身体障害があって言語障害がない障害女性にはテレクラが顔を出さずに接近できるとても重要な仕事であった。 めずらしいが実際に会って恋愛したり、代価を受けて性関係をすることもあった。 だが眼に触れる障害を持っているため道で見つからないか、 もし何か悪いことがあればどうすれば脱出できるか不安に苦しまなければならなかった。

[出処:ピクサベイ]

重要なことを分ける基準は何か

先日、久しぶりにCに連絡すると、母親の病気の看護で外に出るのが難しいという。 兄弟は何をしているのかと尋ねると、皆忙しくて両親のケアは自分の役割だとため息だ。 それでも他の人たちは年を取っても両親が世話をしていると誤解するのでくやしいという。 自助の会の活動と演劇の会には行くが、行かなくてもそれまでで、 「社会的労働」とは認められない。 社会を変える動きに参加していると主張しても、 障害女性が集まってすることは生産的な活動とは見られない。 家族と子供がいる他の兄弟のために自分の時間を譲歩しなければならない。 さらに重要な生産的な労働をする人たちのために、 いつでも放棄して犠牲にする準備をしろと暗黙的に強要する。 重要なことを分ける基準は何だろうか? 非障害/資本主義的/異性愛中心の「生産」に対する正義の中で、 障害女性のからだと労働は非生産的で非効率的だと区分してきた。 それでいつももっと重要なことのために自分ののことを放棄する準備をしなければならなかった。 休むことなく動きながら作った時間と労働、価値の不認定は、結局人生と存在に対する不認定でもある。

重症障害女性はたびたび、息をするのも、生きていくのも労働だと話す。 空気を肺に吸い込む行為も、体を動かして時間と力を使う仕事で、 その瞬間にもその空間で数え切れない関係を結びながら、 感情労働とケア労働をしなければならないから、間違いではない。 しかし経済活動への参加率63.3%(2016年基準)に含まれない人はすべてが非経済活動人口だ。 経済活動人口に含まれているとしても、ほとんど最低賃金例外の対象である場合が多い。

2018年基準、保護作業場で働く障害者労働者8906人のうち7257人は最低賃金適用から除外されている。 障害者保護作業場の平均時給は2万835ウォンで、ソウル市は1961ウォンで最下位だ。 制度的には最低賃金法例外条項に置かれているからだ。 しかしケア労働をしながらも、退職金が上がらない11か月契約職労働をして、 社会を変化させる労働をしても、 生存のための労働を休みなくしながら障害女性は生きていく。 障害があっても私のからだは生産的だと証明しようとしているのではない。 ケアと生産が健康な非障害男性の役割だという思いから抜け出すことで、 世の中を動かす労働に障害女性が参加していることを発見するだろう。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2018-10-11 09:00:32 / Last modified on 2018-10-21 08:07:18 Copyright: Default

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