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スクールMeToo1年…「意志ない政府を信じて告発するのは難しい」

[インタビュー]スクールMeToo集会を提案した青少年フェミニズムの会ヤン・ジヘ運営委員

パク・タソル記者 2019.02.15 16:46

「女は子供を生む機械」、 「可愛い女子学生が膝に乗れば評価で満点を与える」といったセクハラから 「女はニコニコ笑って返事が上手でなければならない」、 「(女に)セクシーだというのは称賛だ」といった性差別的言動まで。 女子学生にとっては学校も安全な場所ではなかった。

昨年MeToo運動が広がった時、女子学生たちはツイッターでスクールMeTooのハッシュタグを付けて学校で起きる性暴力を告発した。 SNSで点火したスクールMeTooは、2018年4月に容華女子高校卒業生が教師の性犯罪事実を告発し、オフラインまで広がった。 その後、70以上の学校でスクールMeToo運動が行われた。 ほとんどの加害者は教師だった。

学生当事者たちは集会を開いて告発を続けた。 昨年11月3日、青少年当事者が主催する初の集会「女子学生のための学校はない」が開催され、 その後、大邱、忠南、仁川、釜山などで全国的なスクールMeToo集会が続いた。 2月16日には青瓦台サランチェの前で 「スクールMeToo、大韓民国政府は答えろ」という全国規模集会が開かれる予定だ。

チャムセサンはスクールMeToo 1年をむかえ、 スクールMeToo集会を提案した青少年フェミニズムの会のヤン・ジヘ運営委員と会った。 ヤン氏は最近スイスのジュネーブを訪問し、 UN児童権利委員会の関係者と会って韓国のスクールMeTooの現況を伝え、 UN児童権利委員会に本審議主題にロースクールMeTooを上程するよう要請した。

●UNに行ってどんな話をしたのか

国連の活動家は韓国で学内性暴力がなぜ蔓延するのか理解し難いといった。 先進国で、児童保護に合意した国ではないかということだ。 申告先はあるのか、保護者はどうしているのか、色々なことを聞かれた。 事実、韓国に制度がないわけではない。 学校にはWeeクラス(学校、教育、地域社会が関連した相談・教育プログラム)、 学暴委、性苦情審議委があり、教育庁も捜査の手続きがある。 だがこれら全てが形式的だったりとても遅く、 被害者はまともな支援を受けるのが難しい。 またスクールMeTooの相当数が授業時間に不特定多数を対象とする言語セクハラだが、 司法的処理されることが難しい文化的、根本的領域がある。 また告発を難しくする入試重点の教育などを説明したため、話も長くなった。

▲UNで韓国のスクールMeTooを説明中であるヤン・ジヘ運営委員[出処:青少年フェミニズムの会]

●UNの招請があった。UNが韓国のスクールMeTooに注目した理由は何か?

国際社会では深刻な児童性暴力問題も多い。 パキスタンでは生理の子供を不潔だと言って追い出す慣習もある。 UNの関係者は学内性暴力当事者が告発し、 市民の拡大でこの運動が大衆的に大きくなった点がインスピレーションを与えたという。 オンライン ファンディングで国連に来たというと驚いた。

●UNが問題リストにスクールMeTooを上程したら期待する変化は?

スクールMeTooが起きた昨年より今年のほうがはるかに重要かもしれない。 続出する告発時期を越えて展望を作る時期で、 要求を貫徹するためにさらに大きな関心と支持が必要だ。 国際社会でスクールMeTooについて韓国政府に当事者の声を反映した勧告案を出せば、 それ自体で力付けられるのではないか。

●「スクールMeTooは昨年ツイッターハッシュタグ1位を記録するほど波及力が大きい議題だった」と話した。スクールMeTooは学校をめぐる当事者にどんな影響を与えたと思うか?

学生に言葉に注意しなければならないという感覚でもできたことが、教師たちの大きな変化だ。 最近、教総(韓国教員団体総連合会)がMeTooによる教権侵害を話して 身体接触の許容基準を作ってくれと言ったが、 性暴力被害を身体接触に限定し、物理的な範囲だけで考えている事実は腹立たしく、残念だ。

学生は話し始めたことだけでも多くの変化があったと思う。 1年が過ぎ、悲しい結果に向き合っているが、 それでも彼らの話が学校に亀裂を入れている。 しかしMeTooやフェミニズムが烙印になって、 学校でフェミニストだと言うことがテロの危険を甘受しなければならないことになりかねないということが最近の悩みだ。

▲インタビュー中のヤン・ジヘ青少年フェミニズムの会運営委員[出処:キム・ハンジュ記者]

●昨年12月21日に関係部署合同で教育分野セクハラ-性暴力根絶対策が発表された。「セクハラ-性暴力から安全な学校文化造成」を目標に大きく六つの政策を含んでいる。懲戒制度改善、被害者回復、教育などに焦点が合わされているが、どう評価するか?

スクールMeTooの解決策を見出すための政府部署懇談会もあり、 政府で自らこの問題に気を遣っている。 だが政府の対策は予防教育強化だけに集中して、 構造を変えるための学生人権増進、入試重点教育に対する問題はない。 また教育部は性差別的な性教育標準案を固守し、 18年まで維持しているのに実効性ある教育が可能なのかという疑問も感じる。

また学校がとても多く、性暴力の実態全数調査ではなく現況調査をするというが、 本当に学校性暴力問題を解決する意志があるのかと訊ねたい。 意志のない政府を学生が信頼して告発できるだろうか? 70〜80校(推定値)でスクールMeTooが発生したということは、 個別の事件ではなく性暴力を維持してきたシステムを告発することだった。 正確な実態把握のために全数調査はぜひ必要な過程だ。

●スクールMeTooを触発したソウル容華女子高校で最近加害教師が不起訴処分になった。捜査当局や司法当局でスクールMeTooに不利な判断をする事例が他にあるか?

教育庁監査で性暴力事件を全数調査したケースがいくつかの学校であったが、 10分で調査が終ったり、 アンケート調査がオープンな場で行われたりもしたし、 告発者の名前の露出、不十分な質問項目といった問題があった。 政府が責任を持ってスクールMeToo解決フォーマットとプロセスを構築し、 モニターしなければいけないと考える。 捜査機関の積極的な捜査の意志にも影響を与えるだろう。 現在、警察や検察で児童性暴力被害の特殊性を考慮した児童親和的捜査が行われておらず、積極性や体系性もない。

●スクールMeToo告発者は女性でもあるが、年齢が若いという点でさらに弱者の位置にある。告発者が2次加害と身辺の威嚇に苦しむというが具体的な被害事例、規模を知りたい。

チョンバル高では告発者が書いたツイッターを警察が情報を消さずに学校に渡したし、 告発者はツイッターを消せという圧迫に苦しんだ。 クァンナム中では加害者とされた教師がクラスを歩き回って 「誰が話したのか、お手柔らかに」と話したが、 学生に対する嘲弄であり2次加害だ (クァンナム中のMeToo告発は教育庁と警察が真相調査を始めたのに続き、 教育庁特別監査まで続きいて該当教師が重懲戒処分された)。 このほか、他のMeToo告発学校でも探索の試みが続き、 被害者の陳述に信憑性がないと一蹴したり 告発者の名義で謝罪を要求するなどが行われている。

●どんな対応が必要か?

告発者が過度なスポットライトを浴びたり過程上の困難で告発を止めないように、 互いにつながった一つの集団性を持って戦うことが目標だ。 不十分だった性暴力相談に対する支援、 法曹界を通じた法律的支援プロセスも作り、 告発者が皆で集まって展望を作る予定だ。 学校当局を越えた組織に力を付けなければならない。 A高の問題ではなく、教育体制全般の問題であることを示し、 包括的な教育を変える方式で対応することが必要だ。 学内闘争も重要だが、それが告発当事者、学生当事者に負担を与える方式なら、 もっと大きな枠組みでこうした動きを続けていかなければならない。

▲昨年11月3日〈女子学生のための学校はない〉集会現場[出処:青少年フェミニズムの会]

●スクールMeTooの告発者は主に学生だ。労働者たちにはストライキという武器があるが、学生はどう戦わなければならないのか?

労働者のストライキは政治的に認められているが、学生には脱政治性、純粋性、被害者性が要求される。 こうした条件でSNSでの告発は10代フェミニストの新しい闘争戦略だ。 一般的に青少年は午前9時から夜9時まで学校に従属する人で、 彼らにとってSNSは波及力を持つアクセスしやすい空間だ。 それだけに限界もあるが、一つの運動に結びつくことは難しいという点がその例だろう。 だからオンラインの告発を続け、連帯してきた人々を集会などを企画してオフラインに呼び、連帯と交流を拡張している。

●フェミニズム教育が現教育課程では「両性平等教育」程度で代替されているが、フェミニズム教育はなぜ義務化するべきか?

既存の両性平等教育や性暴力予防の観点そのものが限界的で性差別的だ。 両性平等自体が性多様性を認めない。 こうした教育は既に教育部が固守してきた性差別的で被害者に貞操を強要してきたことと違わない。 成人誌の感受性は少数者、女性の存在を消すことができないという性教育から出るが、 人権と多様性を中心とするフェミニズム教育が必要だ。 性暴力が単に個別の人の権力の差ではなく構造的な部分だということを表わさなければならない。 男女の身体的な力の差を語るのではなく、階層、威力を語らなければならない。 権力構造に対して省察することができ、 平等な学校を作ることができる方式のフェミニズム教育を要求している。

同時に今の入試中心の教育の中で、 フェミニズム教育が果たしてフェミニズム的になされるかという悩みもある。 入試中心の教育では基本的に人権時数や実効的な授業を確保することは難しい。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


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