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「労働者連帯、性暴力被害を強制的に事件化された」

[運動社会MeToo]被害者J氏、労働者連帯から性暴力2次被害事実明らかに

チョン・ウニ記者 2018.05.03 23:13

国内の左派政治団体である労働者連帯が性暴力被害者に2次被害を与え、苦痛を受けているという主張が出てきた。 チャムセサンにこの情報を提供したJ氏は2年前にある討論会で 「15年前、運動社会で性暴力被害を受けた」という事実に言及したことで、 労働者連帯から強制的に性暴力被害が事件化されて困らせる中傷謀略だという非難を受けたと明らかにした。

自分の被害経験に言及したJ氏

J氏が参加した討論会は2016年2月、ソウル大学校で開かれた 「性暴力事件の共同体的解決-性認知的客観性は可能か」という場だった。 女性抑圧と性暴力問題解決を模索するために開かれたこの討論会は、 左派政治団体であるもう一つの世界に向けた連帯(当時変革再装填)等の団体が共同で主催した。 J氏はこの場で「労働者連帯・大学文化性暴力事件」の被害者に初めて会い、 連帯を現わすため自分の被害経験に言及した。 当時J氏が討論会で発言した内容は次の通り。

「いくらも経たず、運動社会も特に違わないことを自ら見て感じた経験らがあります。 こうした経験をしながら途方もない混乱と背信を感じました。 この経験が特に悪かったのは、運動の新入で、いわゆるガラクタに過ぎない私自身と、 相手はとても重要な役割、重要な寄与をしている、とても重要で貴重な同志、 こうした構図の中で私の経験を語ること自体がその同志を失うこと、 わけもなく組織の粗探しをして共同体の信頼を壊し、混乱を起こす行為だという考えが絶えず自然にわいたし、 結局は話すことができず、自らを叱責しました。(...) この討論会も彼女たちの勇気の成果で一歩前進することが可能だったと考えます。 運動社会はこのように勇気持って問題を提起する人たちの寄与とその勇気に大きな借りがあり、 これを返すという課題を私たち皆が一緒に持っていると考えます。」

J氏は発言で加害者の名前や所属団体、具体的な被害事実に言及しなかった。 当時の発言についてJ氏は「自分の被害経験と状況を思い出して、 運動社会の性暴力被害者がどれほどつらかったのかに対する共感の中で支持の気持ちを表わそうとした」と明らかにした。 だが討論会の後、労働者連帯は該当事件が労働者連帯で起きた事件であるかのように聞こえると問題を提起した。 J氏は2000年代初めに労働者連帯に加入して2014年に脱退し、 もう一つの世界に向けた連帯で活動していた。 これと共に××党、××環境団体などさまざまな運動団体でも活動していた。

▲労働者連帯規律と紛争調整調整委員会がJ氏に送ったメールの一部

「信頼できる人からだけ調査されるのではない」

討論会の何日か後、労働者連帯は共同主催団体に 「Jが体験したことが労働者連帯で起きたかのように聞こえるので、 速記録から削除するか、未確認の事実だという脚注を付けること」を要求した。 だが共同主催団体はJ氏の発言が個人や団体を特定したとは判断できないと見て、 この要求を受け入れなかった。

すると労働者連帯はJ氏に「面談要請書」を送った。 2016年3月5日、労働者連帯は「規律と紛争調停委員会」の名義でJ氏にEメールを送り、 「××氏は労働者連帯会員だった時、団体の主な活動家から性的に不当なことをされたことを暗示する内容の発言をした。(...) 変革再装填準備委員のチョン××氏も3月4日の午後4時43分頃、 自分のSNSに××氏の2月29日の討論会発言を引用し、 再び労働者連帯団体内で何か不適切なことが行われたことを暗示した。 そのため労働者連帯紛争委員会は事件の真実を調査しようと思う。 これを通じて性的加害行為が実際に存在したことが明らかになれば、 該当会員を懲戒しようと思うので、面談に応じてくださるように願う」と要求した。

3日後、J氏は労働者連帯側に 「私がこの要求に応じる理由も信頼も全くない。 こうした電話やメールは頼むからもう受け取りたくない」というメールを送り、拒絶の意向を明らかにした。 それでも労働者連帯はJ氏にメッセージや電話で再度同じ内容を要求した。 J氏は「電話がきた時は通話する、理由がないとすぐに切ったし、 携帯メッセージが5回にわたってきたが、すべて無視した」と説明した。

その後も労働者連帯規律と紛争調停委員会は3月10日 「××氏の話をすべて聞くので面談に応じてほしい。 女性の仲間たちが面談をする。 『信頼がない』とおっしゃるが、この問題は信頼の問題ではない。 いつも信頼できる人から調査されるのではない」というメールを送った。 12日と14日にも面談を要求して加害者の名前だけでも知らせてくれというメールを発送した。 J氏は「最後のメールの後、労働者連帯からもう連絡がなくなり、 これ以上困らせられないだろうし、問題は一段落したと考えた」と明らかにした。

J氏の事件を利用して「労働者連帯を暗に中傷しているのではないのか」

だが一段落したと思った事件は、1年ほど後に再び召喚された。 昨年夏、労働者連帯に所属する活動家が書いた 「性暴力二次加害と被害者中心主義論争(チェッカルピ)」が問題になってからだ。 当時、労働党女性委員会、プルコッフェミアクションなど43の団体と927人の個人は、 該当の書籍が「労働者連帯・大学文化性暴力事件」の被害者を非難する内容を含んでいるとし、 本廃棄を要求する署名をした。 当時、民主労総女性委員会は労働者連帯側に性平等/反性暴力/女性労働権関連事業に対する連帯中断の立場を伝えた。

こうした過程で労働者連帯はJ氏の事件を議論しはじめた。 J氏の事件が「中傷謀略」だという主張だった。 労働者連帯のパク某運営委員はその年の9月14日、 「労働者連帯誹謗主導者チョン××は誰か、なぜ誹謗に熱心なのか?」という文を発行した。 彼はこの文章でJ氏のような団体で活動するチョン某氏がJ氏の事件を利用して 「労働者連帯を暗に中傷しているのではないのかという合理的な疑問を持つほかはなかった」と明らかにした。

またパク運営委員は 「一時、労働者連帯会員だったこの女性(本文のJ氏)は2013年末、チョン××の分派に加担して、 労働者連帯の指導部を非難する先頭に立った人物の1人」とし、 Jが「団体名を特定して話さなかったが、前後の脈絡上、それが労働者連帯内で起きたと分かるほかはなかった。 特にJは『動画事件』に関する労働者連帯への非難を主張する脈絡で自分も同じ団体内で被害を受けたかのように暗示したのでさらにそうだ」と主張した。 続いて「(J氏に対して)紛争委は先に団体の内部を調査した。 しかし内部調査の結果、Jが団体内で性的被害を受けた情況を発見できなかった」とも付け加えた。

被害者が望まない強制的事件化

J氏は自分の同意もない労働者連帯の記事で被害事例が歪められて議論されただけでなく、 私的関係まで扱われたことが我慢できなかったと吐露した。 性暴力被害の経験をやっと口にしたが「調査に応じなかったから嘘」だという非難を受けることになったことも、とうてい納得できないと打ち明けた。 その後、J氏は記事の削除と謝罪を要求して労働者連帯側にさまざまな経路で抗議をしたが、受け入れられなかった。

まずJ氏は昨年9月24日、筆者のパク運営委員に電話をかけて問題を提起したが、 文章を取り下げたり謝罪する意向はないという回答を受けた。 二日後、パク運営委員は文書で「信頼ある機関を通じて、真実を明らかにしよう」とし、 10月2日までに答えてほしい明らかにした。 だがJ氏は事件そのものを公論化する意思がなかった。 15年前の事件を公論化した場合、証拠不足を理由に自分の方に大きな被害があるという不安感のためだった。 J氏は「これまで見てきた性暴力被害者に対する労働者連帯の執拗な攻撃も気になる」とし 「それでも事件を強制化して歪曲する文章は取り下されなければと考えた」と明らかにした。

そのためJ氏は9月30日 「強制的性暴力公論化と残忍ないじめを直ちに中断しろ」という文章を掲載し、 労働者連帯に「すぐに文章を取り下げて謝罪しろ」と要求した。 だが現在も記事は削除されていない。 今年の2月には活動現場で会った労働者連帯の女性問題担当活動家に団体ホームページの扉に掲載された文章にも問題提起をした。 J氏は「(担当活動家は) 『私は知らない。私に言うな』と無視したり、いつでも同じだった。 3月にも同じ活動家にまた問題提起をしたが反応は同じだった」と話した。

J氏は「今も掲示されている記事を見て侮蔑感を感じた」とし 「今年のはじめにMeToo運動が始まり、もう我慢できず、 私もMeTooに出なければならないと考えるようになった」と明らかにした。

一方、チャムセサンは5月3日、J氏の主張についての事実関係および立場を確認するために労働者連帯に電話インタビューを要請した。 これに対して労働者連帯は対面インタビューを提案し、チャムセサンの事務室で約1時間30分ほどインタビューが行われた。 この場で労働者連帯は記事全文についての事前確認の要求が受け入れられなかったので、回答に応じないという立場を明らかにした。

以下はチャムセサンがJ氏をインタビューした内容だ。

2016年2月29日にソウル大学校で開かれた「性暴力事件の共同体的解決-性認知的客観性は可能か」という討論会で性暴力被害経験を明らかにした。その動機は何か?

この席には労働者連帯・大学文化性暴力事件の被害者が参加した。 私はその被害者にここで初めて会った。 それで運動社会で体験した私の被害経験を話して申し訳ない思いと連帯の気持ちを示したかった。 もちろんそれも具体的ではなく、とても簡単で抽象的な言及に過ぎなかった。 事件化する勇気と自信が足りず、意識的にそうしたのだ。 それでも彼女と聴衆は私の発言に共感の拍手を送ってくれた。 私も大きな慰安を得た。 誰も私の発言内容を問い質したりこれ以上心配していなかった点も慰労になった。

しかし労働者連帯が私の発言を問題にした。 彼らはまた私に面談、事実上の召喚調査に応じろと要求した。 私が「それとなく労働者連帯を誹謗」したので「面談に応じなければ(...) 主張の真実性が疑われるしかない」と言った。

労働者連帯が自分の団体を「それとなく誹謗」したという根拠は何だと思うか?

わからない。 私は2000年代の初めに労働者連帯(当時タハムケ)に加入して、2014年に脱退した。 しかし労働者連帯だけでなく××党、××環境団体などさまざまな運動団体で活動していた。 それでも労働者連帯は「運動の初期にそんなことを体験したというから、 労働者連帯の会員だった時、そんなことを受けたと暗示しているのではないか」として召還調査を要求した。 これは事件化する覚悟がなければ性暴力経験について、どこかに行って口も開くなと言う口止めでもあると感じられた。

労働者連帯がJ氏が信頼している団体と共同調査を受けられるようにするといった提案はなぜ断ったのか?

繰り返し言うが、私はこれを事件化するつもりは全くなかった。 ソウル大の討論会で私の発言の要旨そのものが、私は事件化する勇気が無いが、 他の被害者には連帯するということだった。 労働者連帯は私のこうした意思に逆らって討論会の共同主催団体に連絡し、 この問題を共同調査することを先に提案した。 しかも労働者連帯がこれまで性暴力事件を提起した他の被害者をどう困らせて苦しめたのかを見てきたので調査に応じる何の理由もなかった。

労働者連帯はJ氏の発言について「もうひとつの中傷謀略」と言っているが、なぜこうした立場を持ったと考えるか?

単に彼らの一方的な調査に応じなかったということだけで、私を嘘つきと言い立てるという事実に腹が立つ。 被害を体験したという人への共感から出発するのではなく、そのような発言が自分たちの組織の汚点になるかもしれないと心配する典型的な組織保衛主義だと考える。 すでに7年間、労働者連帯・大学文化性暴力事件を認めないのに、誤りをかばい続けていたことで、 もし自分たちの組織でそんなことがあったとすれば何が問題なのかという省察が不可能になったようだ。 そして「われわれの組織を脱退した人、ねたましく思う人、誤った立場を持った人たちの複数や陰湿な攻撃」というフレームですべてを見ているようだ。

事件が起きたのは2016年なのに、この問題を公論化することに決心したのは最近だ。その理由は何か?

MeToo運動が溢れるのを見て、こうした雰囲気なら少なくとも労働者連帯がこの文章を取り下げて修正すると期待した。 しかし記事はホームページのメインに掲載され続け、とうていこれに我慢できなかった。 MeToo運動は女性たちが勇気を出して発言して始まったのに、 労働者連帯のこの掲示物は口をふさぐための試みであり、だからなおさら耐え難かった。 MeToo運動を支持すると言って記事を書く労働者連帯の方が偽善的だと思った。 運動社会内で被害にあった場合は女性の方がはるかに大きな背信と挫折感を味わう。 どこでも解決できないと考えるようになる。 結果として被害女性は多くの場合、幻滅を感じて運動から離れる。 しかし果たしてこうした状況が被害女性自身と該当組織と運動社会のすべてにとって正しいことなのだろうかと思い、再度問題を提起をすることになった。

性暴力加害者にも接触してみたのか?

15年前のことだが、その時の事は生々しい。 当時、加害者は酔っ払った私をタクシーに乗せてモーテルに連れ込み、性暴行した。 もしかしたら認めて謝罪するかも知れないと思って連絡してみた。 初めは「思い出せないが申し訳ない」と言うと、また電話をかけてきて「録音する」と言い、「思い出せない」という言葉を力を入れて繰り返した。
そして「後ろめたいことがないのなら調査しよう」云々した。 法的対応する意向を示して威嚇した。 察していたとおりだが、大きな怒りと絶望を感じ、不眠症になって悪夢を見ている。 性暴力関連の機関にも依頼してみたが、控訴時効も過ぎた古いことなので、 今事件化すれば私に有利なのかには答をられなかった。
ソウル大討論会での私の発言のように、運動社会で性暴力問題がきちんと解決されたことを見たことはほとんどない。 被害を訴えた女性が結局どうなるのか、はっきり見てきた。 日常が完全に崩れ、身上が表に出て、かえって法廷闘争で金と時間を浪費して過ごさなければならないのではないかと心配になる。

労働者連帯に望むことは何か?

労働者連帯は、まず私を非難する該当記事を今すぐ降ろさなければならない。 そして私が望まなかったのに強制的に事件化して困らせたこれまでの過程を謝罪しなければならない。 ともに長い間苦しめられてきた労働者連帯・大学文化性暴力事件の被害者にも謝罪して反省すれば本当にうれしい。 MeTooであらわれたように、性暴力事件はどこでも起きる。 重要なことは、自ら省察して直すことだ。 遅くはなったが今からでも誤りを認めて謝罪することが本当の勇気であり、名誉を回復するところだと思う。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


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