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「そんな政治」はしない

[3・8女性デー特別企画インタビュー(4)]シン・ジエ韓国女性政治ネットワーク代表

パク・タソル記者 2021.03.07 11:18

国会に進入する女性国会議員の数ほどに、 ジェンダー政治あるいは少数者政治は比例して発展しているだろうか?

21代国会の女性議員は57人で、歴代最多数を記録し、 地方区当選者数(29人)は比例代表(28人)を追い抜いた。 だがこうした成果の面目を失わせるかのように、 既存の政界をながめる女性の視線はますます冷たくなる。 2月3週目の政党支持率アンケート調査で無党層と答えた女性は15.2%で、 前年同期比5.2%P増えた。 支持政党なしと答えた女性も13.1%で、前年同期比5.2%P増えた。[1]

この1年間、政治家の権力型性暴力事件が続いて起きた。 昨年4月の総選挙の直後に呉巨敦(オ・ゴドン)前釜山市長の性暴力事件が公論化され、 7月には朴元淳(パク・ウォンスン)前ソウル市長の性暴力事件があらわれた。 加害者が属する共に民主党(民主党)の内外で2次加害が行われた。 進歩政党も衛星政党事態と党内性暴力事件などで支離滅裂な姿を見せた。

「長い間進歩政治が希望だと信じていたのに、 バッジの前でそうして崩れるのを目撃し、 無気力に見ているしかありませんでした。 その時から今まで、廃虚を歩いているような気がします。」

韓国女性政治ネットワークのシン・ジエ代表は昨年3月、 8年間身を置いた緑色党を離党した。 離党の契機は衛星政党事態が大きかったが、 家父長的党内文化に対する反発でもあった。 離党の直前には党役員から性暴力を受け、これを公論化した。

廃虚になった進歩政治で女性の政治勢力化を夢見るシン代表と西大門で会った。 西大門甲は彼女が総選挙で立候補した選挙区でもある。 1月22日は性暴力加害者が懲役3年6月の刑を宣告されて法廷拘束されたこともあり、 関連事件の進行過程と彼女の近況をまず尋ねた。

「女性の政治勢力化のための活動が私を回復させる」

「性暴力の被害者に日常を回復しなければならない、 自分の世話をする時間を持たなければならないと言うでしょう。 しかし被害者ごとに生きてきた人生と性向が違うので、 回復の過程もそれぞれ違うと思います。 私の性格上、休みながら、一人だけの時間を持つと、 さらに憂うつになります。 私には女性の政治勢力化を企てる過程がそのまま治癒の過程なのです。 朴元淳事件をはじめとする政界の性暴力事件に対して共に戦いながらです。 私の夢のために進む一連の活動が私を回復させてくれると信じます。」

シン代表は性暴力経験から完全に立ち直るのに10年以上かかったと言う。 彼女は児童性暴力サバイバーだった。 昨年起きた性暴力事件で彼女が少し固い気持ちで事件に対応したのは、 幼かったときから内的な衝突と治癒を訓練してきたためだ。

[出処:ミニョンヨン]

「小さいときに受けた性暴力は、司法手続きではなく私的な方式で処理されました。 両親がそいつを捉えて裸にして鞭で殴りました。 遠くからその姿をのぞき見したことを思い出します。 ある日、家で宿題していると、自分でも気づかないうちにその当時の考えにふけっていました。 長い間じっとしていた私をお母さんが起こしました。 その時、お母さんは『あまり苦しむな。 あの時のことはお前個人の人生で見れば、本当に鼻くそぐらいのことでしかない。 お前を傷つけたくない』といってくださいました。 その後も内的な戦いは続きましたが、 その時のお母さんの言葉は私にとって一筋の光のようでした。 韓国の女性には性暴力の輪を断ち切って、 次の世代に生まれる女性たちがもっと安全な社会で暮らせるように望む 何か願いがあるようです。」

性暴力から安全な地帯、安全な女性はないということは、去る1月の正義党代表の性暴力事件の時にもあらわれた。 すべての代議機関や委員会の構成に50%以上の女性を配置するという綱領が引き立って見えた緑色党も、 性暴力の輪を断ち切るのに失敗した。 シン代表は自分に起きた性暴力事件は、 党内女性政治を抑圧する試みと連結して調べろと強調した。 家父長的な党内文化が、ある女性政治家に向けた性暴力まで可能にしたということだ。

「党内部で衛星政党議論を準備するチームがあったのですが、 共同運営委員長だった私は該当の情報を全く聞けませんでした。 同時に私が誰かを殴ったとか、職場内いじめをしたとか、 私に陰湿な攻撃をするうわさらが広がりました。 私の後にNL、PDがあるという話もです。 私が性暴力を受ける半年前からこんなうわさが出回っていて、 ハ・スンス当時共同運営委員長が『平等文化侵害事件』という名前を付けて、 内部公論化しました。 私は全運委(全国運営委員会)に独立した調査委員会を設置して 調査してくれと要求したのですが否決されましたし。
総選挙の対応でも私の意見はパスされました。 総選挙の準備ができていないので催促したところ、 ハ氏は私が平等文化を侵害したので私のためにできないと話しました。 『2020女性立候補プロジェクト』を進めながら、 外部ファンディングで1億5000万ウォンを集めてきたのに、 細部項目ではないと3千万ウォンしか執行しませんでした。 緑色党の予算案にはこれまでずらっと細部項目がなかったのに。 おまけに2月に私が共同運営委員長を辞任すると、衛星政党の議論を始めました。 民主党には衛星政党に最終合流した時に3議席を要求しました。 私の党内の立場がなくなり、 こうした状況を見守ってばかりいたところ加害者から連絡が来ました。 釜山市党委員長と会って私の虚偽のうわさをなくすのを助けてくれと。 そして私を誘引して性暴行したのです。」

性暴行の直後にシン代表は証拠を集め、加害者も性暴行の事実を認めた。 しかし準強姦致傷事件で傷害容疑をめぐり、加害者と被害者が争った。 シン代表がまず会おうと要請した、シン代表に好感を感じて告白したなど、 加害者の嘘も多数出てきた。 シン代表はこのような話をこめて厳罰に処してほしいと嘆願書を作成し、 7134人が参加した。 加害者も嘆願書を作成した。 減刑のために幼い娘まで動員した。

「加害者が家族に嘆願書を受けてきました。 そこには小学生の娘が書いたのもありました。 加害者は娘が精神相談に通わなければならないほど大きく衝撃を受けたと言いましたが、 娘をその状況に至らせたのは加害者本人でしょう。 性暴力を犯したお父さんの罪をもう一度思い出させて嘆願書を書かせたのは、 もうひとつの暴力です。 それも児童に対する暴力です。 加害者の家族や知人が嘆願書を上げれば情状参酌の事由になりますが、 そうした量刑基準もまた変える必要があります。」

民主党の「そんな政治」を終わらせるためにソウル市長補欠選挙に立候補

シン代表は緑色党を離党して「そんな政治は終わった」というスローガンをかかげて 昨年の総選挙でソウル西大門甲から無所属で立候補した。 選挙の結果は3.2%の支持で3等で落選した。 その後、フェミニズムと政治に関心がある活動家、学者、市民を集め、 11月に韓国女性政治ネットワーク(韓女ネット)を発足させ、 女性の政治参加を拡大するための活動と被害者連帯および支援などの活動をしている。 現在、シン代表は4月7日に行われるソウル・釜山の市長再補欠選挙対応で忙しい。 今回の再補欠選挙でシン代表の目標は明確だ。 「性暴力を審判する選挙」を行うことだ。

[出処:ミニョンヨン]

「民主党を牽制するために、市民団体、市民が自らの役割をするべきなのに、 声を上げる所があまりない気がします。 政党法、選挙法による制約も大きいです。 今回、禹相虎(ウ・サンホ)議員糾弾記者会見をするのですが、 選管委から禹議員批判の横断幕は設置できないと連絡がきました。 公職選挙法90条は選挙の180日前から選挙に影響する施設の設置を禁止しているのですが、 私は知りませんでした。 一度は警告で終わるが、次からは罰金を払うことになります。 選挙が政治家の祭りに転落しないようにするには、 候補者の政策と思想に対する応援と批判が自由であるべきで、 選挙の180日前からこれを防いでいるのです。 民主党は朴槿恵(パク・クネ)政権時期の前からこうした悪法を変えると言っていましたが、 巨大議席を持ったのにしていません。」

民主党は再補欠選挙公認のために党憲を手のひらを返すように改正した。 民主党は「党員の意志」による決定だと言うが、26.35%の党員しか党憲改正のための賛否投票に参加しなかった。 自浄能力を失った与党では2次加害も続く。 ソウル市長予備候補の禹相虎(ウ・サンホ)議員は 旧正月連休一日前にSNSで 「朴元淳禹相虎で、 禹相虎朴元淳だというつもり』で ソウル市政をするとし、 朴元淳前市長の遺族を激励した。 朴元淳事件の被害者は 「公務員が代理処方を受けさせ、市長の下着を整理させ、 市長の家族が食べる名節の食事を買う仕事も政策として継承するのか」と反発する立場文を出した。

▲シン・ジエ代表は3月5日にソウル市庁前で6人のソウル副市長候補たちと共にソウル市長補欠選挙立候補宣言式に出た。

ソウル市長性暴力事件対応に積極的に参加しているシン代表は、 連立の一環としてさまざまな分野の副市長と共に立候補を控えている。 このチームの名前は「チームソウル」だ。 2016年の20代総選挙から3回の選挙を行ったシン代表にとっては4回目の選挙だ。 「2021MeToo選挙時局会議」で各分野の悩みを集め、副市長を強化して協力政治をしてみようという話が集まった。 副市長の議題と候補はまだ確定していない。 中学生の時から社会運動に飛び込んだシン代表は、 さまざまな波風にもかかわらず今日よりも明日のほうが光る政治を夢見る。

「誰も女性を代弁せず、性暴力事件を解決する意志がなく、 チームソウルを作ることになりました。 市民が有権者として、政治家として活動できる空間を開いきたいのです。 政治は市民から作られる時、最も価値あって大きな力を持つと考えます。
民主化世代の政治はもう有効期間が切れました。 彼らが間違って翻訳された哲学書を読み続け、 また国を立て直そうと言っていたのは20代の時です。 その夢は実現しませんでしたが、大統領直選制という時代的課題を実現し、 今は権力をにぎって思うままに家父長政治をしています。 次の政権はフェミニストが捉えるべきです。 今、フェミニストは皆疲れて苦しんで隠れているのですが。 南極のペンギンが酷寒の寒さに勝ち抜く方法は、 巨大な群れを作って固まることです。 なにしろ各自渡世の時代で生き残ることは容易ではありません。 孤独なら苦しいでしょう。 緩い連帯だとしても、集まって座れる連帯体が必要だと考えます。 ここで私たちは常に話し、議論しながら、女性主義政治を作ります。」

[1] [リアルメーター2月3週週間統計票]リアルメーター、全国満18歳以上男女3010人調査、2021年2月22日。標本誤差±1.8%P(95%信頼水準)、2021年2月22日に確認。[リアルメーター2月3週週間統計票]リアルメーター、全国満18歳以上男女2512人調査、2020年2月24日。標本誤差±2.0%P(95%信頼水準)、2021年2月22日に確認。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2021-03-13 14:40:26 / Last modified on 2021-03-13 14:40:26 Copyright: Default

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