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「裁判所が警察の女性人権侵害をあおる」議論

ソウル中央地法、警察のキリュン セクハラ最高裁判決をひっくり返す

ペク・イルジャ記者 2013.10.18 11:39

キリュン電子女性労働者に警官がセクハラしたと認めた大法院刑事判決が下されてからわずか1年余りでソウル中央地法民事裁判部が同じ事件に対して「警官はセクハラをしたとは認められない」という正反対の判断をして、問題になっている。

通常、刑事事件の判決で認めた事実は、民事事件でも尊重するのが原則だが、 民事裁判部は事件当事者の陳述などの証拠を総合すると「大法院の事実認定に 問題があった」と指摘した。

2010年4月6日、キリュン電子の労使間の暴行事件で調査されたパク某氏は用便 の途中に銅雀署調査担当刑事がトイレの扉をあけ「銅雀署セクハラ」の論議が おき、朴氏は警察に抗議して失神して応急室に運ばれた。朴氏をはじめ労組と 市民社会は、銅雀署の前でセクハラ糾弾記者会見を行ったが、銅雀署側はこれを 認めず「虚偽事実流布で名誉を毀損された」と検察に朴氏を告訴した。

しかし2012年6月14日、大法院3部(主審ミン・イリョン大法官)は、検察が金属 労組キリュン電子分会のパク某組合員を出版物による名誉毀損などを違反した 容疑で起訴した事件に対し、大法院の上告を棄却して無罪を認めたソウル中央 地法の判決を最終的に確定した。当時、裁判所は「朴氏が相当な羞恥心を感じ たことのは経験則上明白だ」とし「被害者(キム某刑事)の陳述は信頼しにくく、 別に公訴事実を認める証拠がない」と上告を棄却した。

当時の裁判で、検察は「警察の調査を受け、これに不満を抱いて虚偽の事実を 流布した疑いがある」という報道資料を言論に流布し、朝鮮日報、東亜日報、 中央日報、聯合ニュースなどの報道機関は、セクハラ被害者を「加害者」に変 身させて報道し、物議をかもした。

朴氏は昨年9月、キム氏を相手に「セクハラと無事、刑事裁判での偽証」による 損害賠償を請求した。だがソウル中央地法民事6単独(判事シム・チャンソプ)は、 「キム氏がトイレの扉をあけた時、朴氏が服を脱いで用便をしていた事実は認 められない。キム氏が朴氏をセクハラしたという主張も認められない」と判決 したと17日に明らかにした。

シム判事は「朴氏が警察に敵がい心を抱いて偽りの抗議をした可能性もある」 とし「女性の被疑者が服を着たまま電話をしていて、化粧室のドアを若干開い た状態で男性の警察官が何をしているのか確認するためにさらに少し扉を開い たとすれば、性的羞恥心があったとはいえない」と判断した。ただし、朴氏の 刑事裁判で「化粧室の扉に手を付けた事実はない」というキム氏の偽証は認め、 朴氏に慰謝料200万ウォンを支払うよう判決した。

キリュン分会のキム・ソヨン元分会長は、「まだ私たちは判決文を受け取って おらず、偽証だけが認められたと聞いた。だが判決の内容がこの程度だとは思 わなかった」とし「人権のかけらも尊重しない判決」と糾弾した。金元分会長 は「大法院まで行く間、裁判の過程で被害者がとても苦しんだ。すでに数回も 検証の過程を経て、大法院がセクハラを認めた判断を無視した今回の判決に、 女性団体と対応を準備している」と明らかにした。

キリュン共対委に参加している女性団体の関係者も今回の判決について「常識 的に納得し難い判決」とし「人権を保護すべき裁判所と警察が、逆に女性労働者 の人権侵害をあおっている」と批判した。(記事提携=ニュースセル)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


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