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メディアチャムセサン

[記者の目]果して「手続き民主主義」の毀損が問題なのか

臨時代議員大会と社会的交渉、 その内と外

ユンテゴン記者peyo@jinbo.net

不吉な予感はすべて的中

*臨時代議員会場の外には社会的交渉反対のポスターが貼られていた。*

民主労総臨時大会は、結局跛行的に流会になった後、取材を終えて速報を送ったメディアチャムセサンの数人の記者は、事務室付近の食堂で晩酌付きの遅い夕食をとった。 その場では「社会的交渉は私も反対で、壇上に上がった人々の気持ちは理解するが、あまりカッコいいものではなかった」「『違う、あまりカッコよくなかったという指摘も理解するが、社会的交渉は話にもならない』と整理されなければ」といった話が前後見境がなく行き来した。

「なぜ悲しい予感は外れないのか」という時代遅れの流行歌の歌詞のように、民主労総臨時代議員大会で社会的交渉案をめぐり、何が起きるにせよ何かが起きるだろうという憂慮と「ことが起きれば一番喜ぶのは保守言論だ」という予測もみなあたった。 外れた部分があるとすれば、いわゆる「改革言論」もそこに結集したという程度だ。

2月2日付のハンギョレ新聞ボックス記事の副題は「民主労総労使政委復帰また霧散」で、冒頭の文章は「社会的交渉案に対する民主労総代議員大会の決議が反対派等の実力阻止で再び霧散したことで、民主労総は内と外から深刻な危機に置かれることになった」だ。 1日、イスホ委員長が社会的交渉案の説明をしながら「社会的交渉を再開することが労使政委に復帰するということではない」とし「何度同じことを言ったかわからない」と愚痴までこぼしたのに、とにかく労使政委復帰がまた霧散したと誰もが騒ぐ。

その上、いつどこの誰が決議をしたのかわからないが、ハンギョレ新聞は「社会的交渉案に対する代議員大会の決議が霧散」したというから憂慮はさらに深まる。 むしろ朝鮮日報の記事のほうが客観的だ。 朝鮮日報は、臨時代大会の流会について「労働界では『李委員長は、労使政の対話に反対する現場の民心をきちんと理解していなかったようだ』と分析している」と報道した。

去る9月と今の状況は、なにがどれほど違うのかが疑問

いろいろなマスコミの雑音に「いずれにせよ、いつ彼らがわれわれの味方だったか」とやり過ごすこともできるだろうが、確認すべきことは確かめて行かなければならないのではないだろうか? 事実、記者は「あらゆる交渉は絶対悪」とは思わない。 昨日の代議員大会で反対討論にたった代議員たちも指摘したように「なぜ今こういう状況で、これほど社会的交渉案にこだわるのか」という疑問が解けずにいるだけだ。

去る9月、非正規改悪案が水面に浮上した直後に、記者は環労委に所属する3党の議員と二大労総委員長の連鎖インタビューを行った。 当時、イスホ委員長に「現政権は労働弾圧を続け、一方では継続してオランダモデルを話したり民主労総の労使政委復帰を要求した。労働運動陣営の一角でも労使政委への復帰や社会的合意主義に対する呼応があった」と質問した。

イスホ委員長は「現在の状況では、取り引きできるものがない。労働者たちが出せるものは何もない。私達が享受しているものは何もない。そのような面で、社会的合意主義は不可能であるだけに、全く成立もできないと判断する」と答えた。

果して9月には享受できずにいたことをいまは享受しているのだろうか? いまは出せるものがあるのかという疑問を感じずにはいられない。 大統領は年頭記者会見で「非正規法案を至急に通過してくれるよう要請」すると話し、政府の当局者は「労使政委の再開とは無関係に、2月中に非正規法案を処理する」と公言している。 現代自動車の1万人に対して不法派遣判定が下されたが、当然、後続措置はない。 その上、大量の不法派遣判定が下されているのは「不法が蔓延し、合法と理解しなければならない」として非正規法案に力を与える腹積もりだという主張が説得力を持つ。

ソサンヨン事務局長が監獄に閉じ込められているため、職務代行職を受け持っているチョガヨン現代自非正規職事務局長職代は、「現代自動車非正規職労組の派遣代議員の身分で初めてこの席に立った」と、1日の代議員大会で発言を始めた。 チョガヨン職務代行は「5工場の非正規職同志たちが今日で18日になる玉碎闘争を行っているうえに、焚身してケガをして、爆発しているこうした状況で、なぜ社会的交渉ができるのか」と激しい声で語っているうちに、喉がつまって発言を続けられなかった。

「労使政委」という名前ではなく「労使政交渉機構」への参加が本質

この日、イスホ委員長は交渉案件処理の意志を曲げなかった。

もちろん「社会的合意主義」と「社会的交渉」は別の語彙であるのは明らかで、その哲学も違うと主張するかもしれない。 しかし社会的合意主義でも社会的交渉でも、あるいはそれ以外のどんな語彙でも、その言葉が含む現実的な意味は「労使政合意機構への参加」という点では一致する。

民主労総指導部は「労使政委復帰を意味するのではない」、「私達が提示する交渉の枠組が受入れられなければ脱退すればいいこと」とし、「代議員大会では交渉再開に対する賛否を明らかにして、具体的なことは指導部に委任してくれ」と自信を持って語った。 しかしどんな理由であれ、社会的交渉案に賛成する代議員さえ、おそらく△機構の独立性強化と履行担保△業種・地域協議会強化△労使政対等の交渉機構構成△各種差別と二極化に対する対策を骨子とする指導部の案を現政権が受け入れると考えるほど純真ではないだろう。

既に労働部のキムデファン長官は「民主労総が無条件で労使政委員会に復帰することが、国民大多数の世論だと思う」とし、「民主労総が条件付き復帰に固執すれば『社会的別途妥協』を放棄することができる」と明らかにした。

果して本当の問題は何か

舞台裏で民主労総常執幹部が熟考している。

問題は、言論と保守政界が口を揃えていうように「手順を踏んだ民主主義のき損」や「こういうことでは労働界社会的に孤立」などということではない。 去る9月、イスホ委員長とのインタビューの当時、記者は「逆説的に今回の非正規職関連法案撤回闘争が統合力を回復する機会になるのではないか」と質問し、委員長は「今回の闘争を機会に共同闘争をし、選挙もして組織内の問題も解決できるだろう」としながら「非正規職問題は内部の争点がなく、肩を組んで戦いながら統合力を高められるだろう」と答えた。

当時のイスホ委員長の発言のように、労働組合は闘争を通して問題を解決し、共に対抗し戦いながら統合力を高めていく集団だ。 ところが、共に戦って統合力を高めるどころか、労使政交渉の再開をめぐって争っており、交渉再開に反対する陣営は、賛成陣営はもちろん保守言論、改革言論、政府、与党から袋叩きにされている。

昨日の現場を惨めな気持で見守りながら、「それでも今月内には政府と与党が非正規法案を処理すると公言して国会日程が進められているので、それに対抗して闘争を準備することで、傷が縫合されるのではないだろうか」とかすかな期待を持った。 しかし代議員大会が流会になった後、イスボン教宣室長は「2月中にまた臨時代大会を開き、必ず社会的交渉件を処理する」と強調した。 細い糸筋がプツンと切れたような感じがした。

2005年02月02日14:51:52 原文


毎日労働ニュース

民労、「代議員大会事態」憂慮の中で慎重な雰囲気

国会議員、暴力事態には「遺憾」… 党は公式論評を自制、対策会議を開くことに

民主労総代議員会場の暴力事態に対して民主労働党の議員は憂慮の恐れがあるという反応だが、事案の敏感性を考慮するかのように慎重な態度を見せた。 また党もこの事件に対して公式論評を自制する雰囲気だ。

民主労総の初代委員長だった権永吉(クォンヨンギル)議員は「今回の事件を深刻に受けとめている」としながら「起亜車事件に続いてこのようなことで国民を失望させ、残念だ」と憂慮した。 権議員は「民主労総の組合員が事態の深刻性をよく理解し、賢明に対処するだろう」とし「民主労総の指導委員と会って今後の対策を相談したい」と語った。

民主労総指導委員をしているチョンヨンセ議員は「今回の事件は外部からの弾圧ではなく、労組内部の問題が組織の危機として表れたもの」とし、「民主労総創立以後、初めての事態で非常に憂慮しており、深刻な状況」だと語った。 チョン議員は今後の対策については「まだどのような対策も時期尚早で、指導委員会を開いて相談とる」と語った。

長い間、民主労総委員長を歴任した段炳浩議員は「民主労総内部で起きたことを党の立場で話すと、党が民主労総に介入しているように思われる」と用心深く語り、「今回のことは、社会的交渉に参加しようという側にも欠席しようという側にも、どちらも主体の判断の根拠があるが、どちらかを選択する問題であって、うまく折りあいをつけることが難しい問題で、今回のこともそんな状況で起きた衝突だと思う」と話した。

彼は「これまで民主労総が困難の中でここまで成長してきたが、今回のできごとが否定的に見られ、民主労総の発展に否定的に見られるのではないかと憂慮する」と付け加えた。

民主労総金属連盟事務局長出身のシムサンジョン議員も「前後の事情をよく知らないまま、暴力事件だけを論評するのは難しい」とし、「模範を示すべき民主労総で民主的手続きを破って暴力事態が発生したという事実は残念」と述べた。

シム議員は「社会的交渉と闘争は、民主労総の戦略と戦術の中で総合的に判断する問題」とし「だが、まるでこれを対立しているかのように見て、どちらかひとつが新自由主義政策に対抗する重要な方法であるかのように見る認識は望ましくない」と付け加えた。

民主労働党は、事案の敏感性と深刻性を考慮するかのように、今回の事件に対するスポークスマン室の論評は適切でないという立場だ。 ホンスンハ・スポークスマンは「論評は出さない計画で、2日の午後に企画調停会議を開いて社会的交渉方針と暴力事件などに対する対策を議論する予定」と語った。

チョサンギ記者westar@labortoday.co.kr

2005-02-02 午後5:31:40入力 (C)毎日労働ニュース

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毎日労働ニュース

民主労総臨時代議員大会・分析と展望

「社会的交渉」民主労総の内部分裂は何故続くのか

「セクト争い」による指導部不信が主な原因… 「2月闘争」を控えて労政対話も不透明

社会的交渉をめぐり民主労総内部の分裂が続いている根本的な理由は、交渉自体に対する立場の差が最も大きい。

反対側は、交渉は力関係が優位な時に行わなければならず、現状況で労使政交渉をすれば民主労総が利用されるだけだと判断している。 反面、イスホ執行部は当選の公約だったため、結論を出さなければならないという立場と共に、交渉と闘争が同時に進められるべきだと主張する。

特にイスホ執行部は、来年まで続く事業計画を提出したことを見ると、「世の中を変える闘争」を始めるために「社会的交渉枠組」を活用しなければならないという悩みが伺える。 すぐに威力的な全面ストライキをすることが困難な状況で、社会的交渉の枠組みを通して民主労総の要求と議題を知らせ、準備期間をとるべきだという意味に解釈できる。

だが、暴力事態にまで発展した現状況は、「社会的交渉」に対する認識のギャップばかりでなく、指導部への不信とセクトの対立もかなり作用しているという分析が説得力を持っている。 各政党により活動家が動き、現執行部と異なる路線をとる側は「社会的交渉に関してイスホ執行部はある種の取引を政権としようとしているのではないか」という疑惑を提起する程、不信が進んでいるという指摘だ。

これに関してイスホ委員長が辞任問題まで言及したことで、もうひとつの葛藤と論議が予想されている。 社会的交渉に反対してきた一部の代議員は、既に辞任を要求しているが、指導部の空白などを憂慮する代議員は辞任に反対しているため、辞任問題をめぐる賛反両論も進むものと見られる。

これに伴い、民主労総は目前の2月闘争と起亜車採用不正事態の解決などの懸案対応にも支障をきたすものと展望されている。 また、キムデファン労働部長官が2日、「国会時計」に合せて非正規法案を処理すると明らかにした点も、労政対話の可能性をさらに不透明にしている。 民主労総の決定留保で、労働関連の問題が政府のロードマップの通りに推進される可能性が高まったという評価も出ている。 民主労総が労使政対話に参加すれば、政府が労働関連政策を強行処理する理由が小さくなると予想されてきたためだ。

民主労総は先月20日の定期代議員大会で、国会で非正規法案が強行処理されれば全面ストライキで対抗すると決議した状態だ。 だが、現在、主な闘争動力が作られていない状況で、「社会的交渉」などをめぐる内部の議論が続けば、臨時国会への対応も容易ではないように見える。 これに関して民主労総が自ら指摘した「危機局面」に進むのではないかと、労働界内外が憂慮している。

ソンウンジョン記者 ssong@labortoday.co.kr

2005-02-02 午後6:04:57入力 (C)毎日労働ニュース

原文


毎日労働ニュース

「われわれは『資本』に対抗して戦っただけだ」

民主労総大会「暴力事態」を主導した 現代重社内下請け労組のチョソンウン委員長に 直撃インタビュー

1日、民主労総臨時代議員大会が「社会的交渉承認件」をめぐり、史上初の暴力事態が発生、結局流会になった。 最も民主的であるべき議決機構の会議場が暴力で汚されるのを見ながら組合員と国民は激しい衝撃と共に民主労総の意見収斂手続きに対する不信まで持つようになる。

当時、一部の代議員と参観人は壇上を占拠して拳を振り上げ消火器を噴射し、シンナーを撒くなどの暴力事態を起こしたが、彼らの中には「社会的合意主義労使政談合粉砕全国労働者闘争委員会」(全労闘)会員が相当数含まれている。 全労闘蔚山委員会所属で、最初に壇上にあがって事態を触発した現代重工業社内下請け労組のチョソンウン委員長の立場を聞いてみた。

*▲民主労総代議員会場壇上を占拠した人々がイスホ議長の議事棒を奪おうとしてイヒェソン副委員長などがこれを防いでいる。一番右の赤なチョッキを着ている人がチョソンウン委員長.(C)毎日労働ニュース*

*-このように極端な暴力事態に至った原因は何だと思うか。*

「昨日(1日)の事態は、民主労総指導部が代議員の議論を遮断して、民主主義を放棄したために発生した。 (民主労総指導部は)社会的合意の影響がどんなものかを十分に判断していれば、結果もわかるはずだが、一方的に討論を防ぐ偏った進行で表決を強行しようとした。」

*-今回の暴力事態が民主労総の手順を踏んだ民主主義に逆らう深刻な内紛に広がり、結果的に労働界の危機に推し進めたという非難が起きた。*

「私を含む全労闘の会員は、昨日の暴力を助長したのではなく『組織された暴力』に抵抗した。 今年2月に政府と与党は派遣法拡大などの非正規職改悪案の通過を強行しようとしていて、9月には労使関係ロードマップを完了する予定だ。 その反面、蔚山現代自動車の社内下請け労働者たちは、不法派遣労働者の正規職化を要求してストライキをしており、ハイニックス半導体の社内下請けも偽装廃業と不法派遣に対抗し闘争している。 こうした状況で、労使政の社会的交渉に入れば、今、不法派遣闘争をしている現場労働者たちを殺すことになりかねない。 2月の非正規職改悪を防いでから議論しても充分だ。 ところが、民主労総指導部は下からの闘争を押し付けてまで、社会的交渉に参加しようとしている。 これ自体が民主的手続きを無視した『組織された暴力』の行使であり、これを防ぐためには不回避だった。」

*▲1日の民主労総代議員大会の一場面。社会的交渉に反対する組合員が集会を開いている。(C)毎日労働ニュースパクヨソン記者*

*-しかし委員長が言及したストライキ中の現代自動車非正規職労組は、この日の代議員大会で「社会的交渉参加には反対するが壇上占拠などの暴力的な阻止行動にも反対する」と明らかにした。今回の事態に対する責任は感じないか?*

「社会的交渉の枠組に入っていこうと主張する民主労総の現執行部は、民主労組運動に背信していてこれ(社会的交渉)以外ではだめだという卑怯な脅迫をしている。 こうした労使協力主義に染まった執行部と、折衝や対話で解決できる問題ではない。 資本と企業が民主労組運動内に派遣した勢力だ。 今回の事態は内部分裂ではなく、下からの力が彼らに対抗したのである。」

*-現民主労総執行部が「資本と企業が民主労組運動内に派遣した勢力」だということか?*

「そうだ。」

*-それなら、民主労総指導部はどのような立場を取るべきだと考えるか?*

「現代自動車社内下請け労働者が焚身をする程に、今、非正規活動家が弾圧されている。 こうした状況で、イスホ執行部はストライキをしている現代自動車社内下請け労働者たちのところに走って行かなければ、盧武鉉といちゃついている時ではない。 非正規職を『労働運動の観客』にしないように団結を強化して、この闘争を持続するように努力しなければならない。 また、2月の非正規法案改悪に対する全面ストライキを再組織して、闘争を通した勝利を導かなければならない。」

「社会的合意主義労使政談合粉砕全国労働者闘争委員会」(全労闘)はどんな組織?

全労闘は、民主労総の現イスホ執行部の主な推進公約である 社会的交渉参加を防ぐという目的で、昨年8月、コーロン労組のストライキ突入直前に 亀尾で結成された団体だ。 この団体の核心勢力は「労働者の力」で、この他にも30余の労働団体と 労組現場組織が参加しており、 京畿現場連帯、起亜自動車現場の力、労働解放学生連帯、 不安定労働撤廃連帯、全解闘、平等連帯、現代自動車民闘会、 大宇造船県民投などが参加している。

キムギョンラン記者 eggs95@labortoday.co.kr

2005-02-02 午後3:08:54入力 (C)毎日労働ニュース

原文


民衆の声

臨時代議員大会霧散をどう見るか

[インタビュー]イホドン公共連盟全委員長、ユンヨンギュ保健医療委員長

キムドギュン記者

暴力で汚された民主労総臨時代議員大会は、現場の労働者たちはもちろん、延期により事態は一段落したものの、その余波は相当期間持続するものと見られる。

代議員資格で昨日の代議員大会に参加した公共連盟のイホドン前委員長と全国保健医療産業労組のユンヨンギュ委員長の意見を聞いた。 参考までに、イ前委員長は社会的交渉に対する反対立場を持っていて、ユン委員長は民主労総執行部と同じ立場。

公共連盟イホドン前委員長、「事態原因は民主的手続きの不足」

公共連盟のイホドン前委員長はまず昨日の事態の原因は、会議が民主的に進められなかったことにあると述べた。

公共連盟イホドン前委員長は、民衆の声との電話インタビューで「民主労組での会議は、労働者の民主的手続きと自主性に基盤する意志決定が基本なのに、会議を進めた議長が過度に無理に会議を招集して、案件を無理に押し付けた点があった」と話した。

会議の進行中、執行部として案を提出し、通過させたい欲があっただろうが、議長の職責は会議の構成員に均等な発言の機会を与え、会議の規定を厳格に遵守して最大限円満に会議を進める義務があるが、議長としての権限を乱用した側面があったということだ。

また「代議員の水準が千差万別で、水準が高い発言あるかもしれず、そうではないかもしれないのに、これを包容して議事を進められず、執行部の案を通過させたいという欲から発言を切ったり発言の集中を防いだ」と話した。

李前委員長は、壇上を占拠する方式で意見を表出したことについては「用心深くしなければならない方法なのだが、昨日そうした方法が使われ、彼らにとっても負担だが、そのような原因を提供した執行部にも責任はある」とし、「代議員大会が不均衡で終わったのは残念」と語った。 彼は「民主労組の運営において、正常な意見の結集ができないことについて、代議員として反省させられる」と話した。

イホドン前委員長は「いずれにしてもイスホ委員長は民主労総の代表であり、賛成しようが反対しようが指導部だ」とし、「一方的に辞任しろ、無条件に耳を傾けるなという調子の極端な煽動は不適切だ」と前置きした上で、「現状況を突破するためには、指導部がどうするのが良いのかについての判断は指導部の役割であり、指導部が冷徹な議論を経て決定することを願う」と話した。

ユンヨンギュ保健医療委員長、「越えてはならない限度を越えた」

やはり民主労総代議員の資格で昨日の代議員大会に参加した全国保健医療産業連盟のユンヨンギュ委員長は「あってはならないことが起きたのであって、最小限の守るべき限度を越してしまったのではないかと思う」としながら「民主的手続きと過程が無視されたことが残念だ」と明らかにした。

「会議では反対の立場を述べることができます。 そのような意思表現は十分にできると思うのですが、その方式が昨日のような調子ではだめだと思います。 意見が十分に討論されればいい問題なのに、昨日は討論の問題ではなかったと思います。 それは言い訳であり、理由でしかありません」。 ユン委員長は「昨日の事件の本質は、案件廃棄を貫徹させるためのものだったし『社会的交渉を議論する時期ではない』、『現時点で至急な問題は別にある』と討論を主張したが、それが本当の理由ではなかった」と述べた。

ユン委員長は「正常な会議の進行によって意志決定の過程が尊重されていたのに、片方の意見が違うという理由でこういうことが起きるのなら、今後、民主労総はなにも決定できず、組織的に何もできなくなる」とし、民主労総指導部の指導力が失なわれることに憂慮を表した。

民主労総のイスホ委員長の辞任発言に対してユン委員長は「辞任はとんでもないことで、あってはならない」とし、指導部として最後まで責任を果すことを要求した。

2005年02月02日(C)民衆の声

原文


民衆の声

岐路に立った民主労総、「正面突破」側に手順

22日臨時代議員大会開いて委員長再信任を問い、社会的交渉案件を処理

キムドギュン記者

民主労総臨時代議員大会霧散と共に失墜した労働運動の名誉と道徳性は回復することができるのだろうか。

全国民主労働組合総連盟(委員長イスホ)は最近、代議員大会の連続霧散と起亜車労組不正などと関連し、民主労総の組織的規律と団結闘争の気風を蘇生するためにも現状況を正面突破するという側に立場を固めたものと見なされる。

民主労総は2日の午後に常任執行委員会会議を開催して今後の日程を議論決定する予定であり、3日の午前11時に記者会見を開いて1日の民主労総34次代議員大会霧散事態などに関連した対国民メッセージを伝達する計画だ。

来週の旧正月連休の後、2月末までは息つくひまもない日程をこなすことになる。

22日に臨時代議員大会開いて委員長の再信任を問うもよう

4日に中央執行委員会会議を開いて続いて15日に中央委員会を招集し、代議員大会暴力行為子対する調査及び懲戒手続きと委員長辞任と関連した案件を議論して、22日に臨時代議員大会を開催、委員長再信任の件と社会的交渉の件を上程する計画だ。

ここには、もはや引き返せないという判断が作用したものと見なされる。

一連の事態を見守りながら現場の中に入っていこうという切迫した声もあって、こういう状況で2月臨時国会で処理される予定の非正規法案を防ぎきる力が集まるかという憂慮の声が提起されることもした。

民主労総内部の混乱が繰り返される中で、法案が上程・処理されると、民主労総の立場としては最悪の状況を迎えることになり、また労働運動全体が回復するのは難しい苦境に陥りかねないという危機意識と悩みも作用しているものと見える。

1日に開会した2月臨時国会は、3月2日まで、30日間の会期だ。

2月の臨時国会での処理が予想される非正規法案と関連し、民主労総は法案処理を強行すれば全面ストライキを行うという基調に変わることがないという立場。 民主労総のイスボン・スポークスマンは「二度の代議員大会を行う過程で、2月の全面ストライキ闘争を強く要求した組織は、全面ストライキ闘争を組織するのに責任ある姿を見せるべきであり、民主労総も全面ストライキ基調に合わせて最大限可能な努力を全力投球する」と述べた。

民主労総は民主労組運動の位相、民主労総指導力が墜落した状況を復元するためにも、34次代議員大会事態に対してきっぱりと対処して、正常な臨時代議員大会を推進し組織の団結力を作り出すという立場だ。

暴力事態関連調査及び懲戒手続きも着手

一方、民主労総は34次代議員大会暴力事態に関して中央委員会の場で調査及び懲戒手続きを議論する計画だ。

民主労総のイスボン・スポークスマンは「民主労総は組織的規律を立て直す立場を確実にするはずで、徹底した真相調査を経て対策を講じる」と述べた。 李スポークスマンは全労闘という団体が「社会的交渉は社会的妥協主義」というように事実を歪曲している面と、社会的交渉の趣旨をよく理解していない面があり、また民主労総指導部を傷つけるために意図的に歪曲している側面もある」と述べた。

李スポークスマンはまた「過去の労使政委の否定的記憶と民主労総指導部に対する不信の延長線上で混在し、こうした極端な状況が起きたと見られる」とし、「現場組合員は昨日(1日)の事態に対してたいへん憤怒している」と付け加えた。

2005年02月02日(C)民衆の声

原文


インターネットハンギョレ

編集2005.02.02(水)18:26

民主労総の道徳性を揺るがす「2月闘争」動力弱化

■暴力衝突以後の行く手は

起亜車の衝撃に続いて「反民主的」と冷たい視線

内部統合・世論回復「足元の火」に

労使政委員会への復帰のための民主労総代議員大会の決議が反対派の実力阻止で再び霧散したことで、民主労総が内外から深刻な危機に置かれることになった。 起亜自動車労組の不正事件で世論の矢が熱い中で民主的な意志決定手続きまで無視される内部構造の脆弱さをあらわしたためだ。

民主労総の労使政対話機構への参加に関する議論は、イスホ委員長が昨年2月に発足する時に掲げた公約だが「社会的要求」にしたがったものでもある。 二極化の解消や雇用創出などのような主な経済・社会懸案は、労・使・政が知恵を出し合って努力しなければ解決の糸口を見つけるのが難しいためだ。 年初には保守と進歩を仰ぐ各界元老と社会団体代表が「2005希望提案」を出し、「社会的別途妥協」を強調した理由もまさにここにある。

しかし、民主労総指導部は「社会的交渉は野合でしかない」と主張する一部反対勢力の実力阻止の前に二度も膝を屈した。 問題は、この過程で民主労総内部の脆弱な意志決定構造が克明に表れたという点だ。 二度の代議員大会で組織的に反発した勢力の公式名称は「全国労働者闘争委員会」だ。 全解闘と労働者の力など、公式な傘下連盟ではない団体が結合した組織だが、これらは二度の代議員大会で参観人の資格で参加し、参席代議員の投票自体を封鎖した。 壇上占拠と議長の議事棒を奪う暴力的な手段まで動員された。 ここには金属連盟と公共連盟など、民主労総傘下の最大代議員数を確保する2連盟の一部の幹部と代議員も組織的に結合し、総連盟指導部を窮地に追い詰めた。

結局、最も道徳的でなければならない民主労総が起亜車労組の不正事件で位相に大きな打撃を受けたのに続き、内部の意志決定構造も反民主的で非生産的だという声を聞くようになった。 すでに政府と経営界の一角では「社会改革の主体として進み出る前に、まず内部改革と民主化からやれ」という嘲笑混じりの批判がある。

こうした状況で、政府と与党は2月の臨時国会で非正規職関連法案を処理する方針を定め、民主労総はこれに総力闘争で対抗することにして、労政葛藤の谷が深くなると憂慮されている。 だが、実際に民主労総が総力闘争をするだけの内部動力が得られるかどうかは不透明だ。 もしかすると、労働界に対する国民世論が悪化するだけで、「社会的孤立」を招きかねないと憂慮される状況だ。

仁荷大のユンジノ教授は「民主労総が社会的対話に参加しなければ、今は政府や経営界のイデオロギー攻勢が強化されるだけでなく、労働界層の実質的利益に反する制度を強行処理する環境を作ることになる」とし、それによる労働運動勢力の萎縮と実質的経済社会民主化の後退を強く憂慮した。

これと共に、イスホ委員長が1日の臨時代議員大会での案件処理霧散の責任をとって辞任するという意向を表し、民主労総が社会的には孤立し、内部的には指導部の空白などの深刻な内紛に置かれるのではないかと上がらないか憂慮されている。 しかし、それに対して民主労総のある幹部は「代議員大会の不均衡は特定集団の暴力行為で民主秩序が崩れたものであり、委員長や全体代議員の責任にすることはできない」としながら「これから1週間のうちに中央委員会会議を招集し、執行部の去就問題に対する議論とともに社会的交渉案件処理のために臨時代議員大会再招集日程を確定する計画」と明らかにした。

パクスンビン記者 sbpark@hani.co.kr

*△1日午後、ソウルの永登浦区民会館で開かれた民主労総臨時大義大会で社会的交渉案件に対する表決処理に反対する一部代議員と参観人が壇上を占拠、イスホ委員長(中)が深刻な表情で席に座ったまま考えている。キムジョンヒョ記者hyopd@hani.co.kr*

■‘社会的交渉’を拒否する勢力

「資本に抱き込まれた」現場派の反対の論理

整理解雇問題化で同調勢力30%程度

中央派「必要性は認めるが、さらに議論を」

1日の臨時代議員大会で暴力も辞することなく激しく社会的交渉案件の処理の妨害を主導したのは、公共連盟、金属連盟、解雇者復職闘争委員会、社会保険労組などの一部代議員と参観人たちだ。 だが彼らの行動は、自分たちが属する連盟や組合次元というよりも、民主労総内部の3つのセクトのひとつである「現場派」に分類される半公開組織「労働者の力」、「メーデーフォーラム」などの次元で行われたものと見られる。

これらの半公開組織はこの日の代議員会場で行われた社会的交渉案件阻止の闘いに大学生が多数参加したことからも立証されるように、学生運動圏と再生産構造で連携しているのが特徴だ。 この日、表面化した「社会的合意主義労使政談合粉砕全国労働者闘争委員会」(全労闘)という団体名からもわかるように、イスホ委員長が社会的交渉参加を公約に掲げて当選したことを契機として、社会的交渉機構参加を阻止するために一時的に作られた組織である。

彼らがこの日、無理に代議員大会を流会させたのは「社会的対話機構は新自由主義を実現するための道具でしかなく、ここに参加することは資本に抱き込まれることにすぎない」と見るためだ。 彼らにとって、社会的対話機構は「民主労総の改良化」であり、いかなる犠牲を払っても防ぐべき課題というわけだ。

民主労総内のもうひとつの派閥である中央派も、国民派出身の現イスホ執行部の社会的交渉に反対しているのは同じだ。 彼らは社会的交渉の必要性は認めるものの、時期が問題なのでもっと議論しようという側だという点で、現場派と区別される。

1980年代運動圏の民衆民主(PD)路線に同じ根を持つ中央派と現場派の社会的交渉に対する認識の差は、社会変革闘争に対する認識の差に始まると労働界内部事情に明るい専門家は説明する。 大企業の工場の現場組合員組織を中心とする現場派は、議会を通じての改革可能性を否定し、農民・都市貧民などとの階級的連帯を通して資本と非妥協的に対応しなければならないという観点に立っている。 その反面、中央派は民主労総の前委員長である段炳浩民主労働党議員とシムサンジョン議員などの中心的人物を通しても分かるように、議会進出による変革を追求する。 強硬派である現場派は、普段は民主労総内部で10%程度の勢力を持っているが、整理解雇などが問題になって労使・労政対立が尖鋭化する時は、同調勢力が30%近く増えるという。

また、社会的対話機構への参加に反対したり消極的なのは、現実的な利害関係もある。 民主労総内の多くの単位労組は、大企業や公企業の労組で、強い交渉能力を持っている。 彼らにとっては実際に、労使政委などの超企業的な交渉機構に参加する必要性はあまりないと言っても過言ではない。 会社側との交渉で、いくらでも要求を勝ち取ることができるためだ。 超企業単位で進められる社会的対話機構に参加することになれば、むしろ自分たちが今享受している持分が減りかねないからだという分析も出てくる。

パクスンビン・キムジョンス記者 jsk21@hani.co.kr

*△イスホ民主労総委員長が2日午前、ソウル永登浦区民主労総事務室で幹部会議をするために会議室に入っている。カンチャングァン記者chang@hani.co.kr*

民労党、「実家」を心配

「労使政委の問題が難しければ延期すべき」

起亜車労組の就職不正波紋に続き、民主労総代議員大会暴力事態など、労働運動界に悪材が重なり、民主労働党が困惑している。 党と民主労総が相互に独立的な関係であるだけに、不介入は原則だが、労働者の声を代弁する政党としては手をこまねいてばかりはいられないからだ。

民主労総の初代委員長だった権永吉(クォンヨンギル)議員は2日、「労働者の血と汗、涙で建設した民主労総で、いかなる理由でも暴力の行使だけはだめだ」とし、「早く戦列を整備して民主的手続きで意見を収斂することを願う」と話した。 彼は「党の直接介入はできないが、愛情深い忠告は必要だと思う」とし、「まもなく民主労総指導委員と会って相談する」と付け加えた。

やはり民主労総委員長出身の段炳浩議員は「こんな表現は使いたくないが『悔しい』と言わざるをえない」としながら「もしかすると国民に否定的な姿に見られ、民主労総の発展の障害になるのではないかと憂慮する」と話した。 民主労総の事情をよく知る党関係者は「暴力事態は労使政委参加問題で意見の相違を狭めなかった結果」とし、「非正規職闘争など、至急な懸案が多いだけに、とにかく合意が難しい問題は後回しにする方法もあり得る」と忠告した。

チョングァンソプ記者 iguassu@hani.co.kr

ネチズン激昂-要請2姿

「暴力狼藉」「成熟の契機に」

民主労総代議員大会が暴力事態で霧散したことに対してネチズンは2日一斉に憂慮と憤怒の声を吐き出した。

民主労総のホームページの自由掲示板には、1日夜から2日まで数百件の文が殺到している。 ID‘惨めだ’は「現執行部の反対側に立っている人々(強硬派)が本当に同志的関係ならそんな『こと』をしてはならず、暴力で自身の主張は貫徹できたかもしれないが民主労総の社会的責務と支持確保には明確に失敗した」とし「今回の暴挙は民主労総という労働階級運動が発展してこそ私達の社会が発展するという歴史的常識を無視した」と批判した。

民主労総組合員というID‘嘆き’は「民主労総の強硬派は‘守旧狼藉’ではなく‘暴力狼藉’だと言いたい」とし、「同じ釜の飯を食べる執行部や代議員の間でもこういう方法の暴力が乱舞するようでは、どうして経営者と対話できるのか」と問うた。 一部は民主労総の代わりに‘暴力労総’に名前を変えろという激しい反応も見せた。

今回の事態を民主労総がさらに成熟する契機にしろという要請の声も多かった。 インターネットハンギョレのディベートルームでID‘ハン民主’は「今回の機会に民主的手続きを妨害する暴力勢力は誰であれ容認できないということを見せるべきだ」とし、「非暴力、人権そして良心を尊重する国民と大多数の労組員の意向を生かして、民主労総が一層成熟して発展する契機にしなければならない」と話した。 ID‘流れた流行歌’は「(今回の事態が)民主労総だけの問題ではなく、私たちすべての理念論争とアイデンティティを担保にする非難合戦の延長線ではなかったのかを振返るべき」とし「手遅れになる前に、自覚と多くの反省の上で、労働者の権益のために生まれかわる労働運動になるべき」と要請した。

イヒョンソプ記者 sublee@hani.co.kr

原文


翻訳/文責:安田(ゆ)


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