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サムスンのセコい手法...半導体白血病報告書の閲覧を制限

「2時間で数百ページの英文報告書を読んで出てくれば誤解が解けるのか?」

イ・サンウォン修習記者 2012.01.13 12:48

世界で最も邪悪な企業を選ぶPublice Eye Awardで2位になっているサムスンの 真の姿がまたあらわれた。1月13日、サムスン半導体工場で働いて病気になり、 命を失った労働者の家族は、サムスン本館前に立っていた。この日、本館前で は『サムスン・インバイロン研究報告書閲覧制限糾弾記者会見』が開かれた。

▲13日サムスン半導体白血病被害者家族がサムスン本館前で記者会見をした。

サムスンは昨年7月14日、記者ブリーフィングで「インバイロン社の研究の結果、 サムスン半導体工場は安全で、労働者の白血病は業務との関連性はない」とい う研究結果を発表した。当時、サムスンの関係者は「営業秘密を除くすべての 報告書資料を透明に公開する」と話した。これは、6月23日にソウル行政法院が サムスン半導体労働者の白血病を労災と認めるとした判決と反する主張だった。

▲故ファン・ミヌン氏の
妻チョン・エジョン氏が
発言をしている。
それから5か月が流れた。報告書閲覧の機会を待っていたパノルリムに情報提供 が入ってきた。サムスンの英文ホームページに報告書を公開するという公示が 出たという情報提供だった。ソン・ジンウ韓国労働安全保健研究所常任研究員 が、「透明に公開すると言いながら、そっと英文ホームページだけに小さく公 示された」とし「これが李健煕(イ・ゴニ)会長が言う市民との対話か」と批判 したように、サムスンは静かに英文ホームページだけに公示し、12月1日から 12月31日まで閲覧を提供した。

サムスンは閲覧を提供するにあたり、制限条件を付けた。半導体労働者の健康 と人権守備パノルリム(SHARPS)が明らかにした事実によれば、サムスンは閲覧 の資格を学術的な目的を持つ個人に限り、閲覧時間と回数を一日2時間、二回に 制限した。また、閲覧のためには秘密維持契約書と個人情報収集利用同意書を 作成しなければならないといった。

この日の記者会見で韓国労働安全保健研究所のコンユ・ジョンオク執行委員長 は、「韓国で専門的な識見を持ち、英語ができる人が入っても、2時間で数百ペー ジもの報告書を学術的な目的で検討することはできない」とし、サムスンの欺 瞞的な方法を糾弾した。

続いて、タサン人権センターのアン・ウンジョン常任活動家は「個人情報収集 利用同意書を要求するために、要求主体は個人情報の収集目的と利用を公開す るようになっているのに、サムスンはこれについて何の説明もなく法的な要求 事項だから作成しろという」とサムスンの反人権的な処置を批判した。

また、コンユ・ジョンオク執行委員長は、「英語だけで報告書を提供し、秘密 維持を要求するのは透明な公開ではない」とし「学界の先生に聞いても、サム スンの処置は非常に侮蔑的な方式で、前例がない事例」と批判した。

一方、サムスンが研究を委託したインバイロン社は、1997年に、フィリップ・ モリス社(タバコ会社)のために間接喫煙と肺ガンの関連を否定する主張をし、 2009年にもタバコとガンの関連についての裁判でタバコ会社を代弁している。 また、インバイロン社で働く主な研究者は、ベトナム戦争参戦軍人の健康問題 が枯葉剤とは無関係で、政治的な目的により、あまり危険ではない枯葉剤の健 康の影響が誇張されていると主張した事例もある。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-01-14 07:51:51 / Last modified on 2012-01-14 07:51:52 Copyright: Default

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