本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:サムスン労働者遺族、引きずり出されながら「李健煕出てこい」
Home 検索
 


サムスン労働者遺族、引きずり出されながら「李健煕出てこい」

壊れた遺影と破れた服...キム・ジュヒョン氏の父が入院

ウ・ヨンヘ記者 2011.03.07 09:20

55日間冷たい霊安室にいる故キム・ジュヒョン氏の遺影を抱き、故人の父キム・ ミョンボク氏は3月6日、瑞草洞のサムスン本館に向かった。サムスンで働いて 白血病とガンで子供と家族を失った遺族と一緒だった。キム・ジュヒョン氏の 死亡事件の解決のために李健煕(イ・ゴニ)最高経営者と対話しようとしていた。 だが遺族がサムスン本館に入るとすぐ、警備員が彼らを暴力で出迎えた。サム スン本館前で「李健煕(イ・ゴニ)社長が出てきて解決しろ」という遺族の絶叫 が響きわたった。

遺影を抱いた遺族が瑞草洞のサムスン本館前に到着したのは午後2時。本館に近 づくほど、沈黙が流れ、歩みが速まるばかりだった。遺族は回転ドアから本館 に入るとすぐ、警備員が回転ドアを止め、記者の出入りを阻止した。たった今、 遺族が入った本館の中には、誰も入れなかった。短時間のうちに本館の中では 警備員による遺族への制止が暴力に変質していた。無力な女性と高齢の遺族に 一方的に暴力をふるった。本館の回転ドアの中はたちまち修羅場になった。

手足を捕まれて本館から引きずり出された故ファン・ミヌン氏の夫人チョン・ エジョン氏は「人を殴り、足で蹴り、人に見えない所なら殺すかもしれない」、 「愛する夫が死んだのに、家にじっとしていろと言うのか。何十人も死んだの だから釈明してほしい… 何も悪いことをしていないのに、なんでこんなに冷酷 に扱うのか。これが大韓民国か」と絶叫した。

引きずり出された遺族たちは「李健煕、李在鎔、出てこい。いつまで傍観して いるのか。何十人もの死に問題がないというのなら、ないと釈明でもしろ。 なぜ隠すのか」、「われわれは諦めない。労働者たちは最後まで責任を問う」 と泣き叫んだ。

故キム・ジュヒョン氏の父親のキム・ミョンボク氏は、手から血を流しながら 引き出された。「これがサムスンの私たちへの答か。李健煕は出てこい」とし、 血が流れる手でガラスの壁を叩き続け嗚咽した。精神と肉体的ショックを受け た金氏は、胸を打ってその場に倒れ、江南聖母病院に運ばれた。

しばらくしてサムスンの通報で到着した警察は、サムスン側の話だけを聞き、 怪我をした遺族の話は聞きもしなかった。遺族が警察に抗議すると、一足遅く 警察が到着し、遺族に「不法集会だから早く帰れ。さもなくば連行する」と言っ た。遺族は「労働者が死んでも法を守らない人はそのままにして、対話しよう と来たことのどこが不法だというのか。私たちのどこが悪いのか。ここは本当 に民主共和国か」と抗議した。

結局、遺族はサムスンとは何も対話できずに帰った。故ファン・ユミ氏の命日、 遺族に残されたものは壊れた遺影と破れた服だけだった。

一方、ショックで救急車で運ばれたキム・ジュヒョン氏の父キム・ミョンボク 氏は、現在江南聖母病院に入院している。パノルリムの関係者は「天安の息子 の葬儀場に近い病院に移ることを望んでいるが、血液検査の結果、心筋梗塞の 危険があるので江南聖母病院に入院した」と伝えた。(記事提携=メディア忠清)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-03-08 06:50:28 / Last modified on 2011-03-08 06:50:39 Copyright: Default

関連記事キーワード



このフォルダのファイル一覧上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について