本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:労働部、サムスン自殺労働者の資料公開を拒否
Home 検索
 


労働部、サムスン自殺労働者の資料公開を拒否...サムスンの主張を認める

情報公開請求審議委員会まで開いて「大騒ぎ」のあげく

チョン・ジェウン記者 2011.03.01 01:03

労働部は、故キム・ジュヒョン氏死亡事件真相調査のための資料公開を拒否し、 サムスン側の主張を認めた。

雇用労働部天安支庁は2月28日、情報公開請求審議委員会を開き、ほとんどを 『経営・営業上の秘密』として、一部『情報不足』と『捜査中の事項』を理由 に資料を公開しないことに決めた。

サムスン電子LCD事業主天安工場の就業規則、物質安全保健資料、作業環境測定 結果の報告書、その他、安全保健関連の一切の申告内容、天安工場湯井寄宿舎 の規則、故人の特殊健康検診の結果、天安工場特殊健康検診の結果にある疾病 有所見者の現況、サムスン電子(株)全自殺者の現況などだ。

公開することにしたのは『天安工場2006〜2010年特殊健康診断結果疾病有所見 者現況(統計現況に限る)』ただ一つだ。

労働部の決定に対し、遺族と労働、社会団体は反発している。特に就業規則は 『秘密文書』ではなく、掲示、備えつけて労働部に申告すべき一般的な資料で、 非公開決定の根拠が貧弱だ。

就業規則は勤労基準法により常時10人以上勤労者を雇用する事業者は就業規則 を掲示、備えつけて、勤労者に周知させる義務がある。また、就業規則が勤労 基準法に基づいて作成されたのかを確認し、法改正時の反映を監視するために 管轄労働部に申告し、労働部が持っている資料だ。

物質安全保健資料、作業環境測定結果報告書も同じだ。規格化されて、物質の 名前、成分、安全上の危険性などが記録された物質安全保健資料は、産業安全 保健法により、事業主は労働者が簡単に見られるように備置する義務がある。

作業環境測定結果報告書も産業安全保健法律上の物質に対し年2回作業環境測定 をして、その結果を労働部に報告しなければならない。

韓国労働安全保健研究所のコンユ・ジョンオク産業医は、「就業規則だけでな く、物質安全保健資料、作業環境測定結果報告書がなぜ営業秘密なのか、理解 できない。食べ物の材料が何かを聞くように、常識的に公開されるべき資料だ」 と指摘した。

また、現在の法律では、作業環境測定、物質安全保健資料などが形式的な調査 でしかないと批判し、「どんな資料、無価値な資料でさえ、遺族と社会団体に は資料を出さないというサムスンと労働部の意志を反映する」と一針を飛ばした。

労働部は遺族、労務士との面談の時、『できるだけ早く処理』して、サムスン 天安工場の現場調査もする意向を示していた。しかし意見を聴取した労働部は、 サムスンを言い訳に情報公開期間を2回も延期し、審議委員会まで開いて結局、 資料非公開を決めた。

一方、労働部と警察は故人の投身自殺から1か月半を越えても、何の結論も出せ ずにいる。(記事提携=メディア忠清)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-03-01 08:58:20 / Last modified on 2011-03-01 08:58:24 Copyright: Default

関連記事キーワード



このフォルダのファイル一覧上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について