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LNJ Logo 韓国:サムスンはなぜ映像を公開しないのか
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サムスン、なぜキム・ジュヒョン氏自殺のCCTVを一部しか公開しないのか

CCTV原本ではなく編集本で警察捜査...遺族が見つける

チョン・ジェウン記者 2011.01.25 09:16

サムスン電子、牙山警察署側が、故キム・ジュヒョン氏の投身自殺の記録を含 む社内CCTVの一部を遺族に公開しなかったり言葉を翻し、遺族が反発している。

特にサムスン側が警察に提供したCCTVは、原本ではなく編集本と確認され、 遺族と弁護団は警察側の『公正捜査』に疑いを抱いている。

事件当日を記録したCCTVは、キム・ジュヒョン氏の死亡の過程と原因を分析で きる重要な資料だ。金氏の死亡をめぐり、遺族はサムスン側の業務上過失責任 があると主張している。

こうした状況で、サムスン側は遺族と弁護団に金氏の死に関する資料を透明かつ 誠実に提供しなければ、金氏の遺体は葬儀場から出られないまま責任の攻防だけ がいつまでも続くだろう。

CCTV原本を見たければ『情報公開請求しろ』『肖像権侵害だ』?

サムスンLCD工場長が弔問して原本を渡すと言った約束を守らず

CCTVに関する問題提起は、21日から本格的に始まった。当日、サムスン電子 LCD事業部の工場長が葬儀場を弔問すると言ったため、遺族は午後2時頃に 工場長の弔問を条件としてCCTV原本を要求した。

21日午前、金氏の父親と弁護士が、警察側との面談でCCTV映像が切れる現象を 見て、原本ではなく編集本であることを確認した。

遺族によれば、「さらに深刻なのは、担当刑事がCCTVが編集本であることも知 らなかった。特にジュヒョンが最後の投身直前の11日午前6時30分から6時44分 までの間が切れていた」と話した。

しかし、午後2時頃に葬儀場にCCTV原本を持ってくるというサムスン側は約束を 守らなかった。何時間かもめた末、遺族は結局夜11時頃に警察署でCCTVを閲覧 することができた。

遺族は「約束したCCTV原本を求めて督促したが、会社の管理者は色々な理由を つけて的外れな答をし、返事を避けた。そして『遺族には渡さず、警察だけに 渡す』、『資料が膨大で、複写に時間がかかる』、『遺族にCCTVの資料を渡す 場合、CCTVに映っている他人の肖像権が侵害される』、『情報公開を請求しろ』 と言って原本を見せなかった」と怒った。

また、CCTVの閲覧の過程で、警察側とサムスン側が互いに責任を転嫁して原本 を遺族に見せることを敬遠するといったと証言した。遺族は「サムスン管理者 が『遺族に複写本を渡してもいいのか』と言って回避し、警察は『サムスンの 同意が必要』と逃げた。しかし後で当直員がすでに原本を受け取っていたこと を確認した」と話した。

これに関して、金氏の事件の担当弁護士は、「サムスン側が直接遺族に渡すこ とにしたCCTVの複写本は、法的に全く問題にならない。CCTVの閲覧を情報公開 請求しなければいけないなど、とんでもない」と抗議した。

当時、葬儀場にいた市民社会団体の関係者は、「ジュヒョン氏のお父さんは、 遺体安置所に来たお母さんに電話をかけて『サムスン側の弔問を受けるな』と 言っていた。工場長の弔問の後、サムスンの管理者が来続け、花輪も新しいも のに取り替えて幟まで持ってきたが、遺族がその後、弔問を受け入れなかった ためサムスンは幟を片づけてしまった」と状況を伝えた。

「事件が起きて、収拾しようとする姿を見て複雑で息苦しかった」

4回も自殺を試みた...『なぜ部屋に一人で置いたか』

結局、遺族は24日午後12時30分から午後6時頃まで、牙山警察署でCCTV原本を 確認した。

サムスン側が提供しなかった資料で、金氏が自殺した朝7〜8時の間の画面、金 氏が使わなかった1番エレベーターは提出されたが、利用したのに提出されなかっ た2番と3番エレベーターの画面、防除要員の出入時間などを確認できる資料、 救急車の出動時間、病院への搬送時間を確認できる資料だ。

CCTV原本を確認する過程で、金氏は3回ではなく4回にわたり自殺を試みたてい たことが確認された。

原本を確認した金氏の姉のキム・ジョン氏は、「原本を確認したが、疑わしい 部分が多い。CCTVを見て感じたのは、ジュヒョンが窓枠にしがみついた時に3人 が駆け付けた。ジュヒョンが投身した後、部長や課長など多くの管理者がきて 大騒ぎしていた。事件を予防せず、事件が起きてから収拾しようとする姿を見て、 複雑で息苦しい気持ちだった」と伝えた。

また、キム・ジョン氏は、会社内部の応急手続き発生時の対応手続き上、社内 病院の勤務時間には応急、非急病患者を社内病院に移送し、勤務時間外は社外 の病院に移送しなければならないのに、サムスンは内部規定も守らずに安易な 対処をしたと指摘した。

遺族と弁護団は、サムスン側の非協力でまだ金氏の死亡の真相を究明する資料 が足りないとし、金氏の出退勤現況、給与内訳、社内主治医心理相談所の所見 などを追加で要請している。

現在、遺族とサムスン白血病忠南対策委、パノルリムは、民主党イ・ミギョン 議員と共に1月27日午前、国会で記者会見を行って、金氏の死亡過程で明らかに なっていない疑いに対するサムスンの解明と謝罪を要求する計画だ。彼らは金 氏が自殺を試みた当時、これを目撃した管理要員が最後まで金氏を捕まえてお かなかった情況と共に、サムスン側が当時の状況が記録されたCCTVを一部しか 公開しなかった点についての疑惑も提起することにした。(記事提携=メディア忠清)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-01-25 18:22:58 / Last modified on 2011-01-25 18:22:58 Copyright: Default

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