本文の先頭へ
韓国:パノルリムと遺族、徹夜座り込みに突入
Home 検索

「勤労福祉公団はサムスン福祉公団か」...白血病遺族の嗚咽

パノルリムと遺族、シン・ヨンチョル理事長との面談を要求して徹夜座り込みに突入

ユン・ジヨン記者 2010.10.19 19:39

イ・ミギョン民主党議員が国政監査で提出した勤労福祉公団の文書は、サムス ン白血病被害者と遺族に大きな傷を残した。

特に、公共機関である勤労福祉公団がサムスン白血病被害者の行政訴訟をサム スンと共同で対応しているという事実は、遺族の怒りをかった。半導体労働者 の健康と権利を守る会(パノルリム)と遺族は理事長との面談を要求し、アポなし 座り込みに突入した理由もこのためだ。

「理事長様のスケジュールのために...」

10月19日、イ・ジョンナン労務士と遺族はシン・ヨンチョル理事長との面談を 要求し、勤労福祉公団に座り込んだ。文書を見た後、理事長との面談のために 駆け付ようとする遺族は多いが、それでも代表を選びに選んだ。

約2年間、器興工場で働いて白血病で死亡した故ファン・ユミ氏のお父さん、ファ ン・サンギュ氏、約6年間器興工場で働いて、脳腫瘍で障害者になったハン・ヘ ギョン氏のお母さんキム・シニョ氏、1年4か月間温陽工場で働いて再生不良性 貧血になったユ・ミョンファ氏のお父さんユ・ヨンジョン氏、そして、7年間器 興工場で働いて白血病で死亡した故ファン・ミヌク氏の夫人チョン・エジョン 氏がその代表だった。

彼らは勤労福祉公団の『騙し討ちだ』と怒った。なにしろ今まで16人の労災申 請者のうち10人は労災が承認されなかった。このような判例を見ても、11月の 審議を待つ10人にもあまり希望はなさそうだ。

勤労福祉公団の不承認と勤労福祉公団審査室での不承認に続き、労働部が行う 再審査請求でも不承認だった。結局、勤労福祉公団の判定に従わない6人の被害 者家族は行政訴訟を提起した。

不承認判定の乱発もひどいが、家族の行政訴訟でさえ勤労福祉公団がサムスン と協調しているという事実は、遺族にとってさらにとんでもないことだった。 チョン・エジョン氏は公団の職員に対し「この前は私たちの話を1時間聞いて、 労災承認のために最善を尽くす、また訴訟すれば勝てると話しておきながら、 裏ではそんな文書を送っていたのか」と嗚咽した。

だが理事長との面談はうまくいかなかった。職員は「理事長もスケジュールが ある」と話した。理事長室に上がる階段とエレベーターには公団の職員がバリ ケードを積んだ。エレベーターは止められ、非常口には錠と鎖がかけられた。 イ・ジョンナン労務士は「3年間哀乞伏乞したが、一回ぐらいは会ってくれても いいではないか」と怒ったが効果がなかった。

文書作成について問い質す遺族に対し、保険給付局長は「私も国政監査の日に 初めて見た」とし「理事長と会っても解決するものではない」と釘をさした。 続いて「これは理事長が何かできることでなく、何よりも面談を要請する姿勢 が誤っている。これは礼儀ではない」と話した。

『勤労福祉公団』は『サムスン福祉公団』..彼らにとって『国民』はつまり『サムスン』

サムスンのロビーがあったのかという遺族の質問に保険給付局長は「私たちの 組織にはそんな人はいない」とし「ロビーがあったとすれば腹を切る」と強く 話した。だが公共機関とサムスンの共同行動が組織された事実がわかり、『サ ムスン共和国』という皮肉から抜け出せない。

15日に国会環境労働委員会国政監査で公開された内部文書は『勤労福祉公団は サムスン福祉公団』という非難を呼び起こした。この文書は1月22日、勤労福祉 公団が傘下の京仁地域本部に送った資料で、サムスン電子白血病被害者が提起 した行政訴訟に対して「サムスン電子(株)が補助参加人として同訴訟に積極的 に参加できるように措置しろ」という内容が含まれていた。

それだけでなく、「訴訟の結果によっては社会的波紋が大きいと判断されるの で、これを考慮して、本部関連の室局と緊密な協力体制を維持し、訴訟進行中 の特異事項を報告しろ」と要請した。結局、サムスンは勤労福祉公団の勝訴の ために3大ローファーム会社と呼ばれる『栗村』所属6人の弁護士を同行して 訴訟に参加した。

事実上、法院の判決で遺族らが勝訴すれば、これまで不承認をしてきた勤労福 祉公団とサムスンのイメージは大きく失墜しそうだ。またガンや白血病のよう な治療費負担が重病が労災と認定されると、勤労福祉公団に予算の負担がある ことも見過ごせない。実際に5日に開かれた国政監査で雇用労働部長官は「職業 性ガン認定基準を緩和すれば財政赤字とモラルハザードが発生する」と言っている。

これについてイ・ジョンナン労務士は「患者は僅か1000万ウォンがなくて治療 できないのに、公団は毎年1兆ウォンの黒字を記録しながらも、予算のために不 承認処理をしている」と批判した。

一方、遺族をはじめとするパノルリムと市民社会団体は、理事長との面談が成 功するまで徹夜の座り込みを続ける予定だ。また20日午後6時30分には勤労福祉 公団前で集中集会を開く計画だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-10-20 13:50:15 / Last modified on 2010-10-20 13:51:00 Copyright: Default

関連記事キーワード



このフォルダのファイル一覧上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について