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韓国:「サムスンは血塗られた祭りをやめろ」
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「サムスンは血塗られた祭りをやめろ」

2010韓国電子産業大展覧会...そこに半導体労働者はいなかった

ユン・ジヨン記者 2010.10.12 17:28

10月12日、京畿道高陽市キンテクスでは、国内最大のIT展示会の幕が上がった。 『2010韓国電子産業大展示会』というこの行事は、韓国電子展(KES)、国際半導 体大展示会(i-SEDEX)、国際情報ディスプレー展示会(IMID)の3つの展示会を一 つにまとめた国内最大規模のIT展示会だった。

国内最大の規模の展示会だけに、国内最大企業であるサムスン電子も展示会に 参加した。30か国の電子産業、約1000社と、海外のバイヤー2000人ほどが駆け つけた。キム・ファンシク国務総理も参加して、席を輝かせた。

参加者たちがIT産業技術の発展に祝杯を上げている間、白い防塵服を着たサム スン半導体労働者10人ほどがイベント会場の入口に倒れた。白いマスクに白い 防塵服を着て、背中にはおなじみの名前を付けたままだった。これらの名前は、 この3年間で、各種の貴重疾病により亡くなった人たちの名前だった。

「ITは私の生だったが、それが私を壊した」
「IT's my life but broke my life"

展示会のスローガンは「IT's my life」だった。だがITが生活だった労働者約 30人は、すでにITと半導体産業で命を落とした。パノルリムのコンユ・ジョン オク活動家は、「彼らがサムスンに入社した時、サムスンは彼らの生だったが、 工場は人生を奪い取った」と話した。

半導体労働者の健康と権利を守る会(パノルリム)が発表したサムスン半導体労 働者の職業病被害労働者は100人にのぼる。彼らは血液ガンをはじめ脳腫瘍、乳 ガン、子宮頸部ガン、黒色腫、肉芽腫から生理不順、自然流産、筋骨格系疾患 などを病んできた。

サムスン半導体で働き、白血病などの血液ガンにかかった労働者は39人。この うち14人はすでに亡くなっている。三星(サムスン)電子で働いていた労働者約 100人も脳腫瘍、乳ガン、自然流産、皮膚疾患を抱えている。そして30人程が死 亡した。

サムスンと政府は、労働者が作業場の有害環境への露出で貴重疾病を抱えてい るという事実を否定しているが、毒性化学物質露出への疑惑は絶えず提起され てきた。参与連帯がソウル大学校産学協力団が2009年に実施した『サムスン電 子器興工場の露出評価部門諮問報告書』によれば、昨年1月から9月までの化学 ガス漏出事故で46件の警報機が作動したという。有害化学物質に対する成分も きちんと把握されていない。

半導体労働者の職業病被害は、単にサムスンだけの問題ではない。米国IBMで発 生した250人の職業病被害をはじめ、英国とタイ、台湾などの電子産業でも職業 病被害と環境汚染が発生した。『未来指向的ライフスタイル』を打ち出すIT産 業は、現在を暮す労働者の痛みだった。

「労働者の血で染まった祭りは止めめ」

サムスンは工場で働き、貴重疾病にかかった労働者の病気を労災と認めなかっ た。勤労福祉公団も労災との関連はないと結論付けた。その代わりに、半導体 とIT先端技術を展示、発明して、大規模な祭りを繰り広げている。

そのためパノルリムは、「人間の健康権と尊厳を踏みにじって生産される製品 の祭りは静かに見守ることができない」とし、展示会の開幕に合わせてこのパ フォーマンスを行った。また「この華麗な祭りはあまりにも残酷な祭り」とし、 職業病被害者を無視して祭りを繰り広げる政府とサムスンを糾弾した。

彼らの要求は、サムスンの謝罪と労災保障、有害化学物質と毒性情報公開、有 害化学物質の使用中断だ。パノルリムは「多くの労働者の命がにじむその製品 を称賛する前に、死んだ労働者に謝罪し、彼らの死を哀悼しろ」と叫んだ。

サムスン電子は今回の展示会で、スマートフォン、スマートTV、スマート家電 などの先端革新新製品を発表した。ロボット掃除機と世界初の機能性レンズで 参加者を驚かせた。だがこの華麗な祭りには労働者はなかった。治療費がなく、 病気が悪化したり、手術費のために手術を延す労働者の痛みはそっくり祭りの 費用で消費されただけだ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-10-14 05:27:37 / Last modified on 2010-10-14 05:27:39 Copyright: Default

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